村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

いくつかの指標はとりあえずの相場の下げ止まりを示しているか

<WTI原油価格の動向>
タイトルなし

景気の先行きを懸念して下がっていた原油についてはとりあえずチャートだけは一方通行的な下げは一旦ストップに見える。

<S&P Leveraged Loan指数>
タイトルなし

特に機関投資家(というよりは銀行)の投資動向が大きく反映されるレバレッジドローンの動きも下げ止まり。
通常銀行の投資態度は投資金額を積み増すか、上の命令のもとに完全にストップするかのどちらかと極端な動きになりやすく、12月に一気に値下がりしていたのがとりあえず下げ止まった。
これが下がり続けると銀行は他のリスク資産の売り処分をして穴埋めしようとしてくるため、ほかのリスク資産にまで影響が波及しがちなのだが、ここが下げ止まるのが見えると一安心な気がする。 

米国が利上げできなくなったのを見て、中国が一気に金融緩和を始める

中国人民銀、預金準備率1ポイント下げ
これはほとんど狙っていて、時期が来たので即座に打って出たと考えるべきだろう。
木曜日時点で米国ISM製造業指数が60アラウンドから54まで低下したのを見て、市場参加者は一気に今年は米国の利上げはないという予想をしている。
ブルームバーグで確認する限り、場合によっては今年は利下げ確率が50%あるという市場コンセンサスになっている。
少なくとも利上げはないという見込みがISM製造業景況指数発表後はメインシナリオになった。

そこで一気に中国は今まで米国が利上げしているので、人民元安を気にしていて中々本格的に金融緩和を打てなかったのだが、ここしかチャンスはないとばかりにまずは預金準備率を引き下げてきた。

これ以降は米国の景況関連指数が下がってくれば、いくらでも中国は金融緩和を打ち込んでくるということが予想され、それがどこまで景気に効くのかを判断していくフェーズになりそうだ。

 

ソーシャルレンディング最大手マネオの不正で、業界全体が腐敗

投資募集会社、虚偽説明疑い ネット仲介、監視委調査
 いや、もう最大手maneo(マネオ)で不正が出ている時点で、もうソーシャルレンディング業界は崩壊してるでしょ。
特に今回のmaneoの件はかなり大事になりそうだ。
maneoで募集していた再生エネルギープロジェクト融資のお金が、融資先の会長の口座に勝手にお金が振り込まれた上に、そのお金がまったく再生エネルギープロジェクトと関係ない証券会社に融資、そしてそのお金が希望の党の細野豪志氏に渡ってた上に、細野豪志氏はその資金を報告していなかったということだ。 

下記に詳細がまとまっているので、詳細は下記記事を見てほしい
http://asean-info.net/Investment/18062702-news-about-jcsecurities-hosonogoshi/

このことをmaneoが知っていて放置していたなら、もはやソーシャルレンディング業界はお金を扱うということに対するコンプライアンス意識は皆無であり、貸したお金は基本的にどこかのタイミングで戻って来なくなることは確実だ。
また、maneoが知らなかったとしたら、ソーシャルレンディング会社はデューデリジェンスなどという基本的なお作法さえやっていないということだ。

いずれにしろ、maneoのこのグリーンインフラプロジェクトに融資していた人達のお金はおそらく満額返ってこないだろう。
なぜなら、政治家に金を貸すなどという、本来告知していたものと全く違う資金使途をしていた時点で、おそらく利息収入に見合った投資は全く行っておらず、他の不正と同じで次のシリーズの融資案件でポンジースキームしていた確率はかなり高いだろう。
いずれにしろ、これから他のソーシャルレンディング会社でも似たような不正が続々発生して、大幅な損失を抱えるオチになる未来はすぐそこまできている。

なお、今までソーシャルレンディングを批判する記事は過去これだけ書いてきた。

<過去参考記事>

ソーシャルレンディングの本場米国でも、業界自体の問題が大量噴出

最近異様にmaneo(マネオ)の広告が出てくるけど、必死すぎない?

日本のソーシャルレンディングは不正だらけだと認識すべきだ


みんなのクレジットの詐欺問題および回収率の目安

ついに「みんなのクレジット」投資案件について金が返ってこないフラグが立つ

無題

無題
無題

前に金融庁から「それ詐欺だから」と行政処分をくらったみんなのクレジット。
7/28日付償還分の案件の償還金が払い込まれなかったようだ。
これはもう実質的にデフォルトでしょう。
ここまで耐えて支払いしてたけど、元々ポンジースキームだったので、新しいカモがいなければ成り立たない案件であった。
しかし金融庁から直々に叩かれて新規の客がつかず、ひたすら既存客からの金の引っこ抜きが生じたことから、自転車操業は完全にパンク。

各案件の担保もどうやら15%ぐらい程度しか確保できていないようだし、他の属性の債権者や、元代表の白石氏が資産隠しなんてした日には回収はほぼ絶望的と見て間違いないだろう。
しかも担保に草間やよいの絵画が混じってたりと、これ案件さえ私物化してたんだろうなと容易に想像できる。

というかてめえの詐欺でこうなったのに、よくまあ一部投資家が回収請求したせいでこうなったといけしゃあしゃあと書くなと感心させられる。
まあ責任を投資家に転嫁している時点で反省の色もないことは明白だ。

以前ブログで書いていたことがいよいよ現実になろうとしている。

そもそもこういった詐欺に合うのは、素人のくせに欲の皮つっぱって上場していない投資案件に携わるからだ。
普通の人は上場している株に投資しましょう。

<過去参考記事>

みんなのクレジットの詐欺問題および回収率の目安


日本のソーシャルレンディングは不正だらけだと認識すべきだ

日本クラウド証券株式会社に対する検査結果に基づく勧告について - 金融庁

日本のソーシャルレンディングはもはや不正の温床となっている。
今回クラウドバンクを運営する日本クラウド証券の法令違反はこれまたひどい。
しかも日本クラウド証券の金融庁からの勧告は2度目であり、再犯だ。
では今回はどのような不正を行ったのか?

<クラウドバンク投資家に説明していたスキーム>
無題


<クラウドバンク投資家に説明していたスキーム>
無題

金融庁から図を拝借してきたが、これはさすがに許されないし、わざとやっていて全くコンプライアンス意識がない業者だと言わざるを得ない。

1、クラウドバンクのSPCから不動産取得資金を行っているというのが嘘だった。
不動産取得資金の融資がクラウドバンクの不動産SPCではなく、SPCが甲事業会社に貸し付けを行い、甲事業会社が不動産取得資金の融資を行っている形式になっている。
しかも不動産担保設定権が不動産SPCではなく、甲事業会社になっていることから、クラウドバンク越しに融資を行っている投資家は弁済順位が劣後しており、クラウドバンクは甲事業会社に不正な便宜を行っていることになる。

2、メザニンでの貸付と説明していたにも関わらず、一部がエクイティ出資になっている。
投資家への説明ではメザニン融資であると説明しており、シニア融資より弁済順位は低いものの、エクイティ出資より弁済順位が高いので元本保全性が高いことを謳っていた。
ところが、実際は融資金の25%程度がエクイティ出資になっており、弁済順位が最も低い融資になってしまっている。
全く投資家に対して行っていた説明と違う状態だ。

3、他の事業からのエクイティ出資が55万円しか入っていない
事業のエクイティ出資がほとんどゴミみたいな金額しか入っていないため、不動産の元本回収が滞った場合には、メザニン融資していたはずの投資家にもダメージが及ぶ可能性が相当高い。
ほとんど意味のないエクイティ出資であったということだ。
そもそも、55万円のエクイティ出資って、アリバイ作りとしか思えない行為だ。
 
前のみんなのクレジットでも書いているが、ソーシャルレンディングはほとんど匿名組合経由の投資・融資というのを行っており、このスキームについて情報開示の少なさや不正のやりやすさなどから、過去にも何度も投資案件で不正が起こってきた問題あるスキームだ。

私は投資を行う際には、
・換金性や入出金に関してリスクはないか?(ないのが当然)
・情報開示が十分あるかどうか(特に財務諸表が見れるかどうか)
・ 市場の一般的慣行からあまりにも逸脱したリターンを提起していないか

こういった観点からソーシャルレンディングはいずれも状況を満たせておらず、私は投資するに値しないものと判断しているし、これを他人におすすめしている人も信じられない。
既に複数回・複数業者での金融庁からの勧告や処分が出ており、スキーム自体に欠陥があると認識しなければいけないステージになっている。

ちなみに某プロブロガーのイケダハヤトが700万円以上資金をつぎ込み、挙句の果てにアフィリエイト目的で宣伝を行うといった無責任な行為を行っており、 早急にそのような行動はやめるべきだろう。

 
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村越誠

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