村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

米国経済

予想以上に良好であった雇用統計から考える相場への影響

米新規失業保険申請件数、119万件に減少-パンデミック以降で最少

統計数値を見て、色々再考。

引き続き米国の新規失業保険申請数が悪い数値で出てくるだろうという風に読んでいたのだが、結果は118万件で、さらに季節調整なしだと98.4万件台ということで、いよいよ週600ドルも上乗せでもらえていた失業給付が切れるということもあり、本当に職場に戻ったということになると思う。

金曜日発表された雇用統計も市場予想よりもよく、ぼちぼちの数値であった。

<参考ニュース>
July U.S. employment growth slows sharply

そうなるといくつか相場の取り組みについて考え直さなければいけないことがある。
以前にブログで米国景気V字回復シナリオは崩れたとかなり悲観的な文章を書いたが、V字回復とはいかないがそこそこの回復が見られるという考え方の軌道修正は必要だろう。

まずこの雇用回復ペースであれば、金融緩和でさらに追加するものはほとんどないだろう。
当面は金融政策は現状維持が続くだろう。
社債ETFの買い入れ規模拡大なんてまず必要ない。
あと雇用が戻るなら現在議論されている失業給付の上乗せが思ったよりしょぼくなる可能性も否定できないし、財政支出のやり方は少なくともコロナ直後よりは絞られるだろう。
無差別に続いたドル安も状況の変化によってその速度が緩んだり、ドル高に転じたりというのも考えておきたい。

新規失業保険申請数が発表されたあと一瞬米債超長期金利が上に跳ねてやばいと思ったが、なぜかその後逆噴射して一旦デイローになったことから、ここはもう一ヵ月も短期かつリスクヘッジのつもりで取り組んでいたTMFを一旦利益確定しどころだろうと思い、ここまで5回にわたってエントリーを繰り返したものを半分減らすことにした。
そして雇用統計を見ても、追加金融緩和シナリオがなくなりつつあることを感じて、結局残り半分も売却。
もしかするともう過剰な失業給付金が必要なくなるので、将来的な米債増発規模が減少する可能性があるという話から金利が下がる可能性はまだあるかもしれない。
ただ、ここまで自分は新規失業保険申請数から米国経済の回復が怪しいと見ていたことからひたすら米債超長期の買いを連打していたのだが、その前提ストーリーの雲行きが怪しくなったことから、次に米債が動いたときに自分に判断することができる自信がなくなったことから、ここは欲張らず利益が出るうちに撤収しておこうと思い、実行した。

株はかなり難しい。
6日の反応を見る限り、まあそもそも既にコロナ暴落前の水準レベルにまで回復したS&P500などを見ると、過剰なV字回復と金融緩和・財政支出拡大を織り込んでいる状態に見える。
なので金融緩和期待・財政支出期待がしぼむといよいよ調整みたいなストーリーもありえるだろう。
中途半端な失業状態が続くことが一番株にとってはリスクになる。

一番この雇用統計の動きからストーリーが変わる可能性があるのは貴金属だと思っている。
貴金属類はひたすら金融緩和と財政支出の拡大によるドル安というのをエンジンにして動いてきた。
しかし、新規失業保険申請数の減少を見るとコロナ直後のような過激なものが再度米国政府が行うかというと、少し疑問を持つ必要性があるだろう。
ちなみにここまで何回か参戦して脱出したシルバーについては完全に短期的に買われすぎである。

<シルバー価格のチャート>
タイトルなし


1年移動平均線から50%も上で、一目均衡表の基準線からも20%以上も離れている時点で、短期的には常軌を逸した価格になっている。
無茶ポジションはあまり持ちたくないなと個人的には思う。

ちなみに米国経済統計ってどこをどう見ればええねんという方は下記を参考にしてもらいたい。

<過去参考記事>
投資の役に立つ統計から米国経済の状況を読み解く方法

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米国失業者保険統計は改めて景気V字回復シナリオを否定

GDP Makes History As Jobless Claims Show Recovery Stalling; Dow Jones Falls

予想は外したが結果オーライ。

米国新規失業者保険申請数についてシーズナルファクターを考えると滑りそうと予想したが、結果は予想145万件ぐらいだったのが、季節調整で143万件と意外にも 滑らなかったという、全く自分の予想は外れる形になった。

<過去参考記事>

次回米国新規失業者保険申請数統計は天王山


一応季節調整前では新規失業者は減少しているが、季節調整をかけると二週連続で増えているというような言説が多かった。
ただ、こちらは統計結果としてはまだマシな方かもしれない。

一方で問題は継続失業保険受給の方にある。
こちらが今回はド滑りしている。
予想1620万件ぐらいだったのが、実績1700万件とド滑りした挙句、さらに失業者が増えていることを示唆することになっている。
新規失業者はほぼ予想ベースなのに、一方で継続失業保険受給者数が予想外に増加しているということは、新しくクビになる人は予想の範疇に入ってきたが、新規で雇われる人が予想を下回ってきているということを意味している。

そうなると連鎖的に次の雇用統計の非農業雇用者数が滑る可能性が高いし、失業率も高止まりしそうというのもほぼベースシナリオになってくるだろう。
ということはこの時点で雇用増加による改善が止まっていることを意味しており、現在市場はそれ自体がネガティブなのではないかという判断をしているような動きを見せている。

<米債30年利回りのチャート>
タイトルなし


赤丸で囲った部分がTMFを追加したタイミングだが、とりあえずリスクオフ対応時のTMF追加作戦は上手くいった。
問題は利益確定ポイントだが、とりあえず米債30年金利1.15%ぐらいを一回目の利益確定ぐらいで考えておこうと思う。
こちらは多少のリスクオンが来ても次回雇用統計が滑る可能性高いことを考えれば、まだ引っ張れると考えている。

貴金属ロングは昨日ブログ記事にした要因でしばらくお休みするのが吉だと思う。
特にパラヂウムは中国人による買いが上昇寄与の大半だったように思えるので、追加するにしてもゴールドかシルバーのどちらかを狙うのが無難かと思う。

<過去参考記事>

中国の貴金属取引規制強化で銀価格は一旦調整入りへ


株ショートで一つ難しいと感じているのはまだクレジットが崩れていないことである。

<クレジット類ETFの7/30の場中価格変動>

タイトルなし

FRBが買い介入策を揃えているということもあるが、ここをどう解釈するかで各自投資判断が変わってくる。
下げ目線で考えているならば、クレジットの下げ方が甘いのはクレジット投資家が油断しているからで、クレジットが下がるまではガンガン色んな株ショートを積み増せるという考えのもと戦略を組み立てるべきだろう。
一方で、いやクレジットが耐えているということはこれは単なる株の押し目だと考えることも一理あり、何かしら鉄火場スケベロングするというのも戦略の一つだ。
ここは各自が取りたい戦略と見通し次第になるだろう。

なお、こうした米国統計の読み取りについては下記記事を参考にしてほしい。

<過去参考記事>
投資の役に立つ統計から米国経済の状況を読み解く方法

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米国の格差拡大がさらに鮮明になっていく

米失業給付、大幅減額へ 月6兆円特例、今月末に期限

引き続き二極化の加速。

ここまで米国政府は失業者に対して週600ドルの上乗せ加算を行って経済の下支えを行ってきた。
通常の失業保険が週370ドルということもあり、人によっては週1000ドルぐらいを受け取れていた。
しかしこの上乗せ特例も期限を迎えており、加えてやはり週600ドル大盤振る舞いはそう何回もできるものではないということで、上乗せ幅は失業前の給与水準の70%にまで圧縮ということで特例分は100-200ドルになるということである。
またもう一つ気がかりなのは失業期間が長引くと通常の失業給付金も切れていく可能性があるということである。

<参考記事>
米国の失業保険制度

上記PDF資料を読み込むと平均受給期間が16週ぐらいということもあり、大不況が始まった3月にクビになった人はそろそろ受給期間が切れる頃になる。
そうなると上乗せ云々の前にベースにある通常失業給付も切れることになるので、そうなると貯蓄がないという貧困層は相当苦しい状況に追い込まれ、小売売上高に圧力がかかることとクレジットカードの延滞率がぐんと上がりそうな気がする。
レッドブック小売り売上高も以前として前年比-7.5%アラウンドで推移しており、このまま給付が切れることを考えると簡単に回復するという考え方は少し難しいように思える。

一方でリーマンショックの時と違って高給層のクビになっている度合いが薄いということもあり、住宅は比較的底堅い動きをしている。
モーゲージ金利が過去最低ということもあり、金借りれるなら住宅買っておこうという層が動いているということだろう。

<参考ニュース>
米住宅市場にも緩和マネー ナスダックと並ぶ活況

ただし建設許可件数を見ると既に足元若干鈍くなっていることからこっからさらに無尽蔵に伸びていくかというと少し微妙だが、少なくとも市場急落みたいなことは起こらなそうな感じがしている。
期待はげおちはありそうだが、そこまで悲観的になることもないといったところだろうか。

このようにデータを見比べると地獄のような状況の貧困層と比べて、富裕層は金融ショックを受けなかったことから想像よりも経済状況は良いことがうかがえる。
またコロナウイルスについてもまだワクチン目処は立たない一方で、症状を緩和する対処療法は確立されてきており、未だ感染驚異は強いものの以前よりも医療体制への圧迫度は数ヵ月前と比べればはるかにマシになっているので、無差別ロックダウン措置というのも基本的にはないだろう。

<参考ニュース>
新型コロナが弱毒化しているという根拠はない

そういった意味では相場の調整下げは通常の下げよりも大きくなりそうなものの、慎重に買い場所を探すような感じでよいと思うが、二極化や選別色は高止まりしたままだろうということには注意したい。

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次回米国新規失業者保険申請数統計は天王山

来週がいよいよ本番といったところだろうか。

7月後半にかけていよいよ米国での経済V字回復というのはジョブレスクレイムを見る限りは潰えたというのは過去に記事にさせてもらった。

<過去参考記事>

米国景気回復ストーリーを粉々にした新規失業者保険申請数


このジョブレスクレイムの統計データの良いところは毎週木曜日という高い頻度で統計がリリースされるので、ISMや雇用統計と比べて高い頻度で経済状況をチェックすることができる。
(ちなみに米国統計の見方については下記参考)

<過去参考記事>
投資の役に立つ統計から米国経済の状況を読み解く方法

アレクサでブルームバーグラジオを聴いていると何回もこのジョブレスクレイムが前週を上回り、雇用回復が遅れているということが報じられていて、内容としてはやはりかなり衝撃的なものであったというのが正直な内容だったと思う。
ただ、まだミスったのが一回目ということもあり、米債以外のリスク資産はドル安効果によって比較的冷静さを保っている。

しかし来週木曜日発表のジョブレスクレイムに関してフォロワー様から情報提供があった。
(りんりん様情報提供ありがとうございます)


市場で注目されている数値は季節調整済みデータということもあり、シーズナルファクターが来週は84.1なので、季節調整なしが同じだと季節調整済みジョブレスクレイムは162.9万人に大幅上昇してしまうようだ。

<ジョブレスクレイムのシーズナルファクター>
タイトルなし

https://oui.doleta.gov/unemploy/claims.asp

まあ問題はコンセンサスがどれぐらいなのかということなので、来週発表分のコンセンサスが出てくるのを待っていたのだが、数値が出てきたのでそれも確認した。

<ジョブレスクレイムコンセンサス>

Eds21fWUYAA1PqX

https://jp.tradingeconomics.com/united-states/jobless-claims

140万件というのはシーズナルファクターを考えると非常に強気と言えるだろう。
シーズナルファクターについて指摘していただいた方もかなり強気というイメージだ。

前回ジョブレスクレイムの発表だけで米債30年金利は1.3%から1.23%まで大幅下落したことを考えれば、次回ジョブレスクレイムでもう一回大幅金利低下する可能性はかなり高いように思える。

というわけで次回木曜日のジョブレスクレイムまでに米債超長期の金利が少しでも上に跳ねるのが見えたら躊躇なく米債買いで問題はないように思える。
TLTでもTMFでもどちらでも構わないと思う。


米債についてはドル安だろうがドル高だろうがどちらにしても金利は下がる運命にあるので、これはそこまでポジション構築に悩む必要性はないと思う。

貴金属ロングはそういった面で少し足元では難易度が前回よりも上がっている。
相場全体がドル安に大きく依存していることからドル高反転すると比較的大きめに反応する可能性が高まっている。
ゴールドについては比較的フローが安定しているということもあり、ドル高を食らったとしても死ぬほど下がる確率は高くないということもあり、ゴールドについては保有分で利益が乗っているなら別にそのままで問題ないと思う。
ただシルバー・プラチナ・パラヂウムはドル高を一発食らうとそこそこ大幅な値幅が出て下がるということもあるので、こちらは少しポジションの取り方には注意しておきたいところだ。

株ショートはこのジョブレスクレイム前に一回構築してみると面白いかもしれないが、焦って売ると自分が集計しているブルベア指数ではまだ売りに勢いがついていないことが明白なので慎重に行うべきだと思う。

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米国景気回復ストーリーを粉々にした新規失業者保険申請数

米国株、ダウ反落で始まる 失業保険の申請件数増加を嫌気



金槌でガツンと殴られるような衝撃。

7/23に発表された新規失業者保険申請数は一言でいえば、景気にとって出ちゃいけない数値がでてしまったといっても過言ではなかっただろう。
今まではいくら米国でコロナウイルスの新規感染者数が増加しようが、新規失業者保険申請数や雇用統計を見る限り改善しているということを心の拠り所かつ前提として市場参加者は動いていた。
改善ペースが鈍化していたとしても、改善しているわけだから無視しても構わないと考えている参加者が多かったように思われる。
しかし、これについては米債参加者はそんなわけなくないかという懐疑的な目線を保ちながら、度々米債超長期の押し目を拾いながら動いていた。

そしてとうとう7/23に発表された前週の新規失業者保険申請数は143万件と前回数値130万件からかなり大きく増加に転じてしまった。
ここまで既に景気指標はいくつか怪しい兆候を見せていたが、それをはっきりと証拠として突き付けられた。
米債超長期はそれ見たことかとばかりに強烈にブルフラットしていき、本格的な景気停滞モードに移行している。

<米債30年金利のチャート>
タイトルなし


<過去参考記事>

米国景気回復のV字回復期待が薄れ始める実経済データ


トランプ大統領がここもと経済の再始動について口やかましく早くやれと発破をかけていたのは、おそらくこのジョブレスクレイムのデータを知っていたからだろう。
しかし発破をかけたところで感染者数が爆発的に増加してしまっている州では病床が埋まっていては経済再開なんてできるわけないだろという話になるし、スウェーデンのノーガード戦法の結果を見ても、感染者数が爆発的に増加すると自然とみんな活動を低下させて自衛して経済活動が低迷することも既に判明している。

<参考ニュース>
命も経済も救えなかったことが明らかに…ロックダウンしないスウェーデンの戦略

次期大統領選挙では一にも二にも雇用がどれだけ回復するかにかかっているが、この時点で雇用の回復が止まれば、経済対策でさえ上手くできなかったということでトランプ大統領は一期限りの大統領ということで終わる可能性が高まってしまう。

リスク資産価格はまだぎりぎり冷静さを保っているが、これは前日記載した通り全てドル安に依存している。
このドル安が止まった瞬間、もう逃げ場はなくなるので、そうなると流動性がない銘柄から一気に沈むだろう。

<過去参考記事>

足元の重要ポイントはドル安


こうした米国経済の分析については下記を参考にしてもらいたい。

<過去参考記事>
投資の役に立つ統計から米国経済の状況を読み解く方法

別に中長期保有目的のものまでぶん投げるとかそういうのは必要ないと思うが、少なくとも少し下がっただけで破滅するようなポジションや流動性のない銘柄だけは外した方が賢明だろう。

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