村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

債券

債券投資家にとってはゼロ回答だったジャクソンホール講演

Treasury yields and dollar climb after Fed reveals new inflation goal

満額回答のように見えて、債券投資家にとっては実質ゼロ回答に近い。

さて昨日注目のFRB議長パウエル氏のジャクソンホール講演だったが、まず何が起こったかの前にここまでFRBが何を考えているのか、市場は何を期待していたのかというのを自分なりにまとめた下記過去記事ブログを見ていない人はぜひ読んでほしい。

<過去参考記事>

ジャクソンホールでは何も材料が出ないと想定


どこかのタイミングでFRBの超長期国債買い入れ増枠は必要ではなかろうか

今回のジャクソンホールで投資家にとって最も重要なことはこれから発生する米国超長期債の大量発行に対して何か手当をしてくれるのかということであった。
いわゆるショウミーザマネーが期待されていた。
米債を真剣に見ている人はほぼここに焦点を当てていたと思われる。

しかし内容としては
・雇用最大化を焦点として政策を決める
・インフレ2%超えまでは金融緩和を続ける
という2点しか出てこなかった。

これは手前側(3年ぐらいまでのイメージ、5年は微妙なライン)まではゼロ金利続けまっせというアンカーを強化してくれたが、じゃあ20-30年の超長期ゾーンに対する手当はどうなのというと実質ゼロ回答だったと言えよう。
もう米債超長期の大量発行は目の前にせまっているのだからショウミーザマネーを見せてもらわないと資金吸収ブラックホールは埋めきれないのに、手前アンカーを強化しただけでは債券投資家としては何の意味もない。
何回も言及したが、一応新規失業者も減少を始めている中で、住宅がモーゲージ金利の強烈な低下でバンバン売れている中で金融緩和で解決できる問題はほぼ解決しきったのだ。
なので、ここからFRBは再度なにかまずいことが起きるまでは新しい策は温存してくるものと思われる。
それに不良債権の増加で苦しむ銀行に対してイールドカーブを多少スティープ化させて援助もしたいというインセンティブもあるだろう。

そういうことを考えれば当然の帰結であり、最初の反応はアルゴかなんなのかわからないが金利低下で反応したが、結局そのあと超長期中心に金利は大幅上昇に転じる結果となり、TMFを外した時点で想定していたターゲットレンジ上限の30年1.45%という壁は破られてしまった。
(今現在は30年1.7%ぐらいまでは想定している)
これから米国債大量発行もあるわけなので、金利上昇に弱いand脆弱なものでかつ過剰に値上がってしまったものから順番にドル資金がこれから干上がっていくことが確定的になった。

<ジャクソンホールのニュース見たあとの正直な感想>

過去記事でも言及したが筆頭は貴金属と仮想通貨からまず資金が干上がるし、実際すでに干上がっている。
株もさすがにそろそろ異変に気付くような気はするが、セクターによって干上がる順番は大きく異なると思っており、バブってるIT銘柄は最後になるものと思われる。
超長期金利が上昇するので、弱いセクターの中でも金融セクターだけはしばらく逆の動きになるのでここは安易にショートをすると危険だろう。
超長期投資適格社債も少し危ない気がするが、一定程度崩れるようならここはFRBが出動して火消ししてくれる安心感はある。
ハイイールドもここからは少し警戒しておきたいと思う。

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どこかのタイミングでFRBの超長期国債買い入れ増枠は必要ではなかろうか

グラフとして見えてきたので、以前の記事とかぶるがあらためて記事化。

下のツイートのグラフを見てほしい。

記録的な米国の財政支出とそれを賄うための債券発行に対して、FRBの国債買い入れ金額についてはかなりビハインドしている状況にある。
FRBの国債買い入れが足りない分は市中から資金を取ってこなければいけない。
そうなると現在より高い金利を持って市場でオファーを出す必要性が生じると個人的には思っている。
一般的にはこれが過剰に起こるとクラウディングアウトが起こる。

<参考ページ>

クラウディングアウト - Wikipedia




少し前までは新規失業保険申請数の減少幅がかなり遅いということから、FRBの追加金融緩和、つまり実質的にFRBが国債買い入れ枠を増やすだろうという観測を基に米金利は低下を続けていた。
しかし、7月終わり頃から新規失業保険申請件数の減少が再び速まってきたことから、FRBは追加緩和はこの雇用回復ペースが維持されている間は追加金融緩和バズーカを温存するのではないかという観測が台頭しているように思われる。
住宅関連統計の絶好調もやはり金融緩和バズーカを温存したいと思わせるインセンティブの一つになっている。

<過去参考記事>

米国住宅は住宅ローン金利低下で金持ちの爆注が下支えする展開

さらに上記グラフの国債新規発行とFRB買い入れのギャップは年内いっぱい続く予定である。
なので中途半端な景気回復+FRB金融政策据え置き観測は自然と短期はともかく中長期金利上昇ドライバーとなるだろう。

これを抑制するには、やはりどこかのタイミングでFRBが実質的な国債買い入れ枠の増大をする必要性があると思われる。
YCCだと短期だけの買い入れになってしまうので、やはり超長期部分の買い入れ増枠発表が必要ではないかと個人的には考えている。
足下は米国の経常赤字がそんなに大きくないことと、インフレ率も低いことを考慮すればFRBが買い入れ枠の増大を行うことに特段大きな問題を起こすとは考えにくい。
ただし、それを早々と発表することは中銀の手詰まり感を示してしまうし、イールドカーブが一定程度の範囲でたつことは、銀行の利ザヤにプラスに影響することからFRBとしても一定程度許容をしてくるだろうと思われる。
実際にあらためてYCCについては否定的なFOMC議事録が出てきたということもあり、現時点では金融緩和玉温存姿勢になっている。

<参考ニュース>
TREASURIES-Yields rise after Fed disappoints on yield curve control

しかし、問題はそのFRBが対策として動くまでにはタイムラグが生じる可能性は相当程度高いだろう。
これが瞬間風速で米超長期金利を押し上げる効果を生む可能性について個人的に注目している。
昨日も米債20年債がどすべりしたということもあり、これが金利上昇反転材料になった。
今の利回りかつFRBのビハインド状態だと、大規模発行吸収は厳しいということがあらためて浮き彫りになっている。

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まだ居所がつかめない米債超長期金利と相場への影響

US Treasury forced to pay up to fund record stimulus

大量供給とそれに対するFRBの購入が足りないのが重し。
 
先週の木曜日から雰囲気が変わった新規失業保険申請件数だったが、昨日発表された新規失業保険申請件数についても市場予想よりも良好な結果となった。
予想はまだ110万件ぐらいでるという予想だったが、季節調整でも100万件割っていて、季節調整なしの腹数値は80万件台となっている。
しかも夏の間は季節調整ファクターが負の方向に大きく出るので、季節調整なしの絶対数値を見るとより回復度合いは際立って見えるように思える。

<過去参考記事>
米新規失業保険申請、パンデミック以降初めて100万件を下回る

とにかく市場予想が現在実経済データに対して認識がビハインドしていることは間違いない。
個人的には市場予想と実際の新規失業保険申請件数のズレが修正されるまでは金利上昇が続く可能性が高いと見ている。
少なくとも債券投資家なんていうのは万年経済に対して悲観的な態度を取っているので、場合によっては市場予想よりもさらに悲観的な数値を見ていたりすることも多々あるような人種である。
(という自分もつい最近までは負の方向にすべると思っていた。)
しかも米債10年金利の水準からすると実質金利が-1%台ということで史上最低数値というところにも疑問が出てくるだろう。
米債30年債のターゲットレンジ上限は1.45%付近を考えているが、ここを超えるような事態が発生するとトルコなどドベ新興国関連資産・ジャンクボンド・ゴールド・シルバーについては米債同様にダメージが発生すると思われる。
1.45%の壁が破られると、1.55%と壁がまだ存在するが、もうここが破られたら1.75%ぐらいまでの上昇ぐらいまでは頭に入れておかなければいけない。
(1.75%までいけば全力買い参入でよいと思うけど)

<米国債30年金利のチャート>
タイトルなし

ちなみに来週木曜日に20年債入札と新規失業保険申請件数の発表があるため、そこが再び米債超長期金利にとって大きな材料になり得るだろう。

経済対策についても、場合によってはもう一回出るとそこで出尽くしとなる可能性も大いにあるだろう。
そうなるとその時点で貴金属プレーヤーが考えるようなドル刷りまくりの価値毀損が急速に進むという前提ストーリーは崩れる可能性が高いことに加えて、やはり価格の絶対値が短期で高すぎるということもあり、ゴールド・シルバーを中心にまだ調整は終わっていないと個人的には判断している。

ちなみに株については正直ここまで来るとよくわからないというコメントしか出てこない。
新規失業保険申請数からは確かに皆が予想するよりはひどい経済状態でないことはうっすらと見えている。
しかし、これが過去最高値まで株価を引き戻すことを正当化できる話なのかと言われると、未だ新規失業保険申請数がリーマンショックのレベルを超えているので、大分先までの予想を先どってしまっていることは確かなのと、やはり回復スピードを見たFRBが追加金融緩和に躊躇している雰囲気が出た時に過剰流動性に是正が生じたときにどういうレベルの調整がどういった銘柄に出てくるのかを予想できないので、株については判断を保留したい。
ただ、金利が上昇する過程で基本的に劣後するのは高配当を頼みにしている銘柄なので、それだけは憶えておけばよいと思う。

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当面の米債30年債金利想定ターゲットについての所感

今回はちょっと記事にまとまりがない自分へのメモみたいなもんです。

休日中金曜日の雇用統計後に上手い具合に外せたTMFだが、休日中に米債超長期について再びエントリーするとすればどういう戦略を立てればいいかを考えるために、当面の米債30年金利レンジを考えていた。
過去の値動きを色々見直した結果、当面の米債30年債金利のレンジを1.2~1.45%と結論づけた。

<米債30年債金利のチャート>
タイトルなし


1.2%が下限というのは先週木曜日の新規失業保険申請数と金曜日の雇用統計を見ての結論だ。
ブログでも何回か起債したが、先週のこれら統計は市場予想よりも予想外にかなり強い結果となった。
特に最新情報が入手できる新規失業保険申請数については季節調整も考えると存外に強く、上乗せ給付が切れそうだから就職活動再開させるみたいな話もあながち全くの嘘ではないなという風にも感じる。
ただ、この存外に強い雇用統計は逆にいえば、FRBがこれ以上無理やり金融緩和強化に動く必要性がないことを示唆している。
少なくとも社債ETF購入枠拡大と中期ゾーン以降のYCC議論については雲散霧消していると考えた方が良いだろう。
さらに後ろには米債増発懸念も控えており、金融緩和強化議論が薄れつつある中での増発によって金利が多少押し上げられるというリスクも考えておきたい。
特にこの下限を強める証拠として1.2%割れの動きに対してすかさず米債売りが入り、金利がレンジに戻ったことを考えると、ここから金利低下を攻めるのはかなり勇気がいると感じる。

一方で上限は逆に7月に発表されていた雇用統計が強かった割には全く逆の動きで金利が低下していたところである。
この時は雇用統計が予想より強かったはずなのにすかさず買いが入って、ご存じの通りその後金利はぐだぐだ下がる展開となったし、自分がそれを見てTLTを買ったところでもある。
少なくとも2年ぐらいは政策金利が上がらない、下手すると3年上がらないことを考えればイールドカーブがベアスティープ化するといっても少なくとも1年内でいえば限界があると思う。
一定程度高くなれば、世界中から金利を求めてさまよう機関投資家マネーが押し寄せるだろうから、これが米債イールドカーブのベアスティープ化を阻止するだろう。

推定が難しい点については2点ある。
下限についてはそこそこ自信があるが、上限についてはほんとうにそこまでいくのかあまり自信がない。
金利上昇においては30年債1.25%と1.35%に壁が存在している。
1.25%の壁は比較的薄いが、1.35%の壁はそこそこ分厚いので、この壁を破れない可能性はそこそこある。
もう一つ推定が難しいのは、じゃあ今パツパツに高くなっている株相場や貴金属相場がクラッシュした時に、本当に米債超長期が買われないかということである。
あるいは米債金利上昇が相場が調整する引き金になるのかということである。
自分は相場が崩れると同時にリスクオフ米債買いが発生したタイミングで米債ポジションの利益確定というストーリーで取り組んでいたのだが、これが起こる前に米債買いの限界がきてしまった。
この2つが米債30年金利想定レンジが外れる要因になると思っている。

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謎の米債金利上昇が見えたがTMFは引き続き保有継続

なるほど完全に理解した(理解したとは言っていない)

特に指標も発表されていないし、経済のファンダメンタルズを押し上げるようなニュースもない中でいきなり米債30年超長期債の利回りが1.18%→1.23%と上昇して何が起きてるのさと若干困惑していたところに、いつも有益情報を提供してくださっているDFさんとスースさんから情報提供があった。

<米債30年金利のチャート>
タイトルなし





米ドル建ての社債発行時期というのは大体8月夏休みでみんなやる気ないのをはさんでレイバーデイ後の9月-10月で一気に起債が行われ、11-12月にかけて年末クリスマスモードということで尻すぼみになっていくというイメージである。
個人的には今年は資金繰り確保のために4-7月でみんなばかすか起債していて8月起債はあんまりないイメージを持っていたのだが、どうやら決算終わった企業からまだ起債観測が出ているということだろう。
ここのレートロックが一通り終わったところと週末利益確定売りが重なって米債超長期金利がはねたということだろう。

ただ、個人的にはこの跳ねは長続きしないと思っている。
米債市場というのは取引のほとんどが法人投資家で占められているということもあり、小型株のような理由がない・意味不明・頭おかしいんじゃないのみたいな値動きというのは普通は起きない。
動く時は必ず理由があり、法人投資家の余剰資金動向の背景がある。
特に米債市場は世界最大の資産カテゴリなので、そんなのが意味不明なまま動意づくというのは一切ない。

今回の金利上昇はあくまで短期トレーダーの理屈である。
余剰資金を抱えて中長期でポジションを抱える法人投資家の事情は大きく違う。
多くの国債金利がマイナスに水没する中、イールドカーブが立っている米国超長期債というのは法人投資家の国債投資最後の砦である。
現在日本国債30年金利が0.533%、米国債30年金利が1.2%である。
足下でタームによるが、FRBの流動性ジャブジャブ供給のおかげで大体3ヵ月の円ドル為替ヘッジコストが0.5%ぐらいである。
足下の経済環境を考えると円金利がどかーんと跳ねる確率は相当低いと考えている。
そうなると足元で日本の法人投資家は金利の変動を無視すれば、日本国債30年0.533%に投資するより、米国債30年1.2%に投資をして為替ヘッジすることによって0.7%を金利を取りに行く方がお得なのである。
米国債30年が1.1%になると大分日本国債と投資妙味が変わらなくなることから国債投資家がどうすべきかと悩んでくるところだと思っている。
今回金利が跳ねた理由がわかれば、金利環境のファンダメンタルズは不変であることがわかり、とりあえずはほっとしている。

加えて株価がかなり高値警戒感が強く、米国の経済V字回復ストーリーが既に荒唐無稽となる中で株価が崩れれば米国債金利が低下することは明白である。
これが現在自分が米国債30年が1.1%に達する可能性が高いという基本シナリオである。

なのでこのようなトレーダー事情の売りによる金利上昇は時間がたつと後ろから余剰資金を抱えた法人投資家が利回りを求めて殺到することから、時間が経てば一周回ってリスクフリー金利の需要の高さというのを見せる方向になると思う。

そういったこともあり、昨日は若干心臓に悪い動きをしたものの、米国超長期債3倍レバレッジがかかっているTMFについては保有継続で問題ないと思う。

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プロフィール

村越誠

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