村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

投資全体観

ナスダックの追加と今考えている投資方針

相場の冷却期間をすぎて、色々どういう投資戦略を組むか考えているが、書き散らす形で今考えていることを整理しようと思う。

個人的に考えていた相場のどたばた期間がすぎて、強制売り玉が減少してきたことからだんだんと冷静さを取り戻してきた相場に対して

一つはやはりナスダックの買いだ。
今回の下落相場はITバブルがはじけたのではなく、コロナウイルスによって無理やり経済が止められたというイレギュラー現象であり、やはりIT・ヘルスケアが成長産業ということには依然として変化はないと考えている。
むしろ今回のコロナウイルスで最も駄目な産業としての烙印を押されたのはエネルギー・素材産業であり、足元でも一番値持ちがいいのはやはりIT銘柄である。
また、この急速な経済シュリンク状況においては、米ドルというゼロから信用創造できる米国というのはやはり他の先進国より強みがあることは間違いないだろう。
また、足元の玉動向は明らかに変化しており、今までは下げている時にどかどか強制売り玉が出て出来高が増加するという現象だったのが、金曜日は下げている割には出来高が少なく、明らかに売り圧力が減じているというのがうかがえる。
なお玉読みについては下記書籍を参考にしてもらいたい。


ミネルヴィニの成長株投資法 

ということで月曜日にナスダックを追加してみた次第だ。

<QQQ(ナスダックETF)のチャート>
タイトルなし


ただし、今はあくまでFRBの金融対応と米国政府の財政による下支え効果によるリバウンド相場ということもあり、本質的にはまだ上昇トレンドに完全に回帰しているとは思っていない。
そういうこともあり、ここより上は一旦追うのはやめ、どこかで利益確定して再度二番底を狙う計画を立てている。

もう一つはJREITだ。
JREITは不動産投資信託ということもあり、基本的には安値ナンピンをしていけば少なくとも大損するという可能性が低い金融商品だと認識している。
残念ながら個人的にはそこそこ高い値段で過去JREITを保有してしまったことから、今回のJREIT投資はナンピンということになってしまうが、基本的にREIT関連は配当金を合わせていけばそのうち損益元通りになりますよねという若干不本意な形の追加になる。
こちらは毎月積み立てる形での追加投資になるだろう。

なお、新興国については残念ながら当面出番がない。
新興国は米ドルを手に入れなければ成長することができないが、米国が輸入を拡大し、先進各国マネーが新興国への投資を再開しない限りにおいては日の目を見るのは大分先になるだろう。
なお、新興国への投資において重要な概念は下記過去記事を参考にしてもらいたい。

<過去参考記事>
 新興国経済を見る上で重要な「国際収支の天井」という概念

仮にどうしても新興国ポジションを取りたいというのであれば、やはり一番耐久力のある中国に投資するのが一番無難ではなかろうか?
少なくとも南米・アフリカは医療体制・経済構造を考えるととても投資に回せる雰囲気ではなくなってしまっている。

一声対GDP比10%の財政支出が求められる展開

いくつかの国で財政支出に関するアナウンスが出ている。

今足元で政府が無理やり経済活動を止めているわけで、そうなると如何に政府が財政支出をひねり出して経済をサポートするのかというのが非常に重要になる。

<過去参考記事>

都市封鎖による損失は政府が負担しなければならない


ぽちぽちとそういった財政話が出てきているので、ここで数値が出てきている各国情勢を見ておきたい。

「米国」

米、2兆ドル景気対策が成立 企業や個人に「安全網」



米国については大量に失業者が既に発生していることから、かなり早い段階で手を打ってきた。
2兆ドルというのは米国のGDPがおよそ20兆ドルちょっとなので、
対GDP比10%を打ち出してきたことを意味する。
このレベル感でとりあえず相場の下落が止まっているのを見ると、対GDP比10%刺激策というのが
コンセンサスになるような気がする。

「ドイツ」

ドイツ経済対策、GDP比2割 7年ぶり新規国債18兆円



ドイツについて残念ながら18兆円では不足していると思われる。
欧州は財政通貨によって域内為替変動機能が効いておらず、
ドイツが他の地域に大量にモノを輸出することによって収奪しているというのが現状だ。
だか
ら本来はドイツが他の欧州国の分も負担するような形で追加支出を出す必要性がある。
しかし、18兆円という対策では国内GDP比たったの5%しかない。
現在の周辺国の医療体制の貧弱さも一つに無理やりなドイツの緊縮財政押し付け策が
原因にもなっていた。
残念ながらこのドイツの姿勢
はまだ続いていることがうかがえ、個人的には非常に失望している。
もっと大規模なものがドイツから出てこない限りは欧州の苦境は続くものと考えている。

「東南アジア」

東南アジア、追加経済対策 新型コロナの打撃拡大受け



欧州と比べると実はまだ東南アジア各国の方が財政支出の重要性を十分に理解しているように思える。
財政に余裕があるし、こういうときのために蓄えてきたということもあり、一気にGDP比10%の対策を打ち出してきた。
マレーシアなどもこの10%ラインというのを超えるレベルの支出を出している。
しかしシンガポールを除いた東南アジア各国の難しいところは、財政支出拡張による格下げリスクがあるというところであり、ここをどうケアするのかも非常に悩ましい。

中国もアナウンスは出ているものの、まだ具体的な金額がわかっていないのでここは数値が出てから評価したい。
そういった意味では日本もやはり一声10%の対策を打つ必要性があるだろうが、はたしてその根性を出せるかどうかに注目が集まる。

短期流動性枯渇問題は解消され始めたが、それでもデフォルトするような企業は避けたい

NY円、続伸 1ドル=107円95銭~108円05銭、米景気懸念でドル売り

まず足元で円高米ドル安に転換したことは非常に良いことだ。

ここまで起こっていたことは突然のボラティリティ上昇に伴う各市場での流動性の枯渇が大きな問題となっていた。
それにより、ドルに対する需要が高まり、ドル高他通貨安という状況がここしばらく続いていた。
その緊張感は通貨ベーシスや米ドル短期金利、CP利回りなど見ても感じ取ることができるだろう。
しかし、ここまでなりふり構わぬ財政対策・金融政策対応をしてきたことから、まだ米ドルLiborは高い状態ではあるものの徐々にドル安に向かい始めてきた。
そういった意味では流動性目詰まりについては徐々に解消の目処が見えてきたという感じだろう。

ただし、だからといって何を買っても大丈夫だというわけではないだろう。
まず投資家は投資において投資先のバランスシートの状況を確かめてほしい。
最悪一年間今の状態が続いてもこの企業なら耐えられるだろうと思われるバランスシートを持つ企業に投資を集中すべきだ。
なぜなら、いくら将来性が高そうに見えても資金繰りが詰まってデフォルトや、借り入れができないので公募増資で希薄化して株価が二度と戻らなくなるというようなバランスシートしか保持していない企業は触るだけ損だろう。

次に業種選別だ。
デイトレ・短期狙いなら何を狙ってもいいのだが、中長期投資するならば避けたいセクターは決めておかねばならない。
避けるべきセクターはバランスシートを使う業種(不動産販売・商社・銀行)・人材・資源・素材も思わぬ減損が出る可能性を考慮する必要性がある。
特にリーマンの時に思い出されるのは新参企業が大量に出てきてバタバタ死んでいった不動産販売・人材系はまさに需要蒸発と影響長期化は避けられないので問答無用でさわるべからずだろう。
また、このような情勢において一番苦しいのは資金繰りについて調達できることを前提に動いているスタートアップ企業だろう。
以前購入した下記書籍を読むと、スタートアップは「外部から得た資金を一定期間で使い切って成長することを前提にしていて、使い切ったらさらに外部資金を調達する」ということを当然としたビジネスの進め方をしているのがわかる。

<参考書籍>

スタートアップ投資ガイドブック

読んでいて個人的に感じていたのが、その資金調達に対する考え方の危うさであり、今回のような流動性ない資産からバリュエーションが根幹から揺らいでいる状況で予定通りの外部資金調達が可能なのだろうか?
こうした観点からスタートアップ企業への投資があまりにも多い銘柄なども避けておきたいところだ。

とにかく当面はイージーマネーに頼りきりだった企業というのは基本的に全て切り捨てという前提で相場にあたった方が確実だと個人的には思っている。
 

本格的にポジションを取れるようになれる条件

皆がファイティングポーズを取れる姿勢にならないと本当の回復局面は来ない。

多くの方はコロナウイルスの感染拡大がいつ止まるかということにフォーカスしており、色々なモデルを使って予想してる人がいたりするが、自分はそこらへんに詳しい知見などがないため、違う形で本当に買える相場がどういった条件なら来るのかというアプローチをしたいと思う。
相場の真の底入れには下記条件が必要だと考えている。

1、米ドルLiborの低下
既に米国の政策金利はゼロになり、当面このゼロ金利も続くはずなのだが、未だに米ドル3ヵ月Liborは1.2%と業者の流動性の厳しさが続いていることを示唆している。
流動性がタイトな間は金融機関はみんな自分のところの資金繰りを回すだけで精いっぱいであり、そのような体制では本腰を入れた継続的な買いを入れてくることはないだろう。
まずは米ドルLiborが低下し始めることを見ないことには本格的な回復相場は訪れないだろう。

<米ドル3ヵ月Libor参照先>

検索結果

ウェブ検索結果


2、CLO価格の下げ止まり
現在市場の流動性が落ちている中、一番問題になっているのはCLOである。
CLOとは比較的信用力の低い会社のローンで構成されているレバレッジドローンをいくつか弁済順位の違うバラバラのトランシェに分けて投資家に売っている証券化商品である。
例えば邦銀や農林中金が持っているCLOは金融庁資料ではほぼ全てAAA格であるので問題ないと言われている。
しかしCLOは所詮微妙な会社から弁済順位にランクをつけてバラバラにしたローンであるので、AAA格は本当のAAA格社債と比べるとやはり信用力は劣る。
足元はデフォルトの急増を懸念してCLOにおいても本当にAAA格は大丈夫なのかどうかという不安が生じ、さらに流動性が落ちていることから価格発見機能がないに等しい状況になっていることが足元の機関投資家の懐を痛めている原因になっている。
CLO価格がまずはきちんと成り立ち、そして下げが止まるということも機関投資家が本格的にリスクテイクしていくためには重要な要素となっている。

<CLOの基となるレバレッジドローン価格動向参照先サイト>

S&P/LSTA U.S. Leveraged Loan 100 Index



3、中国の信用株買い残高の増加開始
これは去年8月にナスダックに買いを入れたときに判断した材料である。

<過去参考記事>

中国株の信用取引買い残高の増加を見て、ポジションを修正


今回は中国初の騒動ということもあり、おそらく回復も中国からスタートするはずである。
そうなれば中国で自然と株の信用買いが増加し、皆がファイティングポーズと取っているということが示されなければならない。
しかし、積極的なPKOをやっていたところでは伸びていたのが、足元ではじわじわと減少に転じており、未だ自然発生的なファイティングポーズを取れていないことを意味している。
投機的な中国人がまだ動いていないのに、自分だけ過剰に飛び出すというのはやはり自殺行為に近いと思っている。

上記全てが必ずしも同時に発生する必要性はないが、少なくとも一つは発生しないことには継続的な買い手が出現しない脆弱な相場が続く可能性が高いままなのでフルポジションを持つわけにはいけないだろうと考えている。
買い出動するにしても長い時間をかけた粘り強い余裕を持った買い姿勢というのが試される。
 

社債購入というルビコン川を渡ろうとしているFED

Fed announces unlimited QE and sets up several new lending

ルビコン川をあっさり渡りに来ようとしている。

ここまで起きていることは通常の景気サイクルとは違う予期せぬ政府によるセルフ景気制裁、金融規制によるブローカーの在庫キャッチ能力の低下によるクレジット市場の深刻な流動性低下である。
(ここらへんはShen氏が詳しいので、彼のブログを読んでほしい)

<死ぬほど下がったLQD(投資適格社債ETF)>
タイトルなし


この状況は特に米国債に次いで市場規模が大きいMBS市場にまで波及したことは、直接的に米国住宅市場にダメージを与える可能性が高いということもあり、まずは昔行ってきた米国債・MBSを実質無制限で買い入れる作戦をアナウンス。
しかし今回はそれだけでないものがある。
特に注目したいし、効果があるのが今この記事執筆している状況だと詳細までよくわかっていないが、実質的な社債購入に踏み切ることに言及したことにある。
(注:金額は3000億ドルとアナウンスされているが、まだ詳細が開示されていない)

これによって少なくともそこはぶっつぶれねーだろという企業の社債はラリーするはずだ。
例えばディズニー、アップル、マイクロソフト、アマゾン、スタバ、バークシャーハサウェイなどがそれに該当するだろうし、発行したくてもコストが高すぎて躊躇していた社債発行体がここだとばかりに新発債を発行してきて、それをブローカーがそれきたとバケツリレーできるようになることも想定の範囲に入ってきた。
(まあオキシーとかアパッチみたいな石油会社は論外だけど) 
これによって枯渇していた流動性はようやく息を吹き返し、すくなくとも無秩序に全てが駄目になる可能性はぐっと低くなるはずである。

一方でじゃあこの大盤振る舞いQEだけで全てが解決するかというとそうではない。
QEで買える社債というのはあくまで高格付け会社であり、そもそもファンダメンタルズが壊れてて多重債務みたいな企業は対象にならないことは容易に想像できる。
つまりハイイールド領域やBBB格レベルのいつジャンクに落ちてもおかしくない石油会社などは残念ながらこのQEでは救われない。
(ボーイングは下手すると購入対象になりうるような気がする)

ということでこの無制限QEで必ずしも全部が救われるわけではなく、あくまで時間稼ぎにすぎない。
ただこのQEで時間を稼いでいる間に財政による様々な救済パッケージをまとめ、米国・ロシア・サウジの原油減産交渉とまとめ、最終的にはコロナウイルスによる都市封鎖が解除されるまでを乗り切るという道筋がようやく見えてきてたところだ。
だからまだまだネガティブなニュースには反応することは予想されるので、テンション高く過剰なリスクテイクをすることは無謀ということに変化はないだろう。

一方で中長期的に見ると、お前それじゃぶじゃぶ経常赤字で財政赤字の国でやったら中長期的にドルの価値ってなんやねんと言われるとぐうの音が出ないが、それは今は考えるべき項目ではないだろう。

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村越誠

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