村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

外国銘柄

ウィーワークの舐めた資金調達態度を見る限り、潰れる確率は低い

ソフトバンクG、WeWorkに50億ドルの緊急支援を計画
WeWorkの資金調達でバンカーと投資家奔走、来月にも資金枯渇か

自分達の保身を考えて調達先を複数模索している時点で、かなり余裕がある。

ウィーワークが11月には手元資金が枯渇するだのなんだので、資金繰り懸念が噂されているが、今ウィーワークが模索している資金調達状況を見るとすごく余裕があるように見える。

現在ウィーワークは二つの資金調達方法が見えており、一つはソフトバンクによるおかわり5000億円資本注入。
この手法は最も安易かつソフトバンク側も出す気でいるため、この手法を取るのはすごくイージーなのだが、噂によるとこれをやるとウィーワーク経営陣が保有する株に対して大幅な希薄化が生じるスキーム(あるいはDIPファイナンス?詳細は不明)になっているとかいう噂もあり、ソフトバンクからの出資の受け入れはウィーワーク経営陣の資産価値を限りなくゼロに叩き落す結果になる可能性が高いんだそうな。

一方で現在JPモルガンと模索している資金調達案はエクイティでの調達ではなく、新しく社債を発行してファイナンスしましょうという案だ。
ただし、ご存知の通りウィーワークの手元現金自体は非常に薄い上に営業CFがマイナスであるため、普通の調達は難しく、PIK債という債券の利払いを債券で行うという資金繰りギリギリの会社や債務再編案でよく出てくる手法を取ろうという案も出ている。
ただし、このJPモルガンの案は経営陣の株希薄化は起こらないが、PIK債の利回りが実質15%になるという話もあり、こちらは資金繰りは瞬間風速的には改善するが、債券の償還前に財務状況の整理が間に合うかどうかわからないのと、まだ最終需要がどれだけ集まるかが交渉中のため不明。

個人的にはこのニュースを見て、ウィーワーク側は最悪ソフトバンクがケツ持ちしてくれることは確信しているっぽいが、一方で自分の持ち株の価値が大幅に下落するのは嫌だという駄々をこねてソフトバンクからの資本注入以外の資金調達方法はないかと模索しているなと感じる。
つまりウィーワークはぎりぎりの資金調達を模索しているわけではなく、それなりに余裕を持った資金繰り模索状況だなと思う。

本当に切羽詰まっている会社はJDIのように、資金調達させてもらえる先が限られてしまい、選択肢がほとんどないという状況が常だ。
でもウィーワークについては、どうやらソフトバンクの孫氏がお熱のようで、すごい肩の入れ様をしていることから、いきなり資金調達ラインが切られるという危機感はないと思われる。
それにソフトバンク側もウィーワークを死なせてしまい、ビジョンファンドにダメージを与えてしまうのは本望ではないし、デフォルトさせてはいけない事情もある(そこらへんは過去記事参考)
というわけでウィーワークについては最終的にはどこかしらから資金を引っ張ってきて、存続する可能性は非常に高く、特にウィーワークのせいでマーケットが崩れるとかそういうことは今は考える必要性はないものと思う。 

IPO後初回決算の約束さえ守れない最低銘柄にスラックが追加される

スラック株が時間外取引で急落、下期の売り上げ鈍化の見通し響く

スラックがIPO後いきなり決算をミスるという大チョンボをしでかした。

この前上場していたウーバーやリフトもいわゆる上場後初回決算をミスった組で、その仲間にスラックも仲間入りした。
昨今投資マネーは国債金利の大幅低下とともに余りに余っているためか、VCやPEといった非上場株に投資するお金というのはどんどん増えている。
それに伴って、お手軽スタートアップ企業というのが続々と湧いてくるという現象を我々は目の当たりにしている。

はたから見たら、お前それどうやって最終的に黒字化まで持っていくんだよ、どう考えても競合が続々と出てきて消耗戦になるだけだろというようなふにゃふにゃ起業がかなり雑な資金調達をするという例が散見されるようになってきた。
そして売上はとりあえず上がるようになったけど、お手軽起業なので続々と競合が出現して、いつまでたっても黒字化の目途が立たないけどVCとかPEの都合でとりあえず上場しちゃいましょうとごり押し上場してしまうという例が増加しているように見える。

ソフトバンクのビジョンファンドなんて、株式市場を自分の財布としか思っておらず、これ以上のバリューアップが見込めないと思った投資先については無理やり上場させて市場からお金を踏んだくっているとしか思えない投資行動・EXITを繰り返している。
(ウィーワークなんてその典型例)
米国の証券会社もトレーディング業務が業績の足を引っ張る中で、なんとか株主が満足するリターンを出すためにはこうした案件も騙しだましやらなければいけないという事情もあり、一般投資家が食い物になっている。
そして上場したときに投資家との暗黙的な約束事である絶対に初回決算だけはミスらないという約束事さえ破る企業が続々と増えている。

過去にはブログでメルカリについても糾弾したことがあるが、そういう投資家との最初の約束さえ破るような企業は、いわば初回デートで4時間遅刻した挙句ドタキャンするようなビッチと同程度ぐらいの信用しかない(というか信用がない)。

<過去記事参考>

上場一発目決算をミスるメルカリ株に失望


そのような初歩的な約束も守れない企業に自分の大切なお金を預けることが可能なのかと今一度自分に問いかけてほしい。
じゃあなんでそんな初回の約束も守れないのに上場するんだと言えば、VCとPEが市場からお金をせしめるために無理やり上場させているという大人の都合だからだ。
しかも足元では2017年の時とは違い、そういった約束を破る企業の株に対する評価は非常に厳しくなっている。

我々上場株に投資する投資家はきちんとその会社の競争力・参入障壁を考慮した上で、足元赤字であるならば黒字化までのストーリーに無理がないかどうかを精査して銘柄を選ぶことが従前より求められている。 

苦しいバイドゥの競争環境とその背景

中国・百度、黒字回復も低成長 4~6月決算

中国のIT市場はめまぐるしく変化しているようである。

昨今バイドゥ(百度)の苦境が鮮明になっている。
主力のインターネット広告売上高が前年比減少になっている上に、マーケティングコストが大量にかかっていて赤字スレスレという状況に陥っている。
中国でインターネット検索エンジンの雄であったバイドゥに今何が起きているのだろうか?

一つは広告主の嗜好が変化していることにある。
グーグルでもまことしやかに議論になっているが、いわゆる単なるウェブ上のバナー広告というもの自体の広告としての効率性に疑問がもたれ始めている。
元々ウェブバナー広告もTVやその他マスコミ媒体の広告モデルの非効率性から顧客がシフトして売上高を取ってきたという背景があるが、皮肉なことに今度は単純なウェブバナーに対する非効率性が広告主の目につきはじめているのだ。
広告主はよりターゲットを絞れて効率の高い広告を模索しており、それが例えばFBのプライバシー情報を用いたターゲティング広告、アマゾンの既存顧客の購買行動を基にしたターゲティング広告が徐々に拡大している背景でもある(楽天も最近どうような広告戦略を取っている)

さて中国ではどのような地殻変動が起きているのか?
それはインフルエンサー広告による高効率なターゲティング広告である。
ただそれだけだと、いやそれユーチューブでやってるやつやんとなるが、特に中国でのインフルエンサー型広告で幅を利かせているのが、日本でも若い子の間で流行っているTikTokなのである。
いわゆるショートムービー型広告で、Tiktokは視聴履歴に基づいた動画広告を武器に徐々にインターネット広告のシェアを取り始めてきている。
これはよりターゲットを絞れたテレビ広告と同義であり、なるほどそれは静的ウェブバナーよりも確かに広告効率が高そうだと思われる。
こうした流れで広告主がバイドゥ向け広告費を削っている可能性がある。
もちろんバイドゥも単に手をこまねいているわけではなく、iQiyiという動画サイトビジネスを行っているが、既に数年やっているにも関わらず、ナスダックに上場している株価を見るとパッとしていないし、話題としても聞いたことないことを考えると、いずれ減損にせまられる可能性はそこそこ高いのではなかろうか。

そしてもう一つは直接的な競合の出現だ。
自分は最近まで知らなかったのだが、アリババが2014年からスマホ向け検索エンジン事業を行っている。バイドゥはパソコンからのインターネット検索ではシェアが91%と未だ無敵であるが、スマホからのインターネット検索ではなんとこの4年でシェアが90%から59%に落ちているのだ。

Is Baidu Losing China's Search Market to Alibaba?



そしてその原因がこのアリババのスマホ検索エンジンで、これが既にシェア34%まで取っており、じわじわとバイドゥの祖業を侵食している。
バイドゥはAIだとか自動運転とか、とにかく最近流行りのものにどんどん手を出しているが、ちょっと兵站が伸び切っている感じがしていて、そもそもの祖業が侵食されているというところに、ちょっと状況危ないんじゃないかと不安になってくる次第だ。

いずれ日本のヤフーみたいなすごく中途半端な位置づけの会社にまで落ちるのではなかろうか

地味にぶっ潰れそうなアストンマーチン

Aston Martin bonds shaken after credit downgrade

アストンマーチンといえば高級車で有名なイギリスの自動車メーカーだ。
しかし当のアストンマーチンが実はぶっ潰れそうな状態にあることは意外と知られておらず、自分もこのニュースで知ったという状況だ。

今世界的にも自動車業界は全体的に低調という中、特に大型車や高級車に偏っていて、地域的にも一本足打法みたいなメーカーの状況は総じて苦しい。
このブログではジャガーランドローバーが危ないという記事を書いたことがあるが、それよりも状況的にアストンマーチンは厳しい。

格付け会社ムーディーズもここにきてアストンマーチンがプロフィットワーニングを出したことから、格付けをB2からB3に引き下げるという決定を下した。
B-という格付けはいわゆるジャンクの中でもドベにかなり近い部類で、いわゆるまだなんとか自力で立っているけど、少しでも経営をミスするとすぐに借り換えや利払いできなくてデフォルトという事態に片足突っ込んでいるようなものである。

アストンマーチンは高級車かつほぼ英国と欧州オンリーで売上がたっているということもあり、少しの売り上げ台数のブレが重く財務にダメージを与えることが如実に表れてしまった。
でも高級車だから、もしかすると中国企業が買いたいとか申し出てくれるかもしれないね。
足元の株価で時価総額がったの13億ポンドなんだから、政府が補助金を出せば余裕で買える金額じゃないかな? 

ベリサイン株から見るITテック系へのポジション偏重

<ベリサイン株のチャート>
タイトルなし


ベリサインという会社はIT関連に携わっていないと知らないと思うが、米国のドメイン管理の元締めみたいな企業だ。

.comと.netの元締めとイメージしていただければいいだろう。
ただもうドメイン管理事業なんてもう随分昔からやっている事業でここが年率2割も成長するわけはなく、会社側の開示資料を見ても年率売上高および利益成長率はせいぜい一桁後半レベルかなと推察するし、ここから爆発的に伸びるということも考えずらい。

一方で株価を見てもらうとベリサインの株価はここ2年で一気に急騰している。
EPSが一年間で一桁後半%しか伸びないのにじゃあなんでこんなに爆発的に株価が伸びているかというと、理由はPERの急激な上昇にある。
2016年にPERが20倍だったものが、足元で46倍にまで劇的に増加しているのである。
もちろんPERの高低だけで株価を語るのは投資家として失格であり、その企業の潜在成長率や足元の利益成長率を鑑みながらPERの高低を語る必要があることは重々承知している。

しかし、ドメイン管理事業という既に旬は過ぎたビジネスで、実績としてもせいぜい一桁後半%の成長率の企業の株価評価がPER46倍というのは全くもって理解しがたい。
投資家はテックと名がつけばとりあえず買っておけとかいうそういう判断をしているのだろうか?
こういうのを見ても、ちょっと足元で株価に対して強気になれないと考えるファクターになっている。 
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村越誠

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