村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

JREIT

長期国債の金利が上がる気配は今のところなしでJREITに有利

生保、超長期債へシフト 新規制視野、リスク抑制策 金利上昇阻む伏兵に


超長期債に需要がどんどんシフトしていくことによって国内金利が上がる気配はなくなりつつある。

上記ニュースは生保が超長期国債に資金を移動しているという話である。
その前に足元の円債の運用状況について確認する必要がある。
10年債についてはプラスに浮上してくると、余資が大量にある銀行勢がとにかくマイナス金利を回避したいがためになにがなんでもポジションを取るという気概が強く、10年債プラス金利は見えても一瞬しか続かないという状況が続いている。
一方で超長期債はデュレーションが長すぎるという観点から銀行勢は触りにくく、主要プレーヤーは生保や年金などの長い資金を扱う人達である。
そのうち、生保の人達が規制強化によって資金を外債から超長期円債に移しているということのようだ。
しかも資金移動に加えて、足元のコロナウィルス騒動による景気下押し圧力も加わって金利低下圧力が働きやすくなっているのは想像に難くない。
記事中にもあるが20年債0.1%、30年債0.2%もありうると書いてある。
正直そこまでいくのかどうかということやそれが定着するのかどうかはわからないが、少なくとも30年債でいうと米国が政策金利をバンバン引き上げていた2018年の0.8%台というのはやはり望みにくいということは確かであろう。
そうなると国債運用による投資収益はやはり下がらざるを得ないというのが現状だろう。

しかし、そうはいっても余資をどこか利回りがあるところに投資して運用をすることは避けられない状況にある。
株で余資運用というのもあるが、足元の状況では日本株だけでなく世界株全体への投資を増やすこと自体が難しい。
一方で固定金利運用は円債は上記のように厳しく、社債も劣後債クレジットをノールックで買うしかない。
外債も米国が政策金利を引き下げてこないと為替ヘッジ後で十分なリターンを得るのが難しい状況にある。
そうなれば残されている道はやはりJREITになることは当然の帰結のように思う。
あるいは米国REITや欧州REITに投資をして為替ヘッジをかけるか?

少なくとも2019年頃に起こった米中通商合意に伴う金利上昇懸念からJREITが急落する可能性というのは足元払底した。
あるとすれば本当に景気後退懸念からオフィス家賃への影響が懸念されたファンダメンタルズ売りというところだろうが、災害系で景気が根本から崩れるというのは歴史的には例がほとんどないため、辛抱強くホールドしていきたいと思う。
まあさすがにホテルREITは今持っていたいかというと話は別だけどね。
 

国債も駄目で株も駄目なら辿り着く先はJREIT

<JREITETF(1343)のチャート>
タイトルなし


困った時に行き着くのはJREIT。

コロナウィルスとFRBのバランシートの行方で株価が不安定な中でJREITの堅調さが際立つ。
まあJREITに限らず米国REITも堅調だが、日本人投資家にとっては円建てで投資できるJREITの方が気が楽に決まっている。

主な買い手は引き続き生保・地銀勢であることは間違いないだろう。
コロナウィルス騒動で世界の国債金利がドカ下がりする中で、為替ヘッジ後で金利が残りそうなところが再び全滅するレベルの動きになっている。
しかもコロナウィルスが短期的に解消するわけなんて既に目途はない。
ただコロナウィルスによって景気が破壊的に低迷するかというと、終息宣言が数カ月内に出てくれば経済活動は再始動するわけで、おそらく1-2四半期ぐらいの影響度を各プレイヤーは見ていると思われる。
でも機関投資家にとっては四半期ごとの決算が重要であり、そこで利益を固められる投資ができなければクビになるというプレッシャーが常にかかっている。
つまり機関投資家的な目線に立てば株は買えないけど、国債ではリターンが出ない。
社債を触るという手もあるが、社債も金利が低くてリスクリターンが見合わない。
また為替をオープンで取るということもできる量は限られている。
というところまで考えれば最後に行き着くところは十分にリスクプレミアムが残っているJREITということになるのも仕方がないと思われる。

JREITは未だに10年債金利に対して3.5%のプレミアムが残っている。
これは割安とは言えないものの、割高とも言えないレベルの水準感だ。
もちろんJREITにもホテルREITが入っており、ここはコロナウィルスの影響を多大に受けるが、組み入れ比率は所詮一桁後半だ。
一番重要なのはオフィス市況であり、ここは今のところまだ堅調な推移をしており、家賃もじりじり上がっていることから一桁前半レベルのEPS上昇も期待できる。
そう考えれば配当利回り3.5%+EPS上昇一桁前半=5-6%ぐらいのリターンが高い確度で未だ狙えるリスク資産だ。
ここに仕方ないから買うしかないマネーが入ることにより、足元じりじりと再びJREIT価格は回復傾向で進んでいるのが足元の推移だ。
もちろん足元で社債もハイイールド中心に少し緩み感が出始めていることは承知しているが、投資適格にまで波及してJREITにまでリスクプレミアムの拡大が波及するのかどうかまだ見渡すのが難しく、含み益が出ている既存ポジションの保有継続はなんら問題ないという認識を持っている。
またJREITの利回り自体がもちろん米国REITより利益相反問題があるというところはあるが、配当利回り面で有利というのも見逃せないポイントだ。

以前から書いているが、東証REIT指数のターゲット値は2400ptで継続して考えており、ここまでは保有を引っ張りながら配当利回りも享受していきたい所存だ。
 

JREITは国内金法勢の押し目買いが入るが、油断は禁物

REIT、国内勢が押し目買い 分配金増の期待強く



個人的には強気派だけど、それでも不安に思いながらの投資である。

<東証REIT指数のチャート>
タイトルなし



JREITについては東証REIT指数ベースで2250から2100までここ数日程で比較的大きめな下落をしたが、一気に2200pt台まで回復してきた。
2250まで戻れば少なくとも2200以下で売ってしまった人達を振り切る形で非常に買い方にとつては形の良いチャートになる。
JREITについてJGB金利に対する先行き不安感が下げの大半の原因だと認識し、ファンダメンタルズには大きな変化はないと考え、プライベートでは買い増しを行った。

<過去参考記事>

JREITが金利先行き不安で久しぶりの大幅下落


特に8日~13日にかけては出来高も見ていくと、多少は初動ミスっていたとしてもいいので買い増ししろといった国内金法勢の買いが入っていった。
また今回の下げはだらだら下げではなく、横ばいのところから急落したということもあり、本間宗久の相場三昧伝のところによる上昇して横ばいとなったところの急な下げは買うべしという言葉も信じながら買い増しを行っていった。


本間宗久相場三昧伝-相場道の極意-

一応は日経新聞の記事を見る限りにおいては、債券運用難の中で余っているマネーが流入してくる過剰流動性相場というビッグピクチャーのもと、3.6%もの配当利回りが期待できるJREITへのエクスポージャーを増やしたい・あるいは国債償還とともに増やさざるを得ないというのはロジック的に言えば至極真っ当な意見だろう。
またいつも比較されている10年債利回りとのスプレッドは3.5%あり、2013-2015年のころに続いた3%以下と比べれば配当金利回りのスプレッドバッファーは十分にまだあるものと思われる。
また足元で引けにかけてJREITの値動きが強含む動きもプラス材料で、これは国内金法勢のパッシブJREIT投信買いが多いことを意味しているものと思われる。
わざわざ後場引けですっ高値でJREITを買わなきゃいけない理由なんて、コンマベーシスきちんと東証REIT指数をトラックする必要性のあるパッシブ投信がどかどか引け間際に買う以外にあまり理由が見当たらない。
(アクティブなら流動性の高い寄りに買う確率の方が高いと思う)

ただ相場は絶対こうだらこう動くという法則はなく、あくまでそういう可能性が高いという見方でベットしていくわけで、もちろんここからNAV倍率1.2倍というのが高すぎるという理由で売られる可能性もなきにしもあらずだ。
あくまで個人的には買い方の理由の方が合理的だし、まだそれに対して懐疑的に思っている人がいるのだからそうした人達が買いに回りきるまでは十分時間的猶予はあるという判断のもとに買っているが、もちろんこの推測だって間違っている可能性は十分にある。
それにここから景気見通しが大幅に引きあがっていき、米国金利とJGB金利上昇というのがJREIT投資にとっては一番怖いリスクであり、このJREIT投資自体が金利リスクを背負いながらの投資ということも、買い方も売り方も認識しながらの投資になっている。
(多分JREIT相場が崩れっぱなしになるとすればNAV倍率よりもこの金利上昇リスクの方が大きいと思う。)
買い方が買う理由・売り方が売りたい理由のどちらの考え方についていきたいかは個々人に任せようと思う。 

JREITが金利先行き不安で久しぶりの大幅下落

株、一時下げ転、REITに外国人売り 金利上昇が崩す拡大均衡



積み増そうというのなら今だし、もうイグジットしようと思うなら戻り売りが吉。

ここ2-3日でJREITがそこそこのレベルで売られており、上から下まで5%ぐらいの売られ方をしている。
ただこれはJREIT自体のファンダメンタルズの変化ではなく、JGB金利や米国金利がどこまで上昇するかわからないという不安感による一部金法勢とそれに乗じたシステマティックな売りが主な原因となっていると思われる。
特に日銀が変にマイナス金利深堀みたいな観測を出してきた挙句、途中からそのはしごを外してJGB先物が大荒れに荒れていることがより金利に不安感を出している。

<ご参考記事>
http://www.doramemon7743.sakura.ne.jp/doramemon1911.html
(どらめもんのサイトに飛びます)

ちなみになぜ金利が上昇するとREITが下落するかというと、投資家は主に債券利回りとJREIT配当利回りの差を重視していることに加えて、JREITの金利負担動向も重視していることから、金利変動に対する敏感度がそこそこあるからである。
さらにこれが金曜日ということもあり、この際だから少しポジション落としておくかという人が多かったと想定されることも若干ながら売りの加速につながったものと思われる。
あとは米国勢が月曜日休日で3連休なので、外国人勢の売りもあり、少し不運が重なったようにも思える。

ただ足元のJREITの数値だと配当利回りはおよそ3.48%であり、過去2013年や2015-2016年にかけての3%割れるレベルとくらべるとまだ配当利回りはプレンティな水準あると考えている。
また少なくともすぐに現在の日銀の金融政策が変更される可能性は低く、JREITの配当利回りとの利回り較差をよく比較される10年債利回りはせいぜいあって0.1%までの上昇だろう。
つまりここからせいぜい20bpsの上昇程度だ。
(むしろ0%いくかどうかも不明と考える人も結構多い)

よりディープに考えるならJGB30年債利回りの位置がどうなるかの予測も重要だろう。
足元で0.1%から0.43%へ上昇しており、米国が利上げしていた時期の利回りは0.8%アラウンド。
今回米国は来年もう1回ぐらい利下げがありそうという観測がまだ市場には残っているし、そもそも利上げの可能性についてはまだ0を維持している。
そのことを考えるとJGB30年がすぐに0.8%まで戻ると考えるのも少し難しい。
少し20年もテンションが高いが、足元0.29%で利上げ時の平均が0.55%、多く見積もってもあと20bps債券利回りが上昇するかどうかのレベルだ。

<日本国債20年利回りのチャート>
タイトルなし


そこからJREITの配当利回り3.5%だと、過去配当利回り3%切るレベルの時のJGB30年1.5%と比べると未だスプレッドはかなり残っていると考えられる。
加えてJREITのEPS自体が6%ずつぐらい上昇続けていることも考えれば目先の金利動向不安以外に売る材料というのは見当たらない。

またJREITのETF代表である銘柄コード1343を見ると久々の出来高112万株と大商いになり、売りに対して相当数買いに回っている人も観察することができる。

<1343のチャート>
タイトルなし


つまりここから今日のような勢いで急加速に売られるとなるなら、さらに買いに回るプレイヤーが増加して出来高が増加していくことを意味しており、その場合にはそこで買った人達が短期的に利益が乗る水準レベルにまでは戻るものと思われる。

ただし、いや米国金利動向の方がJREITへ影響与える大きさはでかくないかという意見もあるので、買う・売るの判断はその人の国債金利先行き見通しによるものと考える。
金利がまだまだ上がるというのなら戻ったところで売却してイグジットを考えてもいいだろう。
逆にいやいや、金利がそんな米国利上げしていた時レベルに戻るなんて再来年まで考えられないでしょというのであれば積み増しで良いだろう。
少なくともJREITの絶対的なバリュエーションが高すぎるというのは今のところ売られている材料では決してないと思う。 

ちなみに個人的には積み増しをしているけど、失敗だったら笑ってやってください。
なぜなら米金利上昇と日銀のコミュニケーションミスが重なって生まれた金利上昇不安だが、やはりそこまで過激な金利上昇になるかというと、とてもそういう風には思えないからだ。


日銀決定会合前に2400ptに到達するなら東証REIT指数は全売り

株価指数リアルタイムグラフ - 東証REIT指数



いくらなんでも馬鹿げたチキンレースからは降りたい

JREITについては金法勢から買い遅れているということもあり自信ありといったところだったが、ここもとの上がり方は少しペースが速すぎると感じている。
特に足元は月末の日銀決定会合での追加緩和期待だとかで上昇材料が増加しているとかいう話だ。
個人的にはさすがにこれ以上金融政策でどうのこうのできることは少ないと思う派だし、地銀の苦境を考えればやるべきでもないと思っている。
そしてそういった金融緩和期待を前提としたJREIT買いも入っているとかいう話もあるようだ。
いやー、それは日銀決定会合前にあんまりにも上がりすぎると自己実現的にそれに期待しちゃっているという評価になってしまうため、通常は日銀決定会合後に期待剥げで売られるというのは目に見えている。

今個人的にはJREIT指数については過去の配当利回り動向を見て考えると2400ptを利食いポイントだと考えている。
現状は2400pt以上はリスクリターンが見合わない領域になるため、やはりそこまで行ってしまうといくらマイナス金利で買わざるをえない生保・地銀勢でも躊躇するレベル感になるだろうと感じる。
10月に入ってからの上昇確度が続いてしまうと、計算上は日銀決定会合前ちょうどぐらいに2400ptに到達してしまうような勢いなので、10月下旬に改めてどの位置に東証REIT指数がいるのかを考えたい。
一旦2400ptにたどりつくと過去の配当利回りの上限に限りなく近いレベルに到達してきていることからリスクリターンが徐々に見合わなくなってくる。
個人的にはそのようなリスクは取りたくないと思っている。

それに日銀決定会合期待ならそれが裏切られた後に、過去の例を考えれば大体半年ぐらいうだうだ横ばいが続いたところで途中で投げが入り、ここまで上げた分の半分弱ぐらいを吐き出したところで下げ止まるだろうと個人的には思っているので、それをじっくり待ってもよいだろうと思う。
JREITの配当水準だってオフィスの家賃がもとに決まっているんだから、そんな家賃がばかすか節操もなく上昇するような経済情勢でもないし、現状は2400pt以上(配当利回りでいうと3%切るか切らないかぐらいの水準)はバブルでもない限り手出し無用であろうと思う。
(というより配当利回り3%きっちゃうと今メタメタに売られている高配当株の方がよっぽど魅力あるように思えるのは私だけであろうか?)

逆に言えば2400ptまで上昇するというのに対してはそこそこ自信が個人的にはある。
それは東証REIT指数が2200ptの段階でまだ下記のような浅い分析の記事がのっかったりしているからだ。

「J-REITは上がる」と信じる人がハマる落とし穴

 
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