村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

コモディティ

スーパーサイクルと言われ始めた各コモディティ価格上昇の背景を再確認

Broad commodities price boom amplifies ‘supercycle’ talk

スーパーサイクルって言いだしている時はあんまりろくなことが起きないけど念のため背景を確認。

上記FT記事の通り足下で去年のコロナ禍真っ最中の時点では想像できなかったコモディディ価格の上昇というのが記事になっているが、それぞれのコモディティ価格については上昇している背景がいくつか異なっている部分があるため、価格上昇している要因となにがきっかけで調整する可能性があるのかを考えておきたいと思う。

原油価格は以前に記載した通り、需要面はまだ国際的な往来が自由化されていない状態で財政で吹かしている側面が大きいのと供給面の相当程度の絞り込みによって価格を押し上げている側面が大きい。
既に先物カーブが思いっきりバックワーデーションになっている中、供給面だけでの価格持ち上げにはやはり限界があるので、原油についてはさほどアップポテンシャルはないように思う。
あとは原油生産国がみんなお財布事情が厳しいのでこれ以上の原油価格上昇時においては減産を一刻も早く緩和したいことも価格上昇ポテンシャルが低い要因になっている。

銅価格・鉄鉱石価格は原油価格と違ってアップポテンシャルが明確に存在している。
それは住宅バブルである。
ご存じの通り米国を始め、世界的に低金利にわいていて住宅需要が大きく増加している。
銅・鉄鉱石も2012年以降頃は供給拡大・需要成長率の減少で暴落といっていいレベルで関係各社は大きなダメージを受けたが、2014年以降らへんからは積極的に鉱山開発を手控える動きとなった。
そこにコロナ禍以降の米国のなりふりかまわない低金利政策によって世界的な住宅バブルを引き起こし始めており、おそらく銅・鉄鉱石価格ともに米国の建設許可件数に比例するような動きになると思われる。
場合によっては建設許可件数の動きを先回りする米債金利動向の影響の方が大きいと思われるので、どの辺まで米債金利が上昇してモーゲージ金利が上昇したら、住宅新規着工件数に影響するレベルになるのかを常に頭の中に想定しておきたいところだ。
木材価格もこの米国超低金利政策の影響による住宅バブルの影響が大きい。
あと石炭価格はこうした製品精錬・製造で電力需要が増加するため石炭価格まで上昇しているという背景がある。

EVに使われる産業用メタルについては単純な話で、EV生産の拡大を背景に伸びている。
EVについては高価格帯ではなく低価格帯での普及拡大がキーポイントになると考えており、低価格帯EVの動向をウォッチしていくことが重要だと思われる。

農作物についてはバイオ燃料に関係しているものとしていないもので動向はかなり違うと思われる。
足下で米国もクリーンエネルギーに注力するというバイデン政権の御旗のもとに息巻いているが、米国の再生エネルギーで古典的なものはバイオ燃料にある。
これは確かひと昔前は余った農作物の処分に困って打ち出したものであったように思われる。
そして原油価格が高騰していた時代(主に2007-2011年)は原油価格と農作物のさやを抜くために積極的にとうもろこしを中心に活用されていた。
ただこのまま農作物価格の上昇が続いていってしまうと、ドベ新興国のインフレ率がのっぴきならない水準に向かっていく。
そうなるとどこかのタイミングで先進国の二酸化炭素を減らすために新興国の貧民を餓死させることについての是非が問われることになる。
この議論が出始める時がバイオ燃料のピークになると思われるので、そういった面で産業用メタルと農作物では同じコモディティ価格上昇でも背景が異なっている。

なお、ここまでの間にコモディティの代表格であるゴールドとシルバーは無視されている状況であり、それは新興国が外貨準備目的のゴールド買いを進めてくれない上に米債金利上昇でETFiっ本足打法もダメージを受けたことにある。

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金融政策の感応度が高まる仮想通貨

ゲーム大手ネクソン、100億円超のビットコイン購入ー株主価値向上で

現金化の必要に迫られたら真っ先に売却されそう。
足下上記のように企業がビットコインを余資を使って投資するという例が増加している。

これが意味することは以前よりも金融政策に対する感応度が高くなっているということである。
なぜなら企業は常に市場の金利に沿って資金を調達しているわけで、この金利動向や資金調達難易度によって余資の扱い方が大きく変化するからである。
もちろん多少の金利変動ぐらいでは企業の金余り状況に変化はない。
しかし、何かしらの事情で企業が資金調達しにくくなる環境においては借金を返す・あるいは運転資金に使われる目的で保有している仮想通貨はまず間違いなく売られるだろう。
仮想通貨では今のところ借金を返すことも運転資金としても使うことはできないわけだから。
特にLQDやHYGが売られている局面では直接的に社債の発行や銀行ローンの調達が止まり、企業が資金調達に困る段階になるので、そうなると現金(ドル)に変えやすく事業資産に関係ないものから売られると考える。
これが以前の個人が余資で投資していた2017年とは現在の仮想通貨市場が変わっていることである。
なので、本当にテーパリングが来るという時期には一度大きめのアンワインド(平気で4割とか5割)は想定の中には入れておきたい。
しかも企業の資金調達に絡むと、融資を受けている銀行から売って資金作ってから泣きつけよと突き放されることもあり、底値とわかっていても売らされるというのが頻発する。

まあその前に一回先物やPerpのところのファンディングコストが高騰するレベルでバブる可能性は高そうだなと感じている。
Bitmaxのファンディングコストを常にウォッチしているが、一旦ビットコインが6万ドル超えしたところでは8時間ファンディングコストが瞬間風速で0.3%にタッチしていやな感じであったが、その後下落とともにファンディングコストは落ち着き、今は8時間ファンディングコストは0.01%に落ち着いている。
この時は売られている時か過熱感がない状態を意味しているが、一旦大きめの反発をみせたところを見ると売られるステージも一周し、一旦買い玉も売り玉も整理されて仕切り直しとなったように思われる。
このファンディングコストが0.01%からテイクオフするまではまあロングでも問題ないんじゃないかなと思っている。

<参考サイト>
https://www.bitmex.com/app/fundingHistory?start=0

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シェールガスオイル投資からPEが撤退したため開発は再開されず

US oil drillers ‘dying on the vine’ as PE flight prompts funding drought

そういうことだったのねと。

原油価格はWTIベースで既に60USDに達しているということもあり、すでにシェールガスは損益分岐点より上の価格で原油価格を販売できるはずなのに、ベーカーヒューズのリグカウントを見ていると戻りが鈍いのが見えていた。

<ベーカーヒューズ水平リグ稼働数>
タイトルなし

<出所元>
https://muragoeinvest.com/oil

これはなんでだろうと思っていたが、上記FTの記事でようやく理由がわかった次第だ。

シェールガス開発勢は新興勢力が多く、手元資金がない中でプライベートエクイティファンドからの出資と銀行からの借り入れによって開発資金を迅速に確保し、拡大を進めていた。
しかし2016年大暴落以降はまず銀行が融資でそこそこダメージを受けたことから、手を引き始めた。
しかし上記FT記事を見るとプライベートエクイティファンドは手を引かず、粘り強く資金の拠出を継続していた。
しかし、プライベートエクイティファンドもコロナウィルスによる原油価格暴落でついにバンザイをし、一気にシェールガスから手を引くことになったとのことだ。
上場すればワンチャンイグジットということでだいぶ粘っていたのだが、ESGでシェールガスも叩かれる例が増えてきたということもあり上場イグジットも難しくなり、大手原油開発業者も何度も繰り返し発生する暴落で買収どころの話でなくなってしまったため、ここで2020年で夢破れるという形になった次第だ。
2021年になって予想外に原油価格は劇的な回復を遂げたが、それでも完全に資金の出し手がいなくなったことから、開発したくても誰も資金を融通してくれず、開発資金を集めることができないという状態だということだ。

これを考慮すると米国で再度プライベートエクイティファンドや銀行が資金の融通を行わない限りは損益分岐点以上の原油価格になったとしても、開発の資金を得ることができずすぐには生産の開始をすることはないだろう。
足元でサウジアラビアがここまで比較的原油価格が回復してきたのに減産維持と意固地になっていたところからやや減産緩和に転じてきたのは、この情報をいち早く掴んでいたからではないかと思う。

ということでプライベートエクイティファンドと銀行が再びシェールガス勢に資金を融通するまでは想像よりも堅調な原油価格が続きそうな雰囲気がする。
急速に価格を切り上げながら上昇するわけではないと思うが、不思議と底値が固いみたいな動きになるのではなかろうか。
あとは米国の財政拡張策がいつまで続くか次第だろう。
 

ゴールド・シルバーは3年移動平均線割れから投資を考えたい

<ゴールドのチャート>
タイトルなし


ここまできたら中途半端な位置で参入はやりたくない。

通常本当にインフレリスクが高いのであればゴールドは上昇してしかるべきなのだが、インフレリスクとか声高に言われる割には普通に米債金利上昇や早期利上げリスクに完全に負けている状況である。
そしてリーマン前には経常黒字が多かった新興国が外貨準備高の分散のためにゴールドを買い漁ることによって価格を押し上げていたが、現在はそれが全く期待できない状態にある。
シルバーにいたっては変にReddit勢がETFの買いを煽ってみたが、これが完全に失敗になってしまっており、変に玉がしこっている分やっかいな状態になっている。

<過去参考記事>

RedditのWSBイナゴ銘柄に綺麗な墓標が立つ


ETFからの資金流入一本足打法だったが、これが結局完全に尽きた形となった。 

当面金利が劇的に下がる可能性が低く、まだインフレリスクはニュースでは言われるもののなんちゃっての雰囲気が強い中で複利効果が期待できないゴールド・シルバーなどの貴金属はここまできたら中途半端な位置で参入はやりたくない。
通常本当にインフレリスクが高いのであればゴールドは上昇してしかるべきなのだが、インフレリスクとか声高に言われる割には普通に米債金利上昇に完全に負けている状況である。
そしてリーマン前には経常黒字が多かった新興国が外貨準備高の分散のためにゴールドを買い漁ることによって価格を押し上げていたが、現在はそれが全く期待できない状態にある。
ETFからの資金流入一本足打法だったが、これが結局完全に尽きた形となった。 

当面金利が劇的に下がる可能性が低く、まだインフレリスクはニュースでは言われるもののなんちゃっての雰囲気が強い中で複利効果が期待できないゴールド・シルバーなどの貴金属はすでに一年移動平均線を割っていっても本格的な反発を見せずだらだら下がっているところを見ると、いくところまでダラダラ下がり続ける可能性の方が高いように思える。
上昇したとしてもその上昇率は当面S&P500には劣後するのではないかと思う。

ではそのいくところまでいくというのはどこまでなのかというと、このブログでは何回も言及している通り3年移動平均線が一つの基準になると思っている。
特に確実性の高い・歴史のある資産が3年移動平均線を完全に無視して下がり続けるということは普通は少ない。
人間が通常の経済活動を行っている限りはそういうことなのである。
もちろんすぐに価格が劇的に回復するかどうかと言われるとよくわからないとしか言いようがないが、3年移動平均線を割れたところは少しずつ積み立てをしていけば歴史的資産であれば通常は報われる可能性の方が大きいことは頭の片隅には入れておきたい。
ゴールドでいうと1500ドル割れから積み立てを開始するかしないかを考えればいいぐらいかなと思う。

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バブル再開の先頭を切るビットコイン価格

足下で荒唐無稽銘柄の多くが下落したが、その中では仮想通貨は回復の先頭を走っている。

<ビットコインのチャート>
タイトルなし

上記ビットコイン価格動向を見る限りにおいては米債金利は多少上昇はしたものの、引き続き金余り市場は続いているという考えで間違いはないと思う。
(ただし荒唐無稽銘柄の中でのテーマはそこそこ入れ替わる可能性は大)
さらに昨日記事の通り米債金利については超長期中心に一旦のピークアウト目線でいる。

<過去参考記事>

米債超長期利回りについては一旦ピークアウトの兆し


以上を勘案すればバブル相場・ロビンフッダー相場については今回でもう死んだとはまったく思っておらず、ややきついパンチであったものの懲りない人達がどんどん追加参戦してくる気配が既に商事始めているように思われる。

ただ何事にも買われすぎたところで今回のような金利上昇を受けて信じられないレベルで下落するということはあることで、仮想通貨も最後には同様な現象を食らう運命にあるように思われる。
(イメージ的には少なくとも半値)

ではどうなったら仮想通貨関連は買われすぎてバーストする兆候が見られるのか。
以前にUSDExchange出来高やオプションスマイルカーブを見るべきと書いたがもう一つ重要参考指標がある。
現在仮想通貨市場では借入市場が成長しており、Bitmexで仮想通貨を借り入れる際の金利が掲載されている。

<参考サイト>
https://www.bitmex.com/app/fundingHistory

ここでは仮想通貨を借り入れる8時間毎およびデイリーの金利が表示されている。
この金利は買いたい人が売りたい人の量を上回れば高騰し、逆に売りたい人だらけになるとマイナス金利にもなる。
この8時間毎ファンディングレートが高騰した時が仮想通貨バブルバーストの兆候になるだろう。
その閾値は過去のビットコインのファンディングレートで見ると0.3%に到達した時になるように思える。
金利が高騰している時は仮想通貨を借りてさらにポジションを膨らませるという安易な取引が横行していることは間違いなく、その上借入ルールなども無法地帯に近いということもあり、ビットコインを実質的な担保にしてビットコインを借りるみたいな全力2階建てや3階建て取引ができてしまう。
これが仮想通貨ファンディングレート高騰の実態になっている。
0.2%以下であれば必ずしもまだ買われすぎ極値に至っているわけではないので金融緩和が進む中では大きな問題は起こらないと思う。

しかしビットコインファンディングレートが0.3%に到達し、それと同時にテーパリング示唆があれば仮想通貨はビットコインレベルでもあっという間に半値とかそういうレベルになることは昨今のハイパーグロース小型株の下げを見た人は痛感すると思うので、その辺も考えながら仮想通貨関連ポジションや荒唐無稽銘柄は考えていけばいいと思う。
なおビットコインファンディングレートはきまぐれで個人HPにも過去データを更新しているのでこちらも参考にしてもらえればと思う。

<参考サイト>
https://muragoeinvest.com/fundingrate


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