村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

「日銀はこうして金融政策を決めている」を読んで





ひとつ読んでいてメモしておきたいことが書いてあった。

日銀短観は先行き・足元の業況判断指数があるが、
景気回復時は足元より先行きのほうが低く、
景気後退時は先行きより足元のほうが低くなるという
普通に考えると、「逆なのでは?」と思う現象が生じるらしい。

しかしどうやら実はこれが正解のようだ。

景気回復時は、大抵の企業とかは先行きに関して
「景気は回復してるように見えるけど、楽観できない」
と答えがちなので、足元は「回復している」が、先行きは「楽観できない」と
答えるようだ。

逆に景気後退時は、景気が上から落ちてる最中なので、
足元は「悪い」が、先行きについては「前までよかったし大丈夫なのでは」
と考えがちになるようだ。

ちなみに企業は上期の利益は上方修正しやすいが、
下期は下方修正されやすいという癖もあるようだ。
これは普通企業は年度で計画を立てるが、
いくら上期が好調でも、下期の見通しを引き上げてミスをするのが嫌なので、
下期見通しを引き下げることが多々あるようだ。

 あとは製品在庫水準判断指数についても、先行きは足元より低くなりがちのようだ。
これは経営者の「減らしたい」という楽観的な見通しを多分に含んでいるかららしい。 

「合衆国再生―大いなる希望を抱いて」を読んで

合衆国再生―大いなる希望を抱いて
バラク・オバマ
ダイヤモンド社
2007-12-14


今の米国選挙の混沌さと不可思議さを改めて考え直すために読んでいる。
この本の半分以上はオバマ氏の選挙にまつわるエピソードが
多分に含まれており、米国での選挙のポイントを読み取ることができる。

最初から最後まで読めばオバマ氏がいかに真っ当で
真面目な政治家であるかがわかる。
(ただし真面目すぎるので、いささか実行力や決断力に欠ける部分があることは否めない)

米国の政治・選挙の実態から格差・教育・福祉・宗教・人種といった
オーソドックスな問題について、かなり赤裸々につづってある。
なお、対外政策については、読んでいるとちょっと苦手なのかなという感じで
上滑り感が厳しい。
特に熱意がこもっている部分としては

・なぜ選挙や政治に愚にもつかない罵詈雑言がいつも飛び交うのか?もっと冷静な議論が出来るような土壌はできないのか?マスコミもその傾向を助長している。
・選挙は好きか嫌いかは別として、金が重要だ。そのために多くの真面目な政治家は既得利益団体に取り込まれて、堕落していく。政治家で心を平静に保つことは難しいことだ。
・読んでいくうちに、なぜオバマ氏が皆保険制度を狙いにいったかも俄然なっとく行く言動が多々見られる。

今回の米国本選挙にあたって、今一度退任してしまう
オバマ大統領はどのような人であったのかを振り返ると
投資として参考になるだろう。

ところで最近の先進国ではびこる罵詈雑言が飛び交う愚劣選挙に
いつ終止符が打たれるのだろうか? 
これもやはり愚劣な下層人民が選挙について学ばないことが原因であろうか? 

「GPIF 世界最大の機関投資家」読んで

GPIF 世界最大の機関投資家
小幡 績
東洋経済新報社
2014-07-04


前半100ページはまだ読めたのだが、
後半180ページは著者である小幡 績氏とGPIFの運用委員会が
ただキ〇ガイであることを示しているものであった。

特に 小幡氏は本当にこれで本当にGPIFの運用委員会にいたの?
と疑いたくなるようなひどい珍言妄言が見られる

・流動性のある資産よりもない資産の方がGPIFの運用に適していると言い出す。
・なのにその後のページでやっぱり流動性ある資産のほうが良いと書いてある(意味不明)
・不動産投資は原油とか小麦とかと同様のコモディティ(違います)
・GPIFがファンドを選ぶことは、最も崇高な仕事であると言い張る(お前自分が崇高ってこと言いたいの?)
・GPIFの運用が稚拙なのは国民の知能が足りないからとか言い張る
・GPIFのリスク許容度は国民が決めることだと言っときながら、外部が圧力かけて出しゃばるなと言う

ちなみに 小幡氏の経歴も
途中まで財務省にいたのだが、経歴にIMFのサマーインターンを記述し
(普通サマーインターンごときを経歴に書くか?)
行動派経済学者という謎の肩書き標榜(行動経済学じゃなくて行動派経済学者ってなに?)

かつて東大卒の官僚として優秀であった著者も
歳をとるとこんなボンクラ(下手するとボンクラ以下) になるのかと
驚きを禁じえないかつ、投資界の恥である。

ちなみに前半のGPIFの運用方針や問題点といったところの記述は
なるほどと言ったところが多く参考になった。
年金制度に合わせた実質利回りによる運用、
資金の性格上の運用ポートフォリオ決定のむずかしさ、
ガバナンスの問題等については著者が書くような内容で非常にすっきりした。

ところが問題提起までは良いが、結局この問題に如何に取組むかといったことや、
そもそも投資の常識といったところが欠落しており、
全然問題点の解決に至っていないところに、
著者がGPIFをクビになった原因となっているのだろう。

まあ、こんな人クビで当たり前だよね、ほんとくだらな。 

「敗者のゲーム」を読んで

敗者のゲーム〈原著第6版〉
チャールズ・エリス
日本経済新聞出版社
2015-01-24


この本で強調されていることは
「ミスを犯さない運用を心がける」

これはアマチュア投資家にもプロもこころがけていかなければいけない話である。

運用でミスを犯さないとはどういうことを指すのか?

これをブレストで考えてみよう。

1、投資する資産を間違えない
2、投資するタイミングを間違えない
3、利益確定するタイミングを間違えない
4、損切りするタイミングを間違えない

この4つが重要だ。

1、投資する資産を間違えない
まず大元のこの部分を間違えると、この本で強調しているインデックス投資をしても無駄だろう。
今どの資産カテゴリに投資するのが最も有望なのか?
例えば普通に考えれば、今は日本株インデックスに投資をするより、米株インデックスに投資した方がよい。
ヨーロッパは地政学リスクで揺れているので、触るに値しない。

そういう思考を積み重ね、まず有望な資産カテゴリを把握することが重要だ。

2、投資するタイミングを間違えない
エントリーしにいくポイントを間違えないこと。
これはわかっていても非常に難しい。
押し目だと思ったら押し目ではない、もうこれ以上上がらないだろうと思ったら上がっていく。
個人的には押し目のルールとして
・2週間以上下がること
・20日ボリンジャーバンドの-2σにタッチ
のいずれかを満たすこととしている。

なお、この投資手法は先ほどの1の「投資する資産を間違えない」で間違えていると、
駄目なので気を付けたい。

3、利益確定するタイミングを間違えない。
これは正直言うとかなり恣意的になる。
どこまで相場が上昇するかなんて当てる方が難しい。
きっちりと利益確定時期や値幅を自分のルールとして作ることが重要だ。

4、損切りするタイミングを間違えない。
エントリーする時点で
「〇〇が起きたら損切りする」
というのを決めてエントリーすることが重要だ。
これがなければ取り返しのつかない損失を追う可能性があるので、
エントリーする前には何がなんでもこの
何が起きたら損切りするのか?を決めてからすることだ。


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プロフィール

村越誠

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