村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

投資全体観

しばらく相場に手がかりがなさそうな雰囲気

これっていう手がかりがないけど、暴落っていう話も想像しづらい。

ここ一週間の相場は正直いうとやる気の出ない相場といったところというのが正直な感想だ。

インデックスベースではS&P500とナスダックも最高値更新を続けたが、米債金利がこれ以上の低下が難しくなりつつあることを考えるとやや息切れ感が出始めているように思える。

<過去参考記事>

ゆるりと低下した米債超長期金利も下げ止まりの兆し


日本株も色々不利な条件がかさなりつつあり、こちらも大型株で上値をおいかけられる雰囲気もない。

<過去参考記事>

緊急事態宣言・円高でやや日本株不利な状況


NAAIM指数と米国個人投資家サーベイもブル中のブルになっていて積極的に買いポジションを積み増すような雰囲気はない。
(数値が見たい方は各人調べてください)

ただ一方で市場が暴落を演じるには売らざるを得ない人間がいることが条件となるが、アルケゴスショックでその問題は一回一巡しているので、そういった兆しもやや見通しづらい。

<過去参考記事>

アルケゴス問題が一巡し、機関投資家のリスクテイク再開


そもそもまだまだ利益を上げるためにファンドレイジングしているPEのニュースや投資に積極的な機関投資家のニュースなどを見ると、未だに機関投資家は血眼になって投資チャンスを狙っている状態でとても皆すぐに腰が引けるという感じが全くしない。

なのでアルケゴスショックから小型グロース株→大型バリュー・堅調株という流れが一巡したが、その後は皆新規で手掛ける投資ネタが切れてしまい、しばらくうだうだというのが正直なところだと思う。


こういう時は常に市況については確認を継続するものの、既にそれなりにポジションを持っているなら基本的には様子見という姿勢になるかと思う。
特にこれから季節的にはセルインメイと夏の閑散相場・特に相場が荒れる可能性が高い9月と積極的に手掛けづらい季節ということもあるので、基本は無理をしない姿勢が重要なように思える。 
手掛けるとすれば、先日記事にした通り仮想通貨がファンディングコスト高騰までややチャンスがありそうな気がするが、それ以外は時間をかけてグロース企業の業績が成長し、投資バリュエーションが正当化できるレベルになるのをしばらく待つといったことになりそうだ。
それかキャリー狙いの投資の方が無難だったりして、株なら高配当株・REITで債券なら超長期債やスプレッド乗っている社債をてきとーに買うなど、11-2月の時と違って非常につまらない相場の取り組み方になると思う。

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アルケゴス問題が一巡し、機関投資家のリスクテイク再開

アルケゴスショックは一巡したことがうかがえる。

以前の記事で米国個人投資家サーベイは強気が維持されたまま、NAAIM指数は比較的弱い水準で推移していたのは、アルケゴス問題によって機関投資家がアクティブで大きくポジションを片寄らせていたグロース株が打たれたことが原因だと説明した。

<過去参考記事>

NAAIM指数と個人投資家サーベイの違いはアルケゴスが原因


では足元のNAAIM指数はどうなっているだろうか?

NAAIM指数をみると一気に雰囲気は改善し、弱気で見ている投資家は完全にいなくなった。
まずリスク選好度下位組がおしなべて弱気水準から強気水準に移っている。

<NAAIM指数>
タイトルなし



もうブルマックスみたいな感じではないものの、まだリスク選好度高い組が過剰にリスクテイクはしていないので、平均数値としてはやや強気ぐらいの水準になってきている。
結局ナスダック指数の上昇とともに、グロース銘柄に大量にポジションを張っていた投資家の状況が回復していき、アルケゴス問題でのグロース株大量処分事件の影響は一巡したということがうかがえる。

ただ既に米国個人投資家サーベイは個人投資家が超強気であることを示していることは気がかりだ。
過去のブルからベアの数値を引いたネットブル数値はかつてないほど高水準にあり、オールド・バリュー銘柄にもやや買われすぎ感が出ている。

<米国個人投資家サーベイ>
タイトルなし



これまではまだNAAIM指数(機関投資家)と米国個人投資家サーベイでリスク選好度にミスマッチが生じていたことから、グロースは確かにやや崩れたが相場全体としてはまあ大丈夫でしょうという認識を持っていたが、機関投資家も個人投資家もブルとなってくるとやや気持ち悪さを感じるところである。
S&P500の上昇の仕方も高値からさらに加速していくというパターンで、あんまりインデックスベースでこういう上昇の仕方は相場の持続可能性を縮めるのでいやだなあと思っている。
個人的には再びオールド・バリュー銘柄からグロース銘柄へ資金循環してくれるとありがたいのだが、そこばかりは予想というよりは単なるもうそうなってほしいという願望以外の何物でもないので、断言することも難しいと思っている。

まだアルケゴスによる相場調整があってから一か月しかたっていないものの、個人的にはここからは積極的に株の買い増しはしたくないなと思い、当面は現在保有ポジションを維持しながら次のアクションをどうするか考えたいと感じている。
理想論は当面グダグダ横ばい状況が続いて、時間がしばらくたってからワクチン供給と経済再開効果が見えてきたところで企業EPSもしっかり伸びてきたことが確認された段階で上昇を再開するというシナリオになると綺麗だなと思う。

個別株でこれだ!と思えるようなもの以外は特に飛びつきたるような相場でもないとだけは言っておきたい。
(かといって売りたいと思える相場でもないけど)

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コンテナ貨物需要増加はあくまで米国景気対策に依るもの

米西海岸 アジア貨物急増 港湾混雑で運賃上昇 給付金で消費増、価格転嫁も

あくまで景気対策・給付金頼み。

ニュースでは英語でも日本語でも何回も記事に出ているが米国の輸入増加によってコンテナ貨物需要が旺盛で港湾が混雑しているというのが報道されている。
またデジタル製品需要の増加で、こうした製品が主にアジアに製造が集中しており、これがアジアー米国間コンテナ貨物需要増加につながっている。
(そこらへんの産業構造状況は下記書籍を読むとよく理解できる)


グローバル・バリューチェーン 新・南北問題へのまなざし 

グロース銘柄は元々コロナ対策でデジタル製品の需要増加やデジタルトランスフォーメーション需要増加による真水需要増加効果がある。
まあそういうこともあって、これら銘柄は本格的な米国景気対策が織り込まれる前に金融緩和効果のみで3月のまだコロナショック真っ最中のところから急速に株価は回復していく流れとなった。
一方で、11月から本格的に上昇しているバリュー株が関連するサービス・製造品というのはどちらかというと真水需要というよりは米国のなりふり構わない景気対策によるところが大きい。
それは上記日経新聞の記事でも書いてある通りであり、重要部分を下記に抜粋しておく。

~~~~~~~
新型コロナウイルスの経済対策として米政府が多額の給付金を支給し、輸入が急増しているためだ。

同港湾のジーン・セロカ局長は「米国の旺盛な個人消費を受けて前例のないペースで輸入貨物が増加している」と話す。取扱量から、カラのコンテナを除くと貨物量になる。
~~~~~~~

このブログでは何回も記事で書いている通り、あくまで需要急増は前例のない景気対策による効果のおかげなのである。
米国人は宵越しの銭を持たないレベルで消費するので、配れば配るだけ使う傾向にあり、これが如実に出ているように思われる。
加えて金利低下によって、住宅価格上昇や借り換えによる金利返済の減少がさらに需要の押し上げにつながっている。
現在ここの部分を市場は長期間続くことを前提としてインフレ懸念や需要旺盛といった見方をしている。
特にオールブルーによる現在の巨額経済対策が延々と続くことが過分に織り込まれてしまっている。
それを上記日経新聞記事を読んだ限りひしひしと感じるところである。

なので、現在のオールド・バリュー銘柄の上昇は少しでも米国景気対策の継続性に疑いがかかると相当程度揺らぐ可能性が高いことは常に頭に入れておく必要性がある。
まあまだすぐにそれを考えておく必要性はないと思うけど・・・

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NAAIM指数と個人投資家サーベイの違いはアルケゴスが原因

「アルケゴス騒動」と市場への影響をどう見るか

事後的に見ればこいつが原因だったんだなあと。

日本語でも色々記事となって出てきて、ハイパーグロース株の下落が概ねこのアルケゴスによるマージンコール売りが原因であることが明らかになった。
それに伴い以前に記事にしたNAAIM指数と米国個人投資家サーベイの差がどこから生まれたのかがはっきりした。

<過去参考記事>

NAAIM指数と米国個人投資家サーベイから見る投資態度の違い


この記事を書いていたのが3/17の時点であり、この時点で想定された投資家ポジションは下記を予想していた。

~~~~~
・機関投資家のポジションは大きくグロース株に偏っていた。
・アクティブ機関投資家はおそらくだがほとんどオールドバリュー銘柄には投資をしておらず、まともにグロース株売りを正面から受け止めてしまった。
・主に狼狽して売りに向かったのは機関投資家で、個人投資家はそもそも追いつい目られていた形跡さえない。
・個人投資家はロビンフッダーを中心としてグロース株に投資していたものの、実際はもっと裾野が広い範囲で投資をしていて、オールド株の上昇によってそんなにダメージを受けていない。
・逆にオールドボロ株で逆張りしていた人もまだロビントラックが使えていた時期は観測されていたことを考えると、やはり個人投資家全体で考えればダメージは軽微
~~~~~~

この予想についてアルケゴスのマージンコール売りが発覚したことによって概ね正しいことがわかったと思う。
もっと言えばアルケゴスのマージンコール売りの規模が相当規模多かったことで、普通起こるレベルのものより大きい下落がハイパーグロース株で起こったことはもう既に市場全体で知れ渡っていることである。

さて、ではアルケゴスのマージンコール売り終了後のNAAIM指数と米国個人投資家サーベイの動きはどうだろうか?

米国個人投資家サーベイはもうブルブルのブルという状況で動きとしては継続した。

<米国個人投資家サーベイ>
タイトルなし


やはり米国個人投資家はロビンフッターやReddit勢は確かに意味不明グロース株に殺到したが、それはどちらかというと例外中の例外で、どちらかというと低PER・高配当・ダウ・S&P500構成銘柄といった手堅いものだったことが推察される。

では機関投資家サーベイであるNAAIM指数ははたしてどうだろうか?

<NAAIM指数>

タイトルなし


Most Bearishの動きを見ると最も悲観だったのは3/3-3/10の間であるということは事後的ではあるがなんとなく感じるところである。
既にMost Bearishが0ということは追加でどかっと空売りやポジション解消に転じている人はでなくなったということである。
では積極的に機関投資家はポジション復元に向かっているのだろうか?
ここは解釈としては人によって違うだろう。
リスク選好度下位25%が0なのと、Most Bullishが100というのはかなり態度としてはまだ弱気である。
なのでまだまだここからポジション構築しなおして再バブルだと考える人もいれば、機関投資家はアルケゴス事件でおよび腰になっているので当面ハイパーグロースには資金が戻らないだろうと考える人もいるだろう。
指数値自体は今週は52と微妙な動きだが、内容としてはリスク選好度の高いプレイヤーがやや二の足を踏んでいる一方で、過度に悲観的に見ていたプレイヤーがいなくなったことで動きとしてはポジティブだと思う。
現状はどちらが正しいと言い切るのは難しいが、個人的に一つ言えることはさすがに11-2月と比べれば企業分析・評価がきちんとなされたものから回復するだろうということである。

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シャドーレートを見る限り金融緩和は順当に深掘りされている

金融緩和は深掘りが続いている。

株価は一部小型・ハイテクが比較的大きめに崩れたものの、ことクレジットに関してはベース金利上昇分を除外するとハイイールドが小幅に売られた程度で、投資適格社債についてはほぼ対国債上乗せ金利が拡大した形跡がなく無風に近い状態となった。
ここらへんの事情はシャドーレートがカギを握っているように思える。

<シャドーレートの推移>
タイトルなし

https://muragoeinvest.com/ustmarket


シャドーレートとはなんなのかというと、セロ金利状態+量的金融緩和時に実効金利がどのようになっているのかを表しているもので、これにてゼロ以下の金利シミュレーションを行っている。
自作ホームページにグラフを掲載しているが、元データはこちらなので詳しいところを知りたい方はこちらを参照してもらいたい。

https://www.frbatlanta.org/research.aspx

このシャードーレート自体は米国が初めてQEを実施し、2015年あたりにアトランタ連銀の研究でどのようにゼロ以下金利を計算するのかというので初めて登場した政策金利モデルになっている。
2016年にQE拡大をやめて以降はお役御免で当面見ることはないだろうと思っていなかったものが、現状再度QEによる実質金利深堀度合いを確認することができる。
2月末時点のシャドーレートは-0.48%と1月の時と比較して深掘りがなされており、短期金融市場においては順当な金融緩和がなされていることがうかがえる。
ここが2ヵ月も3ヶ月もバカスカ上がってくると相場としてはかなり危険度が増してくるが、現状は深掘りがまだ進んでいるわけでインデックス投資をしている人にとっては特に何かを慌てるような局面にはなっていない。
(個別集中投資している人は全く別ですが)

またこのゆるゆる金融情勢が昨今の株価の荒れ具合に対してクレジットが実質無風に近い要因だとも個人的には考えている。

新興国についてはその前段階の金融引き締め観測だけで崩れたりするのだが、米国株については2014-2015年のことを考えると実際にシャドーレートが上昇し始めるまでは相場において大きな問題は債券金利からは生じないと考えられる。
実際に2013年のテーパリングショックの時は結局米国株は上昇していったが、一方で2015年の時は人民元ショックに巻き込まれた上に当時のイエレン議長が利上げペースを後ろにずらすことを言明してファンダメンタルズが株価に追いつくまでは我慢な相場となった。

以上を考えればやはりNYダウ・S&P500・ナスダック・ラッセル2000で取っているポジションについては特にポジションを削る必要性というのは感じないように思える。

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プロフィール

村越誠

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