村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

日本経済

中小型株から流動性が消え、ひふみ投信は逃げられず

細りゆく東証の出来高

足元の相場で夏枯れということも加わって、例年より出来高が大幅に少ないというのが話題になっている。


ブラックロックの決算を見てもわかる通り、世界中で個人投資家は様子見を決め込んでいて、機関投資家だけがトレードしているというのが足元の相場の出来高の現状だ。
しかもその機関投資家も夏は米中貿易戦争の見通しがはっきりしないことから無理しないでおこうということで様子見を決め込んでしまい、誰も取引していないという状況になっている。
出来高グラフを見てもそれは明らかだろう。

さて、この出来高が少ないというのは相場にどのような悪影響を与えるのだろうか?
大型株であれば出来高が通常より少ないといっても閑散に売りなしという格言がある通り、保有主体が相当ばらばらに割れていてそんな絶対にポジションを売らなければいけないということはないので、別に下がったりということはそこまでは起きない。

しかし小型株については違う。
小型株は出来高がないと一定の売りを吸収するためのクッションがなくなるため、出来高がない=死を意味している。
売りたくても売れないというのは相場では一番致命傷を浴びることにある。
さて、個人的にずっと批判的に言っているひふみ投信だがまだポートフォリオの半分近くは中小型株で占められている。
ざっくりいうと3500億円ぐらいの中小型株を保有していることになる。
さて中小型株マーケットとはどのぐらいの規模あるのだろうか?
JPX日経中小型株指数の時価総額は5.7兆円、ジャスダックは8兆円、マザーズ指数は2兆円ほどの市場規模だ。浮動株比率も気にしなければいけないところだが、ひふみの規模からするとJPX日経中小型株指数で採用されている基準銘柄が妥当かなと思われる。

多少甘目に見積もっても中小型株市場の規模は10兆円ないぐらいだろう。
ここから実際に浮動している株というのはもっと少なくなる。
そのうち3500億円をひふみが保有している。
市場全体からしても3.5%、浮動株に対してはもっと占有率が高い。
ひふみに資金流入していればまだ自分で相場を買い支えていくということが可能だろうが、ひふみはかつての純資産の増加スピードを見ると元々のひふみ投信本体よりひふみプラスの方が純資産が多くなっており、ネット証券からのファストマネーが中心であったことが読み取れる。

ここまでひふみはパフォーマンスが良いという理由でネット証券経由で大量に資金を集めてきた。
そういった意味ではひふみ投信へ投資してきた人達は従来の投資知識ゼロの高齢者ではなく、少なくとも一定程度の投資知識をもったそこそこ幅広い層のお客が投資資金を拠出してきたことがうかがえる。
ここにきて資金図体がでかくなりすぎてパフォーマンスが物理的に上げにくくなっていることに加えて、実際にひふみのパフォーマンスはここもとぱっとしないことがばれつつある。
やっかいなことにお客がなまじ投資知識を保有していることから、パフォーマンスが上がらないので追加投資はやめよう、あるいは投資資金を引き上げようとしている動きが出ているせいもあり、もう純資産の増加がみられていない。

さて、そんな中市場の3-4%も株を保有しているいつ資金が抜かれてもおかしくない投資信託が存在することがわかっているなら、その投信が保有する株をわざわざ高値で買いたいと思うだろうか?
藤野氏のフェイスブックを見ているとどうやら外国株にポートフォリオを散らすため外国地域に拠点を作ることを画策しているようだが、これはひふみが日本中小型株を売ろうと思っていることを吐露しているわけで、そんな売ろうと思っているプレイヤーがいることがわかっていてわざわざ助け船を出すお人よしが市場にいるだろうか?
そういった意味では日本中小型株のPERは、いやそのレベルなくないかっていう水準に売られる、あるいは頭が重い状態が続くのではなかろうか。
ひふみは自らの自重にパフォーマンスが引きずられる状態が続きそうだ。

ちなみに外国株実績そんなないのに、自社シードマネーを使わずにいきなりぶっつけ本番でひふみ投信に銘柄組み入れようというのも、顧客マネーを実験台にしていると見られてもおかしくない行為であり、個人的にはあまり好ましいとは思えない行動だ。 

安川電機の決算Q&A集から見るグローバル経済の現状


安川電機が決算説明でのQ&Aを公開したので、こちらの中身を確認。

・中国は4Qがボトムで資金繰りがみんな苦しい状態だった。
そこから資金繰りが改善し、投資が戻ってきたことで1Qから回復してきた。
しかし2Q以降の視界はやはり不透明。

・欧米の4-5月の減速は4Qの中国減速の影響が時期ずれで生じてきているとのことのようだ。
個人的な見方だが足元で欧州のPMIが他よりも突出して悪いのは中国が悪化した分の期ずれと米中貿易戦争による心理的悪化が同時に重なったからではないかと考えている。

・米国の半導体が特に戻っていないと書いてあるのはほぼインテルのことを指しているのだろう。
未だインテルは厳しい状況にあるようだ。

・5月までは中国の状況は明るかったが、米中通商交渉の破断に伴い一気に顧客の意思決定が後ろ倒しになっている。
投資意欲がなくなったわけではないが、きっかけ待ちといった微妙な状況。

・半導体関連はまだ在庫調整している最中とのこと。

 ・顧客の生産機能を中国から他地域に移す動きはまださほどない 
安川電機ではインドやベトナムへ生産移管するための生産設備を発注する具体的な案件はまだ出ておらず、中国国内で自動化投資を進めるというのが本丸ではないかという話だ。
そう考えると、インド・ベトナムが黄金期を迎えるのはまだ早いというような気がする。

全体として確かに1-3月は中国が金融引き締めをやめたし、シャドーバンクに対する締め付けも急旋回してやめたことから資金繰りが改善して回復傾向で推移したことは間違いなかったようだ。

しかしその後の米中通商交渉の決裂で一気に視界不良になったことは間違いなく、特に半導体関連はまだ在庫調整が終わる目途が立っていないという雰囲気がする。
また中国から他国への生産移管もメディアで騒がれているほどは実情はまだ大したことないレベルではないかというところが真実なのかもしれない。


住宅取得のために消費の選別性が高まる

若くて持ち家、借金膨らむ 20~30代の残高最高に

これは日本だけでなく、ほぼ世界共通の現象のように思われる。

通常あらゆる製品というのは技術革新によって今までより生産が低コストになるので安価に提供されるようになるというのが常であった。
しかし不動産だけはそうした技術革新とは無縁で、虚業的に価格が上下していく。
また賃金インフレ率やひと昔前は普通に存在した金利の効果で不動産価格が将来の給料込みで考えて年収の一桁後半レベル台の価格が定着するというのもあまりなかった。

しかし昨今の大幅な金利引き下げと世界的な賃金の伸び低下(大半はグローバル化による安い労働力への製造拠点変更とIT化)によって家計に占める不動産取得の比率は以前に比べ大幅に高まったと言わざるを得ない。
そして不動産を取得するためには従来より高い頭金が必要になることと、高負担な借り入れ元本を負担する必要性が生じている。

そうなると他の消費を節約するしか手はないだろう。
ではどこから支出が削られるのかを考えると、相場を考える上ではかなり面白いかもしれない。
特に不要不急のアイテムや古めかしい娯楽、旧来の価値観に縛られているものは消費されることがなくなるだろう。

少なくともスマホで代替できるものは壊滅的に消費が落ちるのが目に見える。
雑誌類や特色のない新聞も不要かつ代替可能なのでこれもダメだろう。
タバコもそうだろう。
アルコールはビールは減るだろうが、量ではなく質を楽しむワインなどは逆に増えるかもしれない。
他にも色々考えられることは多いだろうが、発想をめぐらして家から一体何が消えるのか考えてみると面白いかもしれない。
消費が増えるには住宅価格がこれ以上上がらないというレベルと賃金の上昇の両方が起きないと難しいと思われる。 

外国人が日本株をアンダーウェイトしている背景

逃げた海外勢-日本株の保有比率、アベノミクス前まで急低下

日本株は基本的に大型銘柄は内需銘柄よりも設備投資や耐久消費財系外需景気敏感銘柄が非常に多い。
いわゆる内需でばかでかいとかいう企業はそれほど多くなく、自動車・精密・工作機械・プラント系など外需設備投資系銘柄を外人は好んで売買する。

そして足元の景気鈍化というのはブログで言及している通りトランプ政権の無茶な保護主義貿易政策から個人消費からではなく設備投資から減速している。
そうなれば設備投資銘柄から内需系や公益系といった銘柄にシフトすることは合理的な話で、そういった銘柄で日本株の中で多額のお金をつっこめるほど大きな銘柄というのはあまりなく、だったら日本株はアンダーウェイトしておこうと考える外国人が多いのではなかろうか?
というわけで現在のマクロ投資環境自体が日本株にアゲインストなので日本株がアンダーウェイトされているという背景が非常に大きい。 

日本株の中にも成長力のある内需系とかあれば別だが、自動車・設備投資系銘柄が多いことは足元のマクロ経済構造を考えればウェイトを落とすことは自然なことだと思われる。

TATERUの処分の遅さに見る国交省の怠慢と地位の低さ

TATERU株、一時22%安 業務停止命令方針受け

すごく今更感があるが、投資用不動産であらゆる不正が暴かれたTATERUの営業停止処分が国交省から公表された。

かぼちゃの馬車シェアハウス事件からスルガ銀行に飛び火し、最終的には投資用不動産業界全体へとただこうした不動産会社の不正をきちんとただすことができていないのが現在の国交省の大きな問題で、これが2014年以降の不動産投資ブームであらゆる投資用不動産物件業者が不正を働いて儲けてきた背景にある。

金融であれば金融庁がスルガ銀行に対して実質的に厳しい罰をくだして、一罰百戒となっているが、投資用不動産業界で不正がばれてもここまでどこも一罰百戒的なことを国交省はしてこなかった。国交省自体が省庁の中でははっきりいうと地位が低く、例えば財務省では残業代が出るけど国交省では出ないぐらいの格差があったりする。
だから国交省自体も官僚の能力は低く、なにかやろうにも動ける能力が低い。
(国交省の取り締まり能力の低さは下記書籍参考)


やってはいけない不動産投資 (朝日新書)

だから不動産業者も不正をやったもん勝ちで濡れ手に粟で稼ぎまくった。
預金の改ざん・脅し営業・家賃や経費のごまかし・空室率の改ざん・建築における不正までもう不正のオンパレードといってもいいレベルで悪行を行っている。
しかし国交省から処分を食らう不動産会社なんて片手で数えるほどしかおらず、悪行を行うインセンティブが一向になくならないし、いざとなったらとんずらした挙句新しい不動産会社を立ててごまかしたりする。

こうした中、さすがに上場一部の会社がそこらへんの悪徳ブローカーみたいな不正を働きまくってなんのペナルティーも受けないのはさすがに放置しすぎということで国交省はTATERUの営業停止処分をいまさらながら決めたということだろう。
今後も不動産投資ブームがくるたびに国交省の怠慢は垣間見れることだろう。 
記事検索
Amazonギフト券6000円がもらえるFX口座キャンペーンやってます。 FX口座開設キャンペーンのお知らせ



アクセスカウンター
  • 累計:

プロフィール

村越誠

投資に関して気づいたことのメモをしていく。 ご連絡の取りたい方は、makoto.muragoe★gmail.comまで(★を@に変換してください)
ツイッターで更新情報配信