村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

外国銘柄

統計学的にはマイクロソフトの株価は調整局面に入るはずだが

統計的に見ればそうだというだけの話ですが。

個人的にもナスダックロングしているということもあり、マイクロソフトの株が上昇していくというのは素直に嬉しいことである。
しかし株価はずーっと上がっていくというわけはなく、どんなに上昇する株価も山あり谷ありを繰り返しながら上昇する。
そう考えるとマイクロソフトの株価の位置は今どれだけ高いのかを改めて知っておくべきかなと感じた。

移動平均線からどれだけ高い位置にマイクロソフトがいるか計ってみようと思う。
そのためにはマイクロソフトの株価というのは歴史的にはどういう範囲で動くのかの観察が必要と感じた。
2005年1月から2020年6月19日までに株価データを使って考えてみたいと思う。
今回も手で計算するのは死ぬほどめんどいのでPythonを使って計算を行ってみた。

まずこの期間のマイクロソフトの株価ボラティリティは
1年ボラティリティ・・・27.2%
3年ボラティリティ・・・47.1%
である。

次に株価÷1年移動平均線と株価÷3年移動平均線を計算し、移動平均線との乖離率を計算。
そしてその乖離率を上記の1年ボラ、3年ボラで割り、統計学的にどういう分布になるのかを計算した。

<1年バージョン>
タイトルなし

(株価÷1年移動平均線-1)÷1年ボラのデータ日数をカウントすると上記のようになる。
ほとんどの株価は1年移動平均線から-0.5σ~1σの範囲に入ることがわかると思う。
大きなボリュームゾーンは-0.25σ~0.8σあたりなので、この範囲に入っていれば少なくとも割高ではないという判断ができるだろう。
一方で1σ以上はごくわずかの日数しか存在していない。
つまり1年移動平均線から1σ以上離れている場合は株価が維持できるパワーはごく短命であることがわかる。

では3年はどうか?

<3年Ver>
タイトルなし

ボリュームゾーンは0σから0.8σだが、クラウドバブル以降は1σ~1.35σにボリュームゾーンがスライドしているように思う。
しかしいくらグロース株といっても1.4σ以上の株価位置は短命であることがわかるだろう。

ではこれを踏まえて今の株価位置はどの位置か?

<1年移動平均線との乖離率>
タイトルなし

<3年移動平均線との乖離率>
タイトルなし

1年移動平均線との乖離率が26%でほぼ1σ、3年移動平均線も65.8%の乖離率で1.4σである。
小型株ならいざ知れず、マイクロソフトみたいな超大型株が統計値から外れて上昇するときというのはバブルの時であるが、それはまさに皆が今好景気だと信じているときにしか発生せず、少なくとも不況時なのに株がこんなに上がるのはおかしいと感じる金融緩和押し上げ相場時でこの統計値のくびきを突破するのはさすがに非現実的なように思える。

もちろん暴落するなんて極端なことを言うつもりはなく、少なくとも適正水準価格ではなく調整はいつ起こってもおかしくない位置であり、ここで倍プッシュ買い増しみたいな局面でないことだけは確かだと感じているだけだ。
だから中長期投資でずっと低い株価位置で株買っていますみたいな人は特段慌てて何かをする必要性はそこまで感じないが、慌てた後乗りロビンフッダーみたいなやり方しちゃった人は自分の許容最大ドローダウンを気にしながら今後どうするか考えた方がよいと思う。

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チェサピークエナジーの輝かしい歴史と没落まで

チェサピークエナジー、米連邦破産法11条の適用申請を準備

最後の最後までのたうち回ったなあという印象。

この企業についてはまさにシェールガスブームと同時に台頭し、そして2014-2016年の石油バブル崩壊で没落の中心地として注目を浴びたS&P500指数に組み込まれている企業の一つであった。
前々からもうゴーイングコンサーン継続は無理でしょと言われていたのだが、とうとうチャプター11申請準備をしていると報道され始めている。
その輝かしい歴史と2014年以降の急転直下のような転落の歴史については下記FTの記事がまとめてくれている。

<参考ニュース>
Chesapeake Energy: rise and fall of a US shale star

前カリスマCEOであったオードリーマクレンドンが1980年から率いていたチェサピークエナジーはまさにシェールガスの先駆者であり、シェールガスビジネスを商業ベースに乗せてきたフロントランナーであった。
そしてカリスマCEOはその成功からまさに巨万の富を得て、オクラホマシティのNBAチームを買い、多額の寄付をし、そして1億ドル報酬パッケージを得た。
そして2008年らへんから資源バブルに乗じて多数のパイプライン会社と長期契約を結び、多額のオイルフィールドに投資を行い、有利子負債の積み上げによって限界まで企業成長を求めた。

しかし状況が急転直下したのは2014年末ぐらいだっただろうか。
中国の資源消費成長ペースが鈍化する中で米国のシェールガス産出量が大幅に増加してきたことにより、市場には原油が余るようになってきた。
当時はチェサピークエナジーの成功を見た多数の石油ガス業者が多額の借入を行い、このシェールガスブームに乗っからんと投資をしまくった。
2014年9月らへんはまだじわじわとした下落だったのだが、ここで火ぶたをきったのが当時もサウジアラビアだった。
あの時も確かビンサルマン氏の発言が原因だったように憶えているが、減産はしないと発言したことから原油価格ボラティリティは一気に上昇し、100ドルから40ドルまであっという間につるべ落としを食らい、まったくチェサピークエナジーの採算にのらないベースの価格となってしまった。
さらにカリスマCEOであるマクレンドン氏は2013年にDOJから2007-2012年のオイルフィールド獲得について独占禁止法について違反しているのではないかと調査を受け、これが原因で辞任している。
こうしてチェサピークエナジー株は暴落し、2016年に原油価格が20ドルと誰もが絶叫するような値段を付けたところで、車で壁に突っ込んで事故死(一般的には自殺と判断されている)した。

<参考ニュース>
Police: McClendon crashed traveling at 'high rate of speed'

皮肉にもマクレンドン氏が亡くなった直後に原油価格はボトムをつけ、その後60ドルまで回復した。
しかしその後もこのブログでも色々記事にしている通り、コロナウイルスによる需要減退とサウジアラビアの暴走で原油は再び暴落し、未だ40ドル近辺と大半のシェールガス企業にとっては苦痛以外の何物でもない価格に再び下落し、最後までのたうち回ったチェサピークエナジーはチャプター11の申請とともに、その輝かしい企業拡大について幕を閉じようとしている。
(民事再生なので、また時が経てば復活してくるかもしれないけどね)
それと同時に米国のシェールガスブーム終焉というのを象徴する事案だと個人的には思う。

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アリババはソフトバンクのくびきから解放されるのか

ソフバンクG、アリババ創業者マー氏去るーカリスマ役員また退任

ソフトバンクのくびきから解放されるか。

ソフトバンクの社外取締役のリストにはアリババ創業者ジャックマー氏がいたのだが、これをやめるとのことである。
これは実質的にアリババのソフトバンクからの影響力排除を意味していると思われる。

アリババはここまでソフトバンクに株という人質を取られている状況であった。
しかしソフトバンクはこのアリババ株を担保にして巨大PEファンドに業態を転換してきたが、コロナウイルスによってこの戦略が実質的に破綻した。
そのため、ソフトバンクはアリババ株を適切な範囲で売っていき、敗戦処理用資金を作る必要性が生じた。
そしてそれを行うにはアリババの適切なタイミングでの自社株買いは避けて通れない。
通常ソフトバンクはここまで子会社通信会社やヤフージャパンをまるで自分の財布のように扱って様々な財テクを駆使して資金を親会社ソフトバンクに拠出させてきた。
しかしアリババはあまりにもソフトバンクの総資産に占める割合がでかすぎるので子会社通信会社やヤフージャパンのような扱い方をすると下手するとへそを曲げて自社株買いをしないという選択肢を取られる可能性があり、そうなるとソフトバンクは計画している敗戦処理資金が足りなくなり、追加のアリババ株売却さえ必要になる可能性がある。

<ソフトバンクの敗戦処理資金の捻出>
タイトルなし


<ソフトバンクの資産内容>
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そうなればアリババはソフトバンクが依頼する自社株買いに応じる代わりに、今後好きなようにさせてもらうという約束を裏でしている可能性が高い。
そうじゃなければ大株主であるソフトバンクの社外取締役をジャックマーが蹴るという行為は普通に考えれば大株主の逆鱗にふれるような行為であるのでできないはずである。
Tモバイル株を売却してもまだ足りないように思えるし、armはおそらく表示されているほど足元は価値がないように思える。
ソフトバンクテレコムの株を売ると安定的なキャッシュフローがなくなってしまうので売ることはできず、やはりアリババ株をデリバティブを駆使しながら敗戦処理に見合う分だけ売るしか選択肢はない。
一般的にアリババ株がここもと微妙なのは一部ソフトバンクディスカウント(ソフトバンクに良いように財布にされるリスク)が働いている分があるのだが、ここから解放されるならば時間調整も十分に効いてきたことを考えれば値動きは以前よりも良くなっていくのではないかろうか?
まあそこまでアリババ株に詳しくないから知らんけど。 

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ズームの株価はセキュリティ問題で半値コースのような雰囲気

米NY市、学校に「ズーム」の使用中止を指示 安全性に懸念



ユーザー急増の「ズーム」、安全性の不備を謝罪 解決に集中と

なんで一番大事なところでクリティカルヒットしてるんだ。

昨今の自宅勤務市場拡大の中で、Web会議システムを提供しているズームは一早くその流れに乗り、一気に顧客を獲得していた。
そのおかげもあり、グローバルな株価下落の中でも一際輝く株価動向をしていた。
ところがこのズームにおいてセキュリティ上重大な欠陥が発覚している。

・一部データを勝手に中国に送信している
・iPhoneの連絡先をユーザーに勝手に送信
・ズームを使用したスマホの情報をFacebookに引き渡している
・パソコンのセキュリティ設定を勝手に書き換えるといったマルウェアと似たような動作をしている
・エンドツーエンド暗号化という売りが大嘘

残念ながらこれはもはやうっかりとかいうレベルではなく、普通に経営陣が意図してやっているものというレベルのものである。
特に通信系において最も稼ぎ頭となる法人向けというのは、なににおいてもセキュリティというのは最重要選定項目になるし、これをミスって情報漏洩すればその企業のIT担当役員などはクビがぶっ飛ぶような事件になりかねない。
このセキュリティが全くといっていいほど疎かになっている時点で当面 法人向けの顧客なんて獲得できるわけない。
いや、足元の契約さえ切られる可能性がある。

しかもこうしたWeb会議システムを提供しているのはズームだけではなく、後ろからマイクロソフトがサービス提供しているTeamsやグーグルも追いかけてきている。
Zoomがセキュリティ問題でまごついている間に一気にシェアを獲得する動きはかなり予想しやすいだろう。

こうした要因を考えれば今回のセキュリティ問題というのは控えめに言っても事業の先行きにクリティカルヒットするレベルの事件であることは間違いない。
さて、そうなると現在の株価バリュエーションは既に何年も先の顧客からのキャッシュフローをあてにしたバリュエーションになっているわけで、ところがその期待したシェアが取れない可能性が高くなったとわかった現在今の株価の正当性はどれぐらいあるのだろうか?
個人的にはこれはいわゆる半値コースでIPOレベルの価格まで下がる確率はかなり高いと思っている。
特にひふみ投信などそのコロナウイルス騒ぎのドタバタの中なんとか現金ねん出してきてエントリーしている機関投資家がいるのを見る限り、バタバタ出来高を伴って買われてきた上昇分は全否定される可能性は高いと思う。

<ズーム株のチャート>
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なぜボーイングはクレジットラインを確保できるのか

ボーイング、追加借入を検討 MAX関連費用が財務を圧迫

多少揺れますが安定運航には問題はありません(棒)

737MAX問題で民間機出荷のかなりの割合を占めていた737MAXが出荷できない状態が続いているということもあり、ボーイングの利益も財務も悪化傾向で進んでしまっている。
しかし、ボーイングの株価を見るとド派手に下がっているかというと、まあこんなもんか程度しか下がっていない。

<ボーイングの株価チャート>
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それはなぜなのかと言えば、ボーイングは米国の国防上最重要企業であるからだ。
歴史的には第二次世界大戦中にBシリーズの爆撃機を生産し、その後も米国戦闘機や宇宙開発を担う重要な役割を担ってきた。
経営が苦しくなった同じ民間・軍用問わず航空機を生産していたマクドネルダグラスも1997年に実質救済買収を行い、本社もシアトルからワシントンDCに近いシカゴへ移転するなど、米国政府にとっての重要性は年を重ねるごとに増していった。
ボーイングは軍用部門の売上が4割もあり、利益も同様程度あることからも米軍がボーイングにとってお得意様と見て取れる。

では仮にボーイングが破産してしまったらどうなるだろうか?
まず考えられるのは流出してはいけない軍事転用知識を持つ人材の国外流出だ。
破産すればボーイングは債権者集会で厳しいリストラを迫られることは間違いなく、そうなれば多くの軍用知識を持つ人材は無職になるだろう。
そうなると特に中国はのどから手が出るほど欲しいのは間違いなく、一方で食うに困った米国人は何が何でもそれに飛びつくことはほぼ間違いない。
それすなわち自動的に航空関連軍用知識が中国に流出することになり、米国は厳しい立場に陥ることは火を見るより明らかだ。
それにボーイングは一社単独で航空機を製造しているわけではなく、多くのサプライヤーを抱えているが、困ったサプライヤーは別の商売相手を探して技術供与を行う可能性が高い。
それが同様に新興勢力の勃興を招く可能性があり、これも軍事的にはまずい事態になる。

以上を考えるといくらボーイングの財務が悪くなろうが、米銀は政府の要請の下ボーイングの財務を支えるしか選択肢はなく、超法規的な扱いを受ける事態になるだろう。
最悪どこかの軍需企業とくっつけて救済合併させるぐらいのごり押し再生まで考えられる。
つまり737MAX問題解決するまでの資金繰りは十分につなげられると投資家は地震をもっている。
そう考えれば慌ててボーイング株売る必要性なんてそこまでないよねというのが株価チャートを見る限り投資家の本音のように思える。
 
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