村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

JREIT

地銀勢の米債損失補填損切り売りでJREITは好バリュエーションに向かう

REIT、10カ月ぶり安値 10日連続下落 米金利上昇・感染再拡大で

1年半ぶりに買いたいと思わせる動きになってきた。

昨日は米金利上昇をトリガーとしてJREITがばかすか売られる動きとなったのが際立ったが、これについてはそろそろ買い場ではないかと考えている。
この動きは毎回お決まりの動きであるのが想像できるからである。

【東証REIT指数のチャート】
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まずこのJREITの売りの犯人は誰かというと地銀である。
地銀が自己勘定で損失が出てきた時にリスクを落とすために、高リスク資産からポジションを落としていく。
今回は米債の金利上昇でそこそこ地銀のポートフォリオは傷ついていることに加えて、来週のFOMCの不確実性が高いと見る人は多い。
それを考えると上層部からFOMC前にポジションを落とせという命令が出て、無理くりJREITを売っていることはここ数年の動きを見れば容易に想像できる。
残り明日金曜日と月曜日をかけて最後のポジション落としが出てくると思う。

そして東証REIT指数の価格も3年移動平均線を割るレベルに動いた。
不動産という業態は過去平均との比較が比較的通用しやすい投資主体であり、昨今住宅価格とかがバキバキに強い中で、ややオフィス賃貸収益に不安感があるとはいえ、過去3年より安いと言われれば比較的手が出しやすい水準ではないかと思う。
そして利回りも4%に近づきつつある(利回り4パー教)
個人的にはようやく再びJREITを買い増してもいい妥当な水準になりつつあると判断している。
相場が下げている時はなぜ下がっているのか・誰がどういう理由で売っているのかがわからない時が一番怖いが、 売っている犯人と、なぜ売っているかまで分かっているのだから特段買い向かうことに恐怖感もない。
特に売っている理由が米債金利の上昇で受けた損失分を補填するためにJREITを売っているだけで、バリュエーションなんか見ずにてきとーに売っているから、買い向かうことの妥当性はそこそこあるのではないかと思う。
それに本来JREITのバリュエーションに関係する日本国債金利・日銀については英語での金融引き締めを匂わせるリークは出ているが、日本勢から見たらないないそんなことと見切られている感も本来のJREITバリュエーションと関係ない下げであるので読みやすい。

直近JREITのETFにも投げ売りの兆候がちらほら出ているので、エントリーして配当収入をエンジョイしたいという人にとってはそろりと動き始めてもいい地合いになりつつあると感じている。

【過去参考記事】
どのようにして株式相場で投げ売りされていると判断すべきか注目すべき3つのポイント

【1343 JREITETFのチャート】
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日経新聞報道見てからJREITへの投資を行う地銀勢

東証REIT指数、年初来高値 ホテル型上昇目立つ

日経新聞の記事読んでから投資の意思決定するのはやめてくれないかな?

上記の通り、昨日の朝刊でJREITについて年初来高値を更新ということでやや大きめにマーケット欄で記事になっていた。
しかもその日にはさらにJREITの価格が上昇するという動向になった。
実はこの動きはJREITでありがちな特徴的な動きである。
今回はそれについて記事にしようと思う。

JREITに関しては本邦機関投資家の動きをかなり強く反映する傾向にある。
特に地銀のプレーヤーは相場の最後に来る上に影響力がそこそこ大きかったりする。
そして上記日経新聞の記事みたいなのが朝刊に出ると大体こんな内容の議論が地銀の中で行われる。

地銀のお偉いさん「JREITの新高値と最近値動きがいいらしいけど、うちの自己ポジションはどうなっているかね?」
運用部長「コロナ禍初期にオフィスや商業施設の空室率上昇や賃料下落懸念が強いということで、ポジションはない状態です」
お偉いさん「なんでそんなことになっているんだ!!今すぐJREITのポジションを積み増さんか!一体何をやっているんだ!」
運用部長「は、はあ・・・(いやいや、お前が2020年3月にJREITのポジション強制売却させたんだろが) 」
運用部長「というわけなのでJREITのポジションを積み増すように(棒)」
運用若手「なんでこのタイミングなんですかね・・・」

これがJREIT新高値という日経新聞記事が出ると、その後初期は不思議に値動きが上に行く現象の原因になる。

<東証REIT指数のチャート>
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しかし、これによってJREITの買い妙味はほぼゼロになってしまうので、個人的には非常に残念な思いである。
以前にJREITについては8割方おいしいところは終わったと記事にしたが、上記日経新聞記事とその後の上昇値動きによって買い妙味はほぼゼロになり、一切の積み増し行為は当面できないなと思う次第である。

<過去参考記事>

外資ファンドが強引なドリブルでJREIT投資を拡大


まあ投資妙味はゼロになったとはいえ、グローバルに不動産への引き合いが強いことを考えれば大幅下落可能性が今あるかと言われると、それもあんまりないかなあという感想しか出てこない。
ここからのJREITのリターンはほぼ配当利回り分ぐらいしか出ないことを意識した上で、安値で保有したポジションについて保有を継続するのか、それとも売却して違う金融商品に乗り換えるのかは考えてみた方がよいだろう。

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外資ファンドが強引なドリブルでJREIT投資を拡大

海外勢、REITに触手 米ファンド、日本の中堅買収提案 割安銘柄多く投資攻勢

より直接的に金融取引経由で日本の不動産投資を拡充してきたなと。

日経新聞の報道で米投資ファンドがJREITの買収提案を強行して行ってきたというのが報じられている。
この動きは海外REITが米長期金利上昇を背景にスプレッドが取りづらくなっていることが背景にある。
大体米国REITの配当利回りは4%ぐらいで推移するのだが、米債超長期金利が10年1.7%、30年2.4%となってスプレッドが以前に比べ縮小してきている。
一方でJREITでは配当利回り3.6%、日本国債10年金利はゼロで磔状態で、30年も現在の0.6%を大きく超えてくるというのも想像しづらい。
つまりJREITの対リスクフリー金利スプレッドは米国REITの対リスクフリー金利スプレッドと比べて厚い状態となっている。
加えてまだレバレッジが高く構成されていたりコロナウィルスでややダメージが大きい商業モール比率の大きい米国REITと比べると、比較的手堅いレバレッジで運用されているJREITの安心感は高いと言えるだろう。
世界的な運用難の中で、ここを多少無理してでも取りに行ってやろうというのが上記日経新聞の記事から感じるところである。

ただし、JREITをここから積み立て投資でさらに追いたいかというと個人的にはやや否定的だ。
それは既に JREITが3年移動平均線を超えての推移になっており、NAV倍率は2月末が1.08なのでおそらく足下は1.1ぐらいでの推移をしていると思われる。
決してすごく割高というわけではないものの、このブログ記事では既に外資が日本の不動産投資拡充を狙っていることを記事にしていたのは記憶に久しい。
下記記事を書いたのが今年の1月25日なので、ここからさらに強引なドリブルをかましてくるような投資の仕方を外資ファンドがしてきたことになる。

<過去参考記事>

運用難の中、日本不動産への投資を拡大させる外資


そのことを考えるとこうした記事が日経新聞に出ているのは知っている人は既に知っている話で、かつ真っ当な手法ではなく強引な手法でリターンを取りに行くようなプレイヤーがJREIT市場に登場してきたことが意味することはやはり一番おいしいところは既に終わっているように思えるということである。
ただ既にコロナウィルスショックで3年移動平均線を下回り続けた2020年中に安値で拾えた人はこうした外資の日本不動産投資の拡充によって長くJREITを高値維持してくれることが期待でき、たっぷりと配当金を貰い続けることが期待できることに変わりはないので、引き続き以前記事にした通り安値で拾えたJREITはホールド継続して配当金をエンジョイする方向で問題ないと思う。

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JREITはやはり3年移動平均を割っている間は買い

<東証REIT指数のチャート>
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過去3年移動平均割っている時は基本的に買い。

ここもとJREITが急騰しており、これまでJREIT積み立て投資を行っていた身としてはようやくホッとしたところである。
JREITがなぜ上昇したかというと、やはり以前に書いたブログ記事のこの事情が大きいように思える。
少なくとも金法系マネーで何かしらの事情で資金配分を変えてJREITへの資金投下を増やしたことは間違いないと思う。

<過去参考記事>

LQDが限界を迎えたため上昇するJREIT


また、もっと理論的なことを言うと下記記事がJREIT投資の一番のポイントだと思っている。

<過去参考記事>

JREITの積み立て投資を継続


ここから導き出せる教訓はやはり利回りの底堅さが歴史的に証明されている商品が3年移動平均線を割っている間は買いということである。
これがシクリカル銘柄や中長期的にファンダメンタルズが逆風の高配当銘柄とかだと場合によっては配当原資が足りず減配の憂き目にあったりとか株価の爆下げを食らったりなどしてパフォーマンスがボロボロになったりする(石油株とかJTとか・・・)
しかし歴史的に不動産投資は安値を拾えば家賃収入とその後の不動産価格の回復によって定期収入は安定的に推移することはツイッターにも多くの不動産投資家がいることを考えれば当然の話だろう。
その割安度の一つの目安としてはやはり過去3年平均より安い位置にいるかどうかというところがやはり一番のポイントだと思う。

ただこの急騰によってJREIT投資はおいしいところの半分以上はこれで終わったと個人的には思っている。
個人的にもこの時点で積み立て投資をやめて、後は安値で仕込めたポジションの配当金をエンジョイするに留めようと考えている。
まだJREITの上値余地はあるようには思うものの、株は上値を追ってもいいけど、REITは基本的に丁寧に安値を拾うための商品である。
特に急騰局面の初撃ならともかく、大分急騰が連発した後からの買いは損することの方が感覚的には多い。
JREITについては利益相反の問題とかそういうのもあり、上値を血眼に追ったところでいいことは何一つないという思いでしかない。
また安値で拾えたJREITは慌てて利益確定する必要性もない。
日々貰える配当金がリターンを高めていくのに寄与してくれるので、いわゆる一般的な不動産投資のように安値で拾えたのであればどっしり構えていれば良い。
またそのうち3年移動平均のラインを割ってくる時もあると思う。
その時にありがたく家賃収入を貰う仕込み買いをして、あとは放置をしていればよい。

米国REITがやや出遅れているのでそちらはどうかという意見もあったが、自分は株で外貨リスクを大量に抱えてしまっており、JREIT投資は貴重な円建て資産運用で選んでいるというのが主な理由なので米国REITについてあまり所感がないということがありパスしている。
(まあ米国はやっぱり株の世界だったりしますし)

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LQDが限界を迎えたため上昇するJREIT

利回りパワー。

足下JREITのリターンがいい感じになってきている。
人によってはなぜこのタイミングなのだろうかと思うが、これは投資適格社債に投資をしてもリターンが出にくくなってしまったことによる本邦金融機関勢の買いが寄与していると思われる。

それはLQDを見てもらえればわかるが、投資適格社債のリターンの見込みが限界を迎えているからである。
LQDは毎月配当が出るので配当を足し合わせながらリターンを考えておきたいが、ここも配当が徐々に減少しており、リターンがなかなか出にくい状況になりつつある。
原因としては既に投資適格社債の国債金利に対する上乗せ幅の圧縮はA格より上では限界を迎えてしまっており、これ以上のスプレッド圧縮によるリターンが狙えないことにある。
その上ベースとなる国債金利もじりじりと上昇しており、今まではスプレッド圧縮で余裕で打ち返せていたのが打ち返せなくなっている。
BBB格はまだかろうじてスプレッド圧縮余地が残っているものの、ここにベットして格下げを食らってジャンク落ちすると、プロップ銀行勢とかは自分のクビが飛びかねなかったりするので攻めるにしても限界がある。
本邦金融機関投資家では個別銘柄の分析するには人員が足りないということからLQDにとりあえずポジションを張るというプレイヤーも増えているとまことしやかに噂されており、LQDの限界はダイレクトに金融機関のプロップ投資姿勢に変化を与える。

米国債の長いところになると30年債なら1.98%とかになっていてそこ触ればいいじゃんと思う方もいるかもしれないが、銀行プロップ勢ではデュレーションリスクの縛りが存在し、米国債でもおいそれとそんな超長いところをバンバン積み増すわけにもいかない。

そこでやはり注目されるのがJREITとなる。
配当利回り4%あり、日本の場合は国債金利が上がるとしても米国のようにバンバン上昇する見通しはないだろう。
さらに以前に記事にした通り、外資が不動産投資動き始めているのを見ればコロナウィルスショックで総ドン引きしていたところからポジションを一定程度戻して行ってもよいだろうという判断が行われそうというところも至極真っ当な話である。

<過去参考記事>

運用難の中、日本不動産への投資を拡大させる外資


コロナ禍で環境は不利だが、NAV倍率1倍で上司を説得しやすいレベルである。
その辺のデータはここを見てもられば良いと思う。

<JREIT関連データ>
https://j-reit.jp/market/03.html

そういったわけでLQDがバカスカ売られない限りにおいては当面JREITはようやく堅調な推移を続けるいい感触のステージになったと言えるだろう。
株ほどの派手さはないが、今の投資環境なら大きめにポジションを持っていてリスクオフで下がったとしても目を瞑って保有を継続していればやはりそこそこのリターンが取れるという状況ではないだろうか。

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