村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

セクター投資アイデア

狡猾なSBI、おおまぬけな東海東京証券

証券、熱帯びる地銀囲い込み SBIが共同持ち株会社構想
やっぱりこういうの見るとSBIはめざといなと思う。
証券会社にとってはいかに預金を証券口座に振り込ませるかというのが重要なビジネス課題であり、ここのラインを抑えたものが他の証券会社より優位にたてる。
SBIは住信SBI、楽天証券は楽天銀行、カブドットコムはMUFGという預金を融通してくれる有力なパイプラインが存在する。
SBIはこれに加えて、地銀がじゃぶじゃぶに余らしているお金を融通してもらうべく、様々な形で金融商品仲介を請け負うなど、自分の証券口座に利益のもととなる預金が流れ込んでくる仕組みというのを確立している。
これによってSBIはまだまだ自分のところの証券口座の残高を伸ばすことが可能だし、それがなくても地銀で余剰になっている預金に自分のところのサービスを提供するためのパイプラインを確保できるわけだから、相当やり手だなこれはと感心するばかりだ。

一方でおおまぬけなのは東京東海証券だ。
ロボットアドバイザーのお金のデザインやスマホ専業証券のワンタップバイなどに出資と書いている。
しかしこれらは既にSBIが自社にとって脅威となる前にぶっ潰してしまおうと自ら損失することを覚悟で全くの類似サービスを打ち出している。
VCなどに出資してもらって大赤字ぶっこく中資金繰りを食いつないでいかないと続かない新興企業VS年間700億円近く税引き前利益を出してくるSBIでは体力は桁が違う。
SBIはワンイシューだけで、かつよくよく見ればビジネスモデルを誰でもすぐ真似できるような競合に対して容赦なく攻め立てて、競合として大きくならないうちの芽を引っこ抜いてしまおうという気が満々だ。
東海東京証券はこのような背景がありながらまあどぶに金捨てるような出資をしているわけで、東海証券も本業が死んでる中で貧すれば鈍するという行為に及んでいる。
まあそもそも東海東京証券自体が野村證券の悪いところを濃縮したような会社で、中小対面証券の中では断トツに回転売買を顧客にさせるのとはめ込むのだけは上手い証券だ。
そんな前時代の脳死ゴリラビジネスばっかり続けてきた無能経営陣だからこそ成せる無駄金使いと言えよう。 
普通に考えてもう既に死にかけで、続々と後発やらSBIが若い芽をつぶすために投入してくる類似サービスに本気でお金のデザインのTHEOやワンタップバイみたいな情弱投資サービスが勝てると思っているのだろうか?
そりゃ前時代的な経営を続けてきた無能経営陣だから、なんか凄そうとか思って雑投資してしまうんだろうと容易に想像がつく。

このように対面中心で来てしまった旧来型の証券会社は、大手を除けば本当に瀕死に近く、必死に今まで考えてもこなかったネットサービス証券スタートアップに出資しているが、その判断能力も中小証券の経営陣にはないので、無駄な金を永遠に赤字解消の目処が立たなそうなスタートアップに突っ込んでいくばかりだろう。

長かった海運不況が終わるかもしれない

川崎汽など海運株が軒並み高、バルチック海運指数は10連騰
South Korea's biggest shipbuilder warns over US-China trade war

長らく続いた海運不況が少しはまともになるかもしれない。

海運は2009年以降もう長らく9年にわたって低運賃に苦しめられてきた。
原因はリーマンショック前の資源バブルに煽られて大量発注した船と、その後その夢が忘れられなくて2011年頃とかに追加発注した船が市場に出てきて、じゃぶじゃぶに船が余ったせいだからだ。
2011年以降になってようやく海運会社各社は自分達が船を発注しすぎたことに気づいたが時すでに遅しで、そのご長い期間にわたって低採算運賃に悩まされることになった。

コンテナ船最大手マースクでさえ、自社のシェアを拡大するために無理して発注したコンテナ船が需給を崩して低採算に陥って、CEO更迭とかいう事態も発生していた。
そして去年から続いている米中貿易戦争のせいで貿易数量も落ちており、もはや船を発注する意味なんてないじゃないかということでおそらく造船所の発注はほぼゼロに近づいていっているのではと思われる。

しかし、そうして皆があきらめた後に、荷主側にとっては「あれ?あんまり荷物運ぶスペース余ってないんじゃないかこれ」という事態が発生しているのかはよくわからないが、バルチック海運指数が相当程度息を吹き返している。

<バルチック海運指数のチャート>
タイトルなし


韓国の造船所になにも発注が入っていないことを見ると、ようやく供給が絞られて需給がマッチしてきているんじゃないかなと感じる。
そうなるとそれだけで海運会社にとってはポジティブ要素になるような気がする。

この時点で海運会社の株を監視している市場参加者なんてほぼゼロなんだからなんとなく海運株買ってもいいんじゃないのという気もしなくはない。
ただし川崎汽船はリストラが遅れて未だ負の遺産処理が終わっていないことを考慮すれば日本郵船か商船三井の方に手を出す方が無難に思える。 

地味にぶっ潰れそうなアストンマーチン

Aston Martin bonds shaken after credit downgrade

アストンマーチンといえば高級車で有名なイギリスの自動車メーカーだ。
しかし当のアストンマーチンが実はぶっ潰れそうな状態にあることは意外と知られておらず、自分もこのニュースで知ったという状況だ。

今世界的にも自動車業界は全体的に低調という中、特に大型車や高級車に偏っていて、地域的にも一本足打法みたいなメーカーの状況は総じて苦しい。
このブログではジャガーランドローバーが危ないという記事を書いたことがあるが、それよりも状況的にアストンマーチンは厳しい。

格付け会社ムーディーズもここにきてアストンマーチンがプロフィットワーニングを出したことから、格付けをB2からB3に引き下げるという決定を下した。
B-という格付けはいわゆるジャンクの中でもドベにかなり近い部類で、いわゆるまだなんとか自力で立っているけど、少しでも経営をミスするとすぐに借り換えや利払いできなくてデフォルトという事態に片足突っ込んでいるようなものである。

アストンマーチンは高級車かつほぼ英国と欧州オンリーで売上がたっているということもあり、少しの売り上げ台数のブレが重く財務にダメージを与えることが如実に表れてしまった。
でも高級車だから、もしかすると中国企業が買いたいとか申し出てくれるかもしれないね。
足元の株価で時価総額がったの13億ポンドなんだから、政府が補助金を出せば余裕で買える金額じゃないかな? 

一般的な会社が潰れるというのと銀行が潰れるというのは意味合いが違う

“欧州最強”ドイツ銀行、苦肉のリストラ 破綻すれば「リーマン・ショック」以上 ...

(上記記事は煽り例なのでクリックする必要性はありません)
最近真剣に「ドイツ銀行が潰れる!」と言っている人がいるが、おそらく投資に携わっていない人はニュースとかで流れている「潰れる」という意味を大抵勘違いしている。

普通の人がイメージしているのはリーマンショックの時のリーマンブラザーズのようないきなり会社が清算になって事業が停止するというイメージを持っていると思われる。
確かに一般的な事業会社が潰れるというときは、よくドラマなどである借金が払えなくなり銀行に資産を差し押さえられ、従業員は即全員解雇で閉店ガラガラというイメージで合っている。

しかし銀行についてはリーマンショック以降色々変わっているのだ。
リーマンショック以降、世界各国は無秩序に金融機関が破綻することは世界経済に大きな悪影響を与えることを認識しており、ではどうやったら金融機関が無秩序に破綻することを避けられるのかという制度を作ってきている。

それが足元でいうバーゼル3というものだ。
バーゼル3では銀行業務がどんなことがあっても継続できるように親会社がホールディングス経由の体制を取るか、あるいは法的に銀行が発行する債券について預金などの優先債務に劣後するように仕組み設計されている。
そして各国金融当局は銀行が業務ができないほどドン詰まる前に銀行の破産宣言、いわゆる「お前はもう死んでいる」と宣言をすることができる。
この宣言を受けるとベイルインと呼ばれ、債券を保有する人達の債券価値を金融当局の任意の下、価値を減損させていくことができる。
それによって実質的には銀行の債務を免除していくことによって銀行の自己資本を維持し、少なくとも銀行が通常の業務を継続できるように手当できるように制度化されつつある。

さて、今回「ドイツ銀行が潰れる」というのはこれに当てはめると「ドイツ銀行がリーマンブラザーズのように清算される」という意味ではなく、「ドイツ銀行がベイルインされる」懸念があるという意味合いが正しい。
だから実務的にはドイツ銀行が発行する社債価値が減損されるだけで、ドイツ銀行がいきなり業務停止になるというわけではない。
そもそもドイツ銀行は収益性がひどくて問題になってはいるが、資本については十分な金額を積んでいるため、今すぐ普通社債がベイルインされる可能性はほぼゼロだ。
だからドイツ銀行が潰れると騒いでいる人は基本的に実務をやったことがない素人ということになる。

ただし、一つ注意してほしいことは、一方で発行している債券の中にはこうした金融当局が「お前は死んでいる」と宣言する前に一定程度状況が悪化してきたら利払いを停止したり元本を削ったりできるCoco債というタイプの社債がある。
現在市場関係者が注目しているのはこのCoco債であり、これの利払いを停止するという可能性はそこそこ視野に入っている。
なぜなら株の配当を出している間はこのCoco債の利払いを停止することはできないが、株式の配当を停止すると言っていることから現実的にCoco債の利払いを停止できる状態にある。
投資家はこのドイツ銀行のCoco債の利払いが停止されるかどうかを注目している。 

中国のインフラ投資規模は想像より少ないかも

東海カーボン、黒鉛電極を減産 鋼材在庫増で

あれ、思っていた話と違う気がするんだが。

中国はインフラ投資進めるために鉄鋼の増産をかけてたし、それによって鉄鉱石価格の上昇やバルチック海運指数の増加とか生じていたはずなのに、上記記事を見る限り鋼材在庫がさばききれなくなって余っているという話になっている。

つまりインフラ投資の使用が鋼材生産に間に合っていないということなのか、あるいはインフラ投資の実行のされ方が甘いのかのどちらかか両方か。
少なくとも個人的には中国で増産された鋼材は全部中国のインフラ投資に使われると思っていたばかりに余っててしかもそれが他国に輸出されているというのを聞いて、下手すると自分の考え方が間違っているのではないかと疑念を持たざるを得なくなった。

引き続きリスク資産について控えめな態度を取ろうと思う。
 
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プロフィール

村越誠

投資に関して気づいたことのメモをしていく。 ご連絡の取りたい方は、makoto.muragoe★gmail.comまで(★を@に変換してください)
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