村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

外国銘柄

アリババはソフトバンクのくびきから解放されるのか

ソフバンクG、アリババ創業者マー氏去るーカリスマ役員また退任

ソフトバンクのくびきから解放されるか。

ソフトバンクの社外取締役のリストにはアリババ創業者ジャックマー氏がいたのだが、これをやめるとのことである。
これは実質的にアリババのソフトバンクからの影響力排除を意味していると思われる。

アリババはここまでソフトバンクに株という人質を取られている状況であった。
しかしソフトバンクはこのアリババ株を担保にして巨大PEファンドに業態を転換してきたが、コロナウイルスによってこの戦略が実質的に破綻した。
そのため、ソフトバンクはアリババ株を適切な範囲で売っていき、敗戦処理用資金を作る必要性が生じた。
そしてそれを行うにはアリババの適切なタイミングでの自社株買いは避けて通れない。
通常ソフトバンクはここまで子会社通信会社やヤフージャパンをまるで自分の財布のように扱って様々な財テクを駆使して資金を親会社ソフトバンクに拠出させてきた。
しかしアリババはあまりにもソフトバンクの総資産に占める割合がでかすぎるので子会社通信会社やヤフージャパンのような扱い方をすると下手するとへそを曲げて自社株買いをしないという選択肢を取られる可能性があり、そうなるとソフトバンクは計画している敗戦処理資金が足りなくなり、追加のアリババ株売却さえ必要になる可能性がある。

<ソフトバンクの敗戦処理資金の捻出>
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<ソフトバンクの資産内容>
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そうなればアリババはソフトバンクが依頼する自社株買いに応じる代わりに、今後好きなようにさせてもらうという約束を裏でしている可能性が高い。
そうじゃなければ大株主であるソフトバンクの社外取締役をジャックマーが蹴るという行為は普通に考えれば大株主の逆鱗にふれるような行為であるのでできないはずである。
Tモバイル株を売却してもまだ足りないように思えるし、armはおそらく表示されているほど足元は価値がないように思える。
ソフトバンクテレコムの株を売ると安定的なキャッシュフローがなくなってしまうので売ることはできず、やはりアリババ株をデリバティブを駆使しながら敗戦処理に見合う分だけ売るしか選択肢はない。
一般的にアリババ株がここもと微妙なのは一部ソフトバンクディスカウント(ソフトバンクに良いように財布にされるリスク)が働いている分があるのだが、ここから解放されるならば時間調整も十分に効いてきたことを考えれば値動きは以前よりも良くなっていくのではないかろうか?
まあそこまでアリババ株に詳しくないから知らんけど。 

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ズームの株価はセキュリティ問題で半値コースのような雰囲気

米NY市、学校に「ズーム」の使用中止を指示 安全性に懸念



ユーザー急増の「ズーム」、安全性の不備を謝罪 解決に集中と

なんで一番大事なところでクリティカルヒットしてるんだ。

昨今の自宅勤務市場拡大の中で、Web会議システムを提供しているズームは一早くその流れに乗り、一気に顧客を獲得していた。
そのおかげもあり、グローバルな株価下落の中でも一際輝く株価動向をしていた。
ところがこのズームにおいてセキュリティ上重大な欠陥が発覚している。

・一部データを勝手に中国に送信している
・iPhoneの連絡先をユーザーに勝手に送信
・ズームを使用したスマホの情報をFacebookに引き渡している
・パソコンのセキュリティ設定を勝手に書き換えるといったマルウェアと似たような動作をしている
・エンドツーエンド暗号化という売りが大嘘

残念ながらこれはもはやうっかりとかいうレベルではなく、普通に経営陣が意図してやっているものというレベルのものである。
特に通信系において最も稼ぎ頭となる法人向けというのは、なににおいてもセキュリティというのは最重要選定項目になるし、これをミスって情報漏洩すればその企業のIT担当役員などはクビがぶっ飛ぶような事件になりかねない。
このセキュリティが全くといっていいほど疎かになっている時点で当面 法人向けの顧客なんて獲得できるわけない。
いや、足元の契約さえ切られる可能性がある。

しかもこうしたWeb会議システムを提供しているのはズームだけではなく、後ろからマイクロソフトがサービス提供しているTeamsやグーグルも追いかけてきている。
Zoomがセキュリティ問題でまごついている間に一気にシェアを獲得する動きはかなり予想しやすいだろう。

こうした要因を考えれば今回のセキュリティ問題というのは控えめに言っても事業の先行きにクリティカルヒットするレベルの事件であることは間違いない。
さて、そうなると現在の株価バリュエーションは既に何年も先の顧客からのキャッシュフローをあてにしたバリュエーションになっているわけで、ところがその期待したシェアが取れない可能性が高くなったとわかった現在今の株価の正当性はどれぐらいあるのだろうか?
個人的にはこれはいわゆる半値コースでIPOレベルの価格まで下がる確率はかなり高いと思っている。
特にひふみ投信などそのコロナウイルス騒ぎのドタバタの中なんとか現金ねん出してきてエントリーしている機関投資家がいるのを見る限り、バタバタ出来高を伴って買われてきた上昇分は全否定される可能性は高いと思う。

<ズーム株のチャート>
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なぜボーイングはクレジットラインを確保できるのか

ボーイング、追加借入を検討 MAX関連費用が財務を圧迫

多少揺れますが安定運航には問題はありません(棒)

737MAX問題で民間機出荷のかなりの割合を占めていた737MAXが出荷できない状態が続いているということもあり、ボーイングの利益も財務も悪化傾向で進んでしまっている。
しかし、ボーイングの株価を見るとド派手に下がっているかというと、まあこんなもんか程度しか下がっていない。

<ボーイングの株価チャート>
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それはなぜなのかと言えば、ボーイングは米国の国防上最重要企業であるからだ。
歴史的には第二次世界大戦中にBシリーズの爆撃機を生産し、その後も米国戦闘機や宇宙開発を担う重要な役割を担ってきた。
経営が苦しくなった同じ民間・軍用問わず航空機を生産していたマクドネルダグラスも1997年に実質救済買収を行い、本社もシアトルからワシントンDCに近いシカゴへ移転するなど、米国政府にとっての重要性は年を重ねるごとに増していった。
ボーイングは軍用部門の売上が4割もあり、利益も同様程度あることからも米軍がボーイングにとってお得意様と見て取れる。

では仮にボーイングが破産してしまったらどうなるだろうか?
まず考えられるのは流出してはいけない軍事転用知識を持つ人材の国外流出だ。
破産すればボーイングは債権者集会で厳しいリストラを迫られることは間違いなく、そうなれば多くの軍用知識を持つ人材は無職になるだろう。
そうなると特に中国はのどから手が出るほど欲しいのは間違いなく、一方で食うに困った米国人は何が何でもそれに飛びつくことはほぼ間違いない。
それすなわち自動的に航空関連軍用知識が中国に流出することになり、米国は厳しい立場に陥ることは火を見るより明らかだ。
それにボーイングは一社単独で航空機を製造しているわけではなく、多くのサプライヤーを抱えているが、困ったサプライヤーは別の商売相手を探して技術供与を行う可能性が高い。
それが同様に新興勢力の勃興を招く可能性があり、これも軍事的にはまずい事態になる。

以上を考えるといくらボーイングの財務が悪くなろうが、米銀は政府の要請の下ボーイングの財務を支えるしか選択肢はなく、超法規的な扱いを受ける事態になるだろう。
最悪どこかの軍需企業とくっつけて救済合併させるぐらいのごり押し再生まで考えられる。
つまり737MAX問題解決するまでの資金繰りは十分につなげられると投資家は地震をもっている。
そう考えれば慌ててボーイング株売る必要性なんてそこまでないよねというのが株価チャートを見る限り投資家の本音のように思える。
 

アップルはまだ完全なコンシューマーセクターになっていないのに織り込みすぎ

アップル10-12月期、iPhone販売回復で堅調 新型肺炎の影響懸念

電機セクターとコンシューマーセクターの間。

<過去参考記事>

アップルのPERは15倍が正しいのか25倍が正しいのか


アップルの決算がiPhoneの販売好調とサービス売上高の成長で前年比9%増収増益ということで盛り上がっている。
一通り決算カンファレンスも聞いたが、まあ咎めるところもあんまりない決算ですなと聞いてて思った次第。
じゃあ株価はすんなり上がるかというと、かなりアップポテンシャルが乏しいレベルにまで到達した感じが足元では出始めてきている。
以前に記事でアップルはサービス売上高の増加に伴い、投資家からの評価が電機セクターからコンシューマーセクターに変わる途上におり、その過程がPERを押し上げていると説明した。
実際にアップルは去年ぐらいからこれでもかと様々なサービスを立ち上げてきているのが何よりの証拠だろう。
アップルの株価バリュエーションはすでにコンシューマーセクターレベルのPERである25倍に到達してしまった。

<アップルの株価チャート>
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一方で伸びているとはいえ、サービスからの売上高は12.7bilUSDであり1Qでいうと全体の13%、iPhoneがあまり売れない4-6月期を考えても20%ちょいぐらいであり、未だ売上の6割はiPhoneに依存している状態であり、スマートフォン市場が成熟していることを考えれば前年比9%増の売上高をいつまでも続けられるとは少し考えづらい。
以前にアップルについて評価したときは配当金の4.5倍の自社株買いをぶつけてくれると評価し、配当利回りと自社株買いを足すと9%の利回りがあると書いたが、株価が高騰したせいもありこの還元利回りは5.5%まで下がっている(配当1%+自社株買い4.5%)
つまりiPhoneの販売のぶれを一定程度加味して年間増益率5%と仮定し、そこに自己株買いが4.5%加わってEPSが9.5%の上昇が期待できる銘柄となっている。

コンシューマーセクターで許容されているPERが25倍だが、アップルは自社株買いパワーが普通の企業より大きいため、それを加味するとアップルが完全なコンシューマーセクターという認識をされるなら25+1.5-2%ぐらいなされてもいいかなという気がする。
しかし実質的にはそこが限界だと思う。
現在のPERはすでに25倍に到達したことは前述したとおりだ。
しかもまだサービスが占める売上高の割合は15%ぐらいしかない。
そうなればPERの押上分だけで上昇できる余地というのはあとわずか程度しかなく、そこから先は自力EPSの拡大が必要になることも想像しやすいと思う。
もちろん中長期投資という形で安いところから持っている人は高い還元率を背景にホールドを続けることは非常に合理的な判断だと思うが、ここから焦って全力エントリーというのは非常に馬鹿げた判断ではなかろうかと個人的には思っている。
 

アマゾンの株価が大手米国IT企業の中で劣後し始めている背景

クラウド市場で急伸のマイクロソフト、アマゾンを撃破へ


噂には聞いていたが、おそらくアマゾン株が足元ぱっとしない原因はこれだろう。

足元でGAFAととかFAANGとかいわゆるITプラットフォーマー株として絶大な力を誇る米国トップIT企業達だが、足元でアマゾンの株価が実はぱっとしない状態が数ヵ月続いている。
特に2019年8月以降はGAFAの中で一番株価に元気がない。

<アマゾンの株価チャート>
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なんでだろうなあと考えてもしばらくは思いつかなかったが、年末付近らへんから風の噂でアマゾンについて良くない噂が出始めた。
その時点ではまだ真偽が確認できていなかったが、上記フォーブスの記事まで出たのだから、ほぼこれが株価が伸び悩んでいる原因だというのが確定できた。
つまるところAWSについて絶大な競争力がマイクロソフトのAzureに脅かされ始めているということだ。
これは上記フォーブスの記事だけでなく、以前に米国防衛相のクラウド案件の入札をマイクロソフトが受注し、アマゾンが受注をミスったということからも今から振り返るとなるほどと思える象徴的な事件だったのだと思う。

マイクロソフト米国防総省のクラウド契約を獲得

というより、今記事書きながら気づいたが、この防衛省の受注ミスったあたりから株価が伸び悩み始めているのではなかろうかとも思えるような動きだ。
マイクロソフトの株価と比べてもその差は歴然だ。

<マイクロソフトの株価チャート>
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また、シェア3位にいるグーグルもこのままでは万年3位に甘んじてたまるかと、一部ニュースではセールスフォース買収するのではないかという噂まで流れてきている。

Google May Buy Salesforce To Help Bolster Its Cloud Business

このようにクラウドビジネスの競争激化が見え始めており、従来よりアマゾンの地位は絶対ではないということが市場に浸透し始めてきているように思われる。

またもう一つ株価が低迷している要因としては中国ビジネスが取れていないこともあるだろう。
大手米国IT企業のうち、アップルとマイクロソフトは中国の需要拡大の恩恵を全面的に受けている。
一方でフェイスブック、グーグル、アマゾンは残念ながら中国政府の規制によって恩恵を受けられない状態となっている。
ただし、フェイスブックとグーグルはPERが20-30倍程度とアマゾンと比べると十分割安であるということから、なら買えるじゃんということで買い向かっているように見える。
一方でアマゾンのPERは83倍ということで、絶対王者ではない株に83倍つけてていいんだっけという疑念が投資家の間で出始めているということがやはり株価伸び悩み要因になっているように思える。

もちろん、いえいえベゾス様を信じていますというベゾス教に入信しているならば話は別だが、株式時価総額規模を考えたら純粋に妥当なバリュエーションついているマイクロソフト、アップル、FB、グーグルの方が株価的には妙味に軍配があるようなないような(あやふや)

 
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村越誠

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