村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

日本個別銘柄

ソフトバンクの円建て社債に投資する個人はどれだけ損をしているのか

ソフトバンクG、社債5000億円発行へ
ソフトバンク(親)が、過去発行した社債が償還時期を迎えるということもあり、新規で5000億円個人向け円建て社債を出すという話が出ている。

募集利率レンジは1.3-1.9%だそうだ。さて個人投資家がどれだけ損をしているか計算してみたいと思う。現在ソフトバンクのドル建て社債2025年4月満期社債の最終利回りは5.46%程度だ。
ただし、これはドル建てなので、じゃあこれを日本円にヘッジしたときにどれだけ利回りが残るか計算しなければいけない。

足元で3ヵ月ドルLiborは2.59%、3ヶ月ベーシスコストは0.18%だ。円Liborはとりあえず0で仮置きして、大体為替ヘッジコストは2.73%ぐらいだ。
5.46%-2.73%=2.7%とソフトバンクのドル建て社債を円ヘッジすると足元で2.7%残る計算になる。もちろん、今後景気が回復すれば米金利の上昇と為替ヘッジコストの増加というリスクを抱えることになるが、機関投資家は円ベースで2.7%の利回りが取れる中、個人投資家は1.3-1.9%しかもらえない。

1.9%なら、まあ今後の為替ヘッジコスト増加リスクを考えればフェアっぽい感じもするが、1.3%だとさすがに馬鹿にしすぎじゃないかとも思える。
つまり個人投資家はもし1.3%で決まれば、他の機関投資家が保有するユーロ建てやドル建て社債のファンディングの肥やしになっていることを意味する。多分今回の募集は償還予定の個人向け社債を保有している個人にアプローチをかけてロールさせる方向性でマーケティングしていると思うが、今回は前回と違い、ソフトバンクモバイルのキャッシュフローが以前より低いということを前提にいくらの利率が適正なのか個人にはぜひとも判断してほしいと思う。 

シクリカル業種の企業なのに在庫コントロールできないところは避けるべき

ルネサス社長「減産、慣れてなかった」
こんなこという企業は論外。
特に半導体のようなシクリカル性の高い業種の企業ほど、業界全体がダウンサイクルに入った時、いかに素早く防御態勢を取れるかが、ムダ金を使わずに企業競争力を保てるかという一番重要な項目が疎かになっている。
それなのに減産に慣れていなかったとかいう言い訳をするのは、それが真実だとしても言っちゃだめだし、それはこの企業の脆弱性を表している。

おそらく現場からトップに実際の情報が伝わるまで時間がかかっているのだと思う。
それだけ現場とトップの間の意思疎通がうまくいっておらず、今のトップではそれは変えることができないことを意味している。

別にこれはルネサスだけでなく、他のシクリカル銘柄にも通じる話なので、こういった在庫管理は大丈夫な企業なのかどうかというのを投資する際には考えたい。

こういう在庫管理について非常に強いのは日本電産で、ルネサスに比べて在庫を落とすまでに数か月も早く行っており、きちんと資産の減損も傷が浅いうちに行っている。
こういった地道な管理の差は積み重ねていくうちに企業競争力に大きく影響が出る。
 

格安スマホ減速で、NTTドコモ株やKDDI株への投資リスクは減少

格安スマホ、急減速
従来キャリアと格安スマホの料金設定が3割も4割も離れていれば、格安スマホに顧客が流れるのは必然の流れだった。
しかし、総務省の意向を組んだ従来キャリアが大幅な値下げに言及してきたことから、値下げしてくると通信料金がせいぜい1-2割しか変わらないという水準になる可能性がでてきた。

手続きに不慣れだったり、サポート体制が不安と思う客にとって3-4割安なら切り替えてもいいかと思う客でも、せいぜい1-2割しか変わらないなら安心料としてまあ従来キャリアのままでもいいかと思う客が大半になると思う。

既にその流れが出ているなら、NTTドコモ株やKDDI株に現時点で投資することには大きなリスクはないと思う。
既に値下げすること自体も株価に織り込まれているだろうし。
ただし、子ソフトバンクだけは時価総額がでたらめなので触るべきではないだろう。
 

ソフトバンクのビジョンファンドの運営に不満が高まり始める

ソフトバンクビジョンファンド出資のサウジなどが不満

これはもしかするとソフトバンクの決算操作方法につながる話かもしれないね。

ソフトバンクのビジョンファンドの共同出資者であるサウジアラビアとアブダビ政府系ファンドがビジョンファンドの運用方法に不満を募らせているようだ。
不満が高まっている理由としては、ソフトバンクが投資した未上場株をビジョンファンドに高い金額で移管しているという話だ。

エヌビディアのような上場している株なら常に現在いくらで売れるのか計算ができるが、未上場株は一体今いくらで売れるのかという時価がわからない。
だから決算ではフェアバリューをなんとか試算して、それを決算に反映させていく。

さて、ここで考えたいのは、ソフトバンクが保有しているある未上場株を高値で一部ビジョンファンドに移したとしよう。
すると移管した値段は実際に株を売った時につくであろう値段だから、フェアバリューを計算する際に参考とすることにできる価格だと根拠づけることができ、会計事務所に対してこの移管した価格でフェアバリューを算出しろとせまることができる。
するとソフトバンクが保有している未上場株は取得時簿価から移管した価格を参照したフェアバリューで計算することができる。

これをソフトバンクは次世代技術投資をどうしてもしたくてたまらない中東SWF系マネーを巻き込んで行っているという可能性があるということだ。
それに記事ではソフトバンクが追加出資ラウンドに参加して、高値でビジョンファンドに移管するために主導してくるとまで書いてある。
すると、そのフェアバリューをもとにして膨らんだ含み益を資産性があるということで銀行からさらに金を借りるという好循環が生まれる。
しかし、記事にあるように、やはりその手法が強引すぎるということもあって疑義が出始めているとのことだ。一歩間違えたらもめごとが大きくなりかねないが、いつまで続けられるのだろうか? 

ホンダがイギリスの工場を閉鎖する理由

ホンダ社長、英での生産終了21年中に トルコでも休止
人件費の高い地域では、基本的に自動車工場は売れるところで作るというのが原則だ。
さて、今の欧州に販売が伸びる余地のあるポテンシャルがあるのだろうかと考えると、かなり難しい。
その上、いつまでたってもBrexitの妥結点が見えてこない。
そんな苦労して低収益な工場で苦しむよりは、そのリソースを儲かる地域に割当てようというシビアな判断をホンダはしたのだと思う。
これだけ考えても欧州の未来は暗いと言わざるをえない。
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