村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

米国経済

米国社会は当面暴力デモが起きているという報道が続きそう

米、深まる社会分断 試練の民主主義 デモ、60年代の公民権運動並み

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とにかく昨今の米国社会はシビアである。

元々移民大国である米国は国への尊敬・宗教・法律・金の4つが自国民を唯一共同体として縛る重要要素になっている。
しかし人種があまりにも多様なために同国民内での仲間意識というのは存外に薄い。
一般的にアジアを見渡すと移民大国はひとつもなく、基本的には元々伝統的に居住してきてDNA的にも同民族で構成されていることから、仲間意識というのが非常に強い。
またアジア各国は基本的には働きに来る外国人に対してはあくまで一時的に稼ぎに来る体裁みたいなところが多く、制度的に自国民優位な政策を組んできているのでこの仲間意識の輪に深入りするという人もそれほど多くない。
一方で米国は歴史的にも移民が国を造ってきたということもあり、こういった人種による仲間意識が皆無である。
だから上層部がピンチになれば生き残るために下層をぶったぎることになんの躊躇もない。

今回のコロナ不況はそんな米国の弱点に正面からぶつかってきたという印象がある。
下記項目にあげるように米国社会は金持ちには優しく、下層民にはこの上ない厳しい社会である。
・高い医療費によって大規模伝染病に対してサービスにアクセスできない人が多数出現
・予期せぬ経済活動停止によって大量の無差別解雇が発生
・米国企業の株主還元優先・ハイレバレッジでデフォルト急増
・FEDの金融政策・米国政府の支援で企業支援は厚いが下層には恩恵なし

リーマンショックの時は多額の税金投入によって金融機関が救済されたが、ウォールストリートが救済され多額のボーナスが経営陣に渡ったことにキレた民衆が街頭デモを繰り広げた。
しかし、今回は結局ウォールストリートだけでなくメインストリートも変わらないレベルで強欲であり、自分のボーナスを死守するためには何の抵抗もなく解雇し米国政府とFEDの救済を受けるということがまかり通っている。
その結果が失業率20%近く(推定だけど、18-20%ぐらいの間だと思う)という社会不安定現象を起こしている。

こういった社会不安定を是正させるためには下層部に対して何か対策をしなければいけないところだが、今の米国の社会背景を考えるとかなり難しい。
なぜなら米国社会自体がこうした下層部を切り捨てる自由を与える代わりに世界から高インセンティブを背景に人材をかきあつめてくる社会構造になっているからだ。 
そしてそれがこれまでの米国の経済成長を牽引してきた。
だから下層部切り捨ての自由を捨てることは米国社会にとっては決断できないことであることは確かである。

こういうことを考えれば当面米国社会は高い失業率を背景にこうした暴力デモが当面継続することは確実だろう。
ただし、米国と一口に言っても広大なことに加えて、既に上位層による収入の集中が進んでおり、経済全体や株価へのダメージはと言われていると、報道でセンセーショナルに扱われるほどには下がらないんじゃないかなとも思う次第だ。

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トランプ政権の香港に対する脅しは選挙が終わるまでは実質ブラフ

トランプ氏、香港の優遇措置停止へ 国家安全法推し進める中国に



結局外交関連は選挙終わるまでに実効性のあるものは出なさそう。

中国が国家安定法を推し進めたということで香港について何かしら制裁するという発言がトランプから出ていたことで、中国株や香港株に悪材料として雰囲気の悪い状況が続いていた。
しかし、結局トランプ氏からは香港の優遇措置停止するかもという発言しか出ておらず、具体的なスケジュールや、じゃあ一体どの範囲で具体的に制裁を加えるかについてはほとんど言及されなかった。
それになんかついでみたいな形でWHO脱退するかもという発言を加えているが、これも日程の明示などなにもなされておらず、実質単なる口だけブラフというのが見透かされている。
本日は中国株・香港株いずれもこのニュースに反応して大幅プラスとなっている。

トランプ政権ももはや外交で色んなことをやる余裕はほとんどなく、国内経済に対する対策で手一杯の状況である。
特に選挙前ということもあり、外交までもめて経済的ダメージが米国に追加で波及すると失業率20%近くある中で、失業した人達のストレスが極限に高まる中で米国各地で暴動が起きるなど、選挙に重要な支持率を低下させるような現象が立て続けに起きている。

<参考ニュース>

米ミネアポリスで暴動 警官の暴行で黒人死亡、抗議過激に



もちろん米国は広いのでこの暴動が米国全土に起きているとか考えるのは明らかにいきすぎなものの、ニュースでセンセーショナルに報道されれば支持率に影響する懸念がトランプ政権が持つのも当然だと思われる。
この国内対策に忙しい中で、そもそもトランプとしてもほぼ有権者へのアピール材料ぐらいにしか考えていない中国との経済戦争についてまで割く時間はないと判断したものと思われる。
選挙が終わって無事にトランプ政権が当選したらもしかすると喧嘩をしかけてくるかもしれないが、それでも米国の失業率がクソみたいに高い間に、わざわざ経済的にダメージが跳ね返ってくるようなことが以前のように出来るかというとかなり難しいように思えるので、やはり米中貿易戦争というのはニュースフローとしては個別企業には影響が出るかもしれないが、相場全体で考えればとりあえず当面脇に置くので良いという判断になりそうだ。

ということで一度相場は米中貿易戦争の激化を織り込みにいく雰囲気を見せたが、再び選挙後までは考えなくて済むという結末になったと思われる。
短期的にこれを材料にさらなるショートの踏み上げという相場になっており、個人的にも予想の斜め上を超えたショート踏み上げ相場がどこまで続くかもはや全くわからなくなっている。

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米国の雇用正常化シナリオが徐々に疑わしくなってきている

アメックス、「何百人」ものセールス部門従業員を債権回収業務に転換

本当にV字回復するのか徐々に怪しくなっている。

昨日発表された米国新規失業者保険申請数だが未だ200万人以上と下がってはきているものの、下がり幅は徐々に縮小し、直線上にひくと以前のような20万件台にまで減少するにはまだ数ヵ月先の話になる雰囲気が出てきている。

<米国新規失業者保険申請数>
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それにこれが夏ごろになれば正常化して以前のように米国企業がバンバン人を雇うというのも徐々に眉唾な話になってきている。

<参考ニュース>
韓国、29日から再び外出自粛要請 ソウル首都圏

米国の労働市場は必要に必要な時だけ労働者をかき集めるスタイルである。
米国でも上記ニュースの韓国のように感染者数の再増加が見られれば外出自粛要請が発令されるだろう。
そういうことを考えればすぐに以前の雇用に戻すという判断は米国企業はしないだろう。
下手すると不安定なので追加で人を切っておこうと判断する企業さえ出てくるかもしれない。

米国人のライフスタイルというのは日本人から想像することができないほど楽観的な消費をする。
金があればあるだけクレジットカードでバンバン買い物をする。
宵越しの銭なんて持っていない人が大半だ。
アメリカンドリームを実現できた人は使い切れないほど金があるが、その他大勢はキリギリス的な生活以外の何物でもない。
失業率が高いうちはこのままだと米国政府は定期的に国民に支援金を出す必要性があるかもしれず、選挙前にもう一回ぐらい現金ばらまきが行われるのではないかと思われるが、それだけで支え切れるかどうかはわからない。
住宅のような金持っている人が買っているというものはリスクアセット価格にリーマンショック程の調整は働いていないことから今回はダメージが低いように見えるが、クレジットカードは純粋に給料もらえなくて払えないという人が続出するのでもっともこの新規失業者の影響を受け、記事最初にある通りアメックスはこの影響が長期化することを見越してセールスを回収業務に回しているのだと思う。

もちろんだからといって株価が前回の底値を割れるという話ではない。
今回はリーマンショックの時と違って少なくとも不況対策と金融システム崩壊防止策についてはリーマンショックの時と違い後手には回っていない。
少なくとも本当に経済が致命的に駄目になるぐらいだったらいくらでもドル札を刷るというコンセンサスができている。
そういうことを考えれば今後のトレンドは銘柄間の二極化の拡大というのがやはりテーマになってくるのだと思う。
 
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次に米国で炎上するセクターはクレジットカード業界か

FRBが追加策を検討、失業率「今後1カ月がピーク」

投資においては上がる銘柄を当てることも重要だが、それと同様にハズレ銘柄を避けることも重要なスキルの一つだ。
足元の相場はコロナ前の相場と違い、てきとーに銘柄を買っていると思わぬ地雷を踏みぬいて死ぬ可能性があるので、駄目な銘柄は何かというのを常に考えている。

コロナで絶賛相場が下がっていた最中は、このブログではエネルギー銘柄が大炎上すると何回も書いていたが、まさにその通りになった。
ただそのエネルギー銘柄もぶっつぶれっそうなところはとことん死ぬレベルに株価が下がったので、材料的には出がらしになったかなという感じがする。

<過去参考記事>

先導株でもなかったのに下げ相場で下げを先導するエネルギーセクターはナンピン厳禁


さて次に大炎上しそうなセクターはどこだろうか?
うーんと考えていたが、また米国の新規失業者保険申請数が300万人ぐらい出ているのを見て、これはクレジットカード関連銘柄が大炎上するなと予感し始めている。

<参考ニュース>
失業率20%突破の可能性 保険申請3600万件突破

先日のパウエル議長の講演でも現在年収4万ドル以下の労働者が40%職を失っていると発言しており、今回のコロナウイルス不況はまさに低所得者から順にクビを切られているという状態にある。
リーマンの時は投資が焦げ付くというパターンが生じたため富裕層も結構なダメージが生じていたが、今回はどちらかというと富裕層はそこまでダメージ受けていなくて貧困層が富裕層を守るために一気にクビを切られたという印象が強い。
だから例えばBOEが出しているレポートでも富裕層中心の不動産についてはリーマンショック時より傷は浅いという見立てが出ている一方で、リーマンショックレベルと同様なレベルで個人向け融資がこげつくストレスシナリオを描いているわけである。

<過去参考記事>

BOEが発刊した金融安定レポートから読み解く金融市場


そして米国の消費者というのは、はっきりいってキリギリスであり、特に年収が低い層は平気でバンバンクレジットカードで家計を回していたりする。
まだ景気が落ちるまでに時間があれば節約して貯蓄を貯めてガードを高めるということも可能だったのだが、今回は金融市場が追い付かないレベルで実体経済から悪化したためそれもできていない。
そのためこれからクレジットカードの不良債権化は本格化してくるだろう。
一応米銀各社まずはクレジットカードから引当金を積んできているが、1Qの積み方だけではおそらく足りないだろう。
アメックスやキャピタルワンなど直接的にクレジットカード債権リスクを取ってるところも2Q以降の業績は厳しいことは目に見えている。

<アメリカンエキスプレスの株価チャート>
タイトルなし

ビザやマスターカードはクレジットカード債権自体は持っていないものの、決済金額が伸びなくなるので間接的にダメージを受けて株価の上値は重たい状態が続くだろう。

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【再々修正】S&P500のここからの推移予想

売りたい勢がとにかく多すぎる。

足元のS&P500のEPS期待は2Qがボトムであり、3Q以降は回復傾向で推移するだろうという見込みが市場コンセンサスになっている。
まあ少なくとも3Qが2Qよりマシになることは確実だろう。
2Qが悪いことは皆既知であるので、予想を上回るEPSさえ出ればOKという態度になるだろう。
そういった期待感もあり、前回記事に書いた通りPERがほとんど戻っていて、EPSの下落分オンリーのところまで相場は戻った。

<足元のS&P500のEPSマーケット予想>
EXz1kUIUMAIGP7M


おそらく足元の状況は多くの人が様子見という状況である。
買いたい側は余剰資金が余っているものの、すぐに買い向かうには少々高いし、
一方で売りたい人達は前回暴落時のような売らないと自分の生死がかかっているというような人達ではなく、儲けるために売りたいという人達が湧いているだけで、本当の相場暴落の引き金になる売りたくないのに売らざるを得ない人達が殺到しているわけではない。
引き金になった原油価格暴落もようやく小康状態になってきて、原油価格自体はまだ低い水準になるがなんとか異常値が出ないレベルには戻ってきたものと思われる。

そういったことを総合的に考慮すると、確かに足元の相場は高いがそれを根拠に中途半端に売りに回っても十分な利益が出ない範囲で上に行ったり下に行ったりと不毛な相場の動きが続くものと思う。
少なくともショート勢が期待するような短期間で利益が満足に出るレベルで下落していくというのは足元すでにショート勢はみんな同じポジション取っているはずなのに示現していないことを考えれば可能性は薄そうだと個人的には考えている。
かといってロング勢が勢いづくには既にギンギンになっているPERの高さを考えればこれも難しい。

というわけで少なくとも6月後半までは目先の株価上下やPER期待値低下による一定程度の相場下押しはあれど、皆が頭抱えて悶絶するような下落というストーリーはいくらなんでもショート勢および押し目買いたいロング勢にとって都合が良すぎるシナリオであろうと思っている。
過去載せた記事から大分マイルドな予想に変更ということになる。

<過去参考記事>

【反省】相場二番底底打ちタイミングは予想より後ずれ


そこそこ戻った株価に底値買い勢の利益確定売りが出始める


S&P500でいうとその水準は2450である。

<S&P500のチャート>
タイトルなし

そこまでは下がらないだろうと思っており、おそらく2700割るか割らないかレベルが6月末あたりに見えるといったところではないだろうか?
2700ぐらいまで戻ったあたりから早い人はショート!とツイッターでつぶやいていたのが見え始め、そこから値段が上がるにつれどんどん増えていったというイメージだ。
しかしそこから踏みあげられている人もそこそこおり、ショートしている人も細々と損切りしたり微利益で撤退したりが出るので、割れると思ったところが以外と割れないという感じになるのではないだろうか。

とにかく足元の相場は目先の値動きにつられて売買すると常に逆に持っていかれる特性が強そうだというのが個人的な感想だ。
なかなか映画マネーショートのように売りというのは綺麗に決まるものではない。 

<映画の元ネタ書籍(原題マネーショート)>

世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち (文春文庫)

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プロフィール

村越誠

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