村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

中国

中国の不良債権買取会社の問題は一旦火消しの方向

China's Huarong eases debt fears with bond payments

一旦様子見るけど、想像より悪い反応で結局引っ込めるっていういつものパターン。

前CEOをとりあえず色んな罪状おっかぶせて死刑にはしたものの、まあそれだけで問題が解決するわけではなく、資金サポートするのかしないのかで揉めて3月末締め決算の発表を延期させたことにより、市場参加者が疑心暗鬼になりフアロンの米ドル建て社債だけでなく、中国本土株にまで影響が出る始末となった。
しばらくは中国政府もフアロンの尻拭いはそれなりに時間・金額がかかるということもあり、当初は損失を一定程度フアロンに負担させるということも考えたのかもしれない。
しかし、それによってフアロンだけでなく、他の国営企業でも同様な状態でもしかすると損失が出るのかもしれないと投資家が恐怖し、本土株にまで影響が出るレベルで信用不安が増大していった。

そのため、結局中国政府側がこらえきれずに「フアロンの資産はしっかりしているし流動性もある(暗にそういう処理ができるように中国政府がサポートする)」と声明文を出すことになり、これをきっかけにようやく本土株は安定感を取り戻した。

このフアロンという不良債権買取会社は企業自体の情報開示状況が悪く、詳しくこの企業の信用状況を調べられない中で唯一の信用の支えとなっているのが、この不良債権買い取り会社は中国政府直下の組織であることだけである。
これがなければそもそもこの会社が存続することさえ難しい。
そしてこれはフアロンだけでなく、その他の不良債権買取会社・中小銀行・よくわからないLGFVなど一部民間企業を除けば外貨建て債券を発行している企業のかなりの割合が同様な信用状況である。
もしこれでフアロンのサポートを中国政府がしないとなれば、中国政府のサポートが最大の拠り所であったわけなので、大規模にこうした情報開示の悪い銘柄の信用力は急速に落ちる。
中国政府としては無駄金を使いたくないので、一旦ジャブ的な形で政府はフアロンの責を負わないとにおわせてみたが、それによって普通に本土株にまで影響がクリーンヒットしているのを見て、さすがにこれは逃げるのは無理だと悟ったものと思われる。

一応このフアロンの問題はほぼ決着が着いたように見えるが、結局中国政府にとってのアキレス腱はこうした国営企業が暗黙の保障をいいことに好き勝手やった挙句、巨大な債務の山を積み上げて爆死すること、そしてそれを中国政府が支えきれなくなることにあると思われる。
これにて一旦中国本土株の下落は止まったものと思われる。

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今さら中国の国有不良債権買取会社の資産ファイヤーセールが話題になる

Huarong Plans Asset Sales to Avoid Debt Restructuring

久々に名前聞いたけどお前が犯人かよ。

中国には政府お抱えの4大不良債権買取会社が存在する。
うちフアロンという企業があるのだが、2014-2017年にかけてでたらめにハイリスク資産を買いまくった挙句爆死しかけてCEOが更迭されたり、市場が混乱した。
ただCEOを更迭してからは一部資産を生保に買わせたり、政府が支援したりしてごまかしてきた。
それ以来ほとんどの投資家はこの不良債権買取会社については記憶からすっぽ抜けていたと思われる。

なんと今になってこの企業がこのままだとかなりまずい事態に追い込まれており、それを回避するために手持ち資産を売却するという話なのである。
コロナウィルス不況でなんだかんだで中国の不良債権がよりダメージを受けており、でたらめに資産購入をしていたフアロンがいまさら死に体になっているということで、個人的には既に中国政府が救済していたものとばかり思っていたが、こんなところで爆弾が発見されるとは思わなかった。

なおこのフアロンという不良債権買取会社はかなりの金額のドル建て中国ハイイールド社債を保有するなど、クレジット面でかなり中国相場を動かす力を持っている。
アルケゴスの例など普段はこういうニュース出た時というのは既に売った後で出尽くしというのが恒例なのだが、今回のフアロンのケースはまだリスク資産を売っていないと思われる。

理由としては下記フアロンが発行している2026年満期のUSD建て社債の価格動向を見てもらいたい。

https://www.bondsupermart.com/bsm/bond-factsheet/XS1515240015

タイトルなし

3/31まではほぼパーで推移していたのが4/1になっておそらくこの話を聞いた人から順にフアロンがかなりやばい事態に追い込まれているんじゃないかと気づくプレーヤーが出てきて慌てて投げ売った人がいるのではないかと思われる。
他の国有系不良債権買取会社も大なり小なりUSD建て社債がやられており、こうしたクレジットのkずれは通常は株式相場にやや長い期間のダメージを与える。
(だから米国はFRBがクレジットの下支えをいち早く決定した)

こうなるとアルケゴスの問題は終わったが、今度はこのフアロンが当面中国株相場の足を引っ張る材料となるだろう。
しかもアルケゴスのように特定セクターや銘柄というよりは、上海総合やCSI300のように幅広い範囲で悪影響が出る可能性がある(というよりもでている)
フアロンを政府が支援する、あるいはフアロンが売却する資産を全て誰かがキャッチしてくれることが確定しないことには当面中国株は米国株に出遅れる可能性は濃厚だと思われる。
 
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アルケゴス事件があっても中国グロース株への投資意欲は薄れず

Chinese private equity targets record fundraisings

中長期的には上がるだろうという話。

中国テック系銘柄はここもとは米国金利上昇と、アルケゴスのレバレッジ取引の破綻で大きくアンワインドしたことは記憶に新しい。
特にアルケゴスが高レバレッジ取引で吊り上げた挙句に爆発四散してブローカーのブロック売りも発生したためにかなりの値幅を伴って下落をしたのには多くの投資家を巻き込んでダメージを与えた。
(とはいえ所詮大手銘柄で20%ちょいの下落なので、それぐらいで死ぬような投資家はレバレッジのかけすぎかわけのわからない銘柄を触りすぎか、あるいは両方という無謀な取引をしたかのどちらかだが)

それでもやはり今の中国のネット消費増大は無視が出来ず、特に新興国の投資でどこにポジションをふるかとなれば、今のご時勢だとアジア、特に大国の中国・インドかハイテク銘柄が存在する韓国・台湾のどれかになってしまう。
その中でビジネス状況が国際環境に左右されづらい銘柄となると中国の内需を取り込める中国ITグロース銘柄にポジションを張っておきたいという投資家は引き続き増加していくものと思われる。
そういったことを背景にグローバルマネーは引き続き中国PEなどを通じてグロース企業に投資をしたいという引き合いが強く、ファンドレイジングも進んでいますねということのようだ。
こういうことを考慮すれば、まあにわかに全然知らない意味不明銘柄触っちゃったというのであれば話は別だが、このグロース銘柄なら大丈夫だろうというものは多少ダメージを受けても保有を継続すれば報われる可能性が高いように思われる。

ただし、米国ITのように全面的に信用されて安定して上昇というのはやはりやや期待しづらい側面がある。
また中国銘柄の場合はすぐに方針がころころ変わるし透明性のかけらもない中国人民銀行の金融政策に一定程度左右されることもボラティリティが比較的高く推移する要因となっている。
単純にこうした新興国株ボラティリティがあるだけでなく、場合によっては米国が特定の企業を狙い撃つかのように制裁発動をちらつかせたりするため、一般的な機関投資家はそういったイレギュラー事案があるたびにポジション調整を行う必要性がある。
なので最終的には上昇するのだろうけど、大きいジグザグを覚悟しながらの投資になるかと思われる。

そのボラティリティに耐えられないなら、最初から米国ITにポジションを振ったほうが無難だろう。

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不動産バブルを警戒して融資規制に向かう中国

China looks to rein in lending to cool property boom

米国とは対をなす融資規制。

中国ではまだ投資が対外開放されていない中で投資の選択肢が限られている。
中国は金持ちになればなるほど表面的には共産党に従うものの、資産はいつ共産党に没収されるかわからないので中国外にガンガン逃がす傾向にあり、対外開放は夢のまた夢の中で限られた選択肢の中から投資先を検討する。
大体普通の人の投資選択肢は国内株・サウスバウンド香港株・不動産、理財商品である。
この中で中国人が最も信頼を寄せ、かつ生活上必需となるのは不動産である。

理財商品は不動産と比べると、リスク度合いによっては全部失う可能性があるし、昨今は中国政府が中小企業中心に取り締まっているということもあり、高利回り商品が消えたということもあり勢いは落ちている。

株は上昇するときは一気に過熱するのか中国株の特徴だが、その後まるで例外がないレベルで予想を上回る調整・下落をするし、そもそも有名所・成長してる銘柄以外は財務が信用ならないし企業に信頼もおけず、たびたび投資家も痛い目を見ており株全体の信頼性が薄い。
直近だとアルケゴスのせいでジェットコースターのような中国ハイテク株の動きをしてダメージを受けた投資家も多く、やってらんねえよと思っている人も多そうだ。

なので金融緩和や景気対策を打つとまず不動産に資金が向かうというのが中国経済を見る上で重要になる。
今回はコロナウイルス対策で行っている金融緩和が米国同様に不動産に向かい、これが大きく不動産購入につながっていたようである。
しかし中国政府が不動産が高くなりすぎてバブルになってしまいはじけることだけは株バブル崩壊とはレベルの違う動乱が起きかねないので絶対に避けたいものと考えている。
2015年に株バブル崩壊で大きく混乱したのを見れば、不動産で同様のことが起これば大きく中国共産党の正統性がゆらぎかねないので、世界的にコロナ不況がまだ続いてる中でもどうにかして不動産取引を落としたいと考えている。
そのため、通常先進国では使えない手法であるが、銀行に対して不動産に対して融資を抑制しろと窓口規制をしているようだ。
通常先進国ではこのようなかん口令をしいても、いやいや企業の自由活動範囲でしょと無視されるし、本当に規制をかけるならきちんと金融規制をかけなければいけない。
しかし中国の場合は法律なんてあってないようなもので、反抗する銀行のトップなんて逮捕すればいいので中国ではこうした窓口規制を多用する傾向にある。

20ギガ1991円(税抜1810円)【LIBMO】

再び中国政府による大手ITの締め付けを理由に機関投資家から売り浴びせられる中国株

China fines Tencent and Baidu as online crackdown widens

また政治的に許されていない感じ。

中国株については米債金利上昇によって新興国株が先進国株以上にあおりを受けて下落し、特にウェイトの高い中国株は十把一からげで売られているというのもあるが、それに加えて引き続き中国政府の締め付けがアリババ子会社のアント取り締まりから続いている。
ちなみにアリババに関する中国政府の締め付けは過去に記事にしているので下記を参照してもらいたい。

<過去参考記事>

思ったより長引きそうな中国テック企業への締め付け


アリババが締め付けの先頭となっていたが、やはりテンセントやバイドゥも相場的には意識されるレベルになり始めている。
ただこれはアリババほどは深刻ではないものの、その直前にわっと相場が盛り上がった分下げがきついといった機関投資家が売るための理由をとりあえず作りましたみたいなところもある。

Tencent Faces Broad China Clampdown on Fintech, Deals

罰金自体もテンセントからしたらゴミみたいな数値なので手元決算業績などにおいては基本的には微々たる差しか生まないと思うが、遠い未来のフィンテック事業が無駄にバリュエーションに織り込まれていた分は雰囲気下げているというような感触だ。

テンセントみたいな超大型中国テック株でも2018年の米中貿易摩擦のすったもんだでは米国金融引き締めとの合わせ技でなんだかんだで上から下まで44%近く持っていかれているし、なんだかんだで通常時でも25%ぐらい下がるのなんて日常茶飯事である。
その後短期間でそれを倍とか3倍返しぐらいで上昇するといったのを繰り返すのが中国株の特徴であり、米国株みたいにボラティリティ低くじりじり上昇するのとは全く値動きの性格が異なる。
上がる時は上がるし、下がる時はきっちり下がるというややエントリータイミング命みたいな性格は米国株と比べるとはるかに要素として大きい。

とりあえずは機関投資家が再度忘れる雰囲気が出るの待ちといった我慢せざるを得ない状況だということには変わりがないように思うので、目先の上昇を取りたいなら米国株だし、まあ長い目線でしばらく見れるしそのポテンシャルを信じたいという方はそのまま中国株でもいいんじゃないのかといった感じでベストな投資行動は変わってくるように思える。
 
やはり中国株投資は米国株投資と比べると、より高いボラティリティを楽しめる・強烈な下げに対してそれでもまあいいでしょうという許容ができる人に限るのかなあと思う。

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