村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

為替

人民元安は全ての新興国にとって脅威となる。

人民元に下押し圧力
今の新興国通貨にとっての脅威は人民元安だ。
よく米国が「中国は為替を操作している」と言っているが、現在中国ははっきり言うと「人民元を高めに誘導している」というのが実情だ。
おそらく操作をやめれば人民元は安く推移すると思われる。
現在の中国は自国民がかなり豊かになってきたことから、国内の消費が大きくなってきており、昔と比べて経常黒字対GDP比は大きく下がってきた。

また中国人自体が中国国内に多額の資産を置いておきたくないと思っている節がある。
一党独裁でかつ人治国家なのでどういった理由で自分の財産が没収されるのか全くわからないので、とにかく資産を一定程度必ず資産が保護される先進国に移しておきたいというインセンティブが強く、中国の資産流出規模は莫大なものになっている。
こういった観点から現在の中国は人民元高に誘導させ続けるという余裕がないのが現状だ。
そして昨今の米中貿易摩擦に伴い、現在の水準の人民元の対ドルレートを守ることが難しくなりつつあるため、なるべく過剰な資本流出が起きないように気を配りながら徐々に人民元を自然な適正範囲レートまで安くする方向に促していく方向に舵を取り始めた。
しかしこれは多くの新興国にとっては大きな脅威なのである。

基本的に多くの新興国は国や企業がドル建てで金を借りている部分がある。
そのため為替が安くなるとこのドル建て借金の負担感が大きくなる。
それに経常収支が赤字な国が多いので、基本的に為替が安くなると自国のインフレ上昇およびそれに伴う金利上昇が発生してしまう。
そのため自国通貨が安くなることは基本的に新興国にとっては悪いことである。

さて、新興国でもっとも大きい通貨とはご存じの通り人民元だ。
中国は資源以外なら米国へあらゆるものを輸出している。
そのため人民元が安くなるということは、ほぼイコールで他の新興国の輸出競争力が落ちることを意味している。
また中国自体も一部資源は自国自給できるということもあり、人民元が安くなると資源輸出型新興国に対しても
そのため人民元が安くなることは他の新興国にとっては非常にネガティブな事象である。

<人民元の対ドルレート>
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中国政府は一気にクラッシュしないように人民元安に誘導している。
正確には人民元安に誘導しているのではなく、人民元高介入をやめて適正範囲まで緩やかに安くなるように介入を減らしている。
おそらく中国国民自体も人民元がどれぐらい安くなるのかわからず、投資計画を立てにくい状態になっている。
中国国内でドル建て収入がないにも関わらず、ドル建てで大量に金を借りている企業は借入の増額をやめて、返済に集中するしかないだろう。

そして市場参加者は一体どのぐらいの期間、そして一体どこまで安くなるのかということについて非常に不安を感じている。
その範囲がどれぐらいなのかによって他の新興国通貨がどれぐらい安くなるのかが決まってしまう。
人民元はもはや新興国通貨にとって大きなバロメーターとなってしまった。
だから中国と比べて多額のドル建て負債を保有している、財政赤字が大きい、経常収支が悪い、政治リスクが大きいなど問題を抱えている新興国はさらなる為替安ファクターが増えてしまったということだ。

豪ドルは5/7のRBA中銀決定会合に注意

<AUDUSDのチャート>
タイトルなし


豪ドルはチャート上かなり岐路にたっている。

不動産の急減速とインフレ率の低下で少なくとも1回利下げされる確率が8月までに82%ぐらいある状態だ。
ただ、5月7日の会合で利下げされるのではないかという確率も市場参加者見通しでは41%程度ある。

これを見る限り豪ドルは現在利下げされるかどうか微妙なラインに立っているがちょっとわからんなーという参加者が多数いることがうかがえる。
また年内2回利下げされる確率も3割ほど市場参加者は見ており、5月にもし利下げされると年内もう一回あると気炎をあげる参加者も相当いると考えられる。

声明文に利下げを匂わす文章が入るだけでも現在の豪ドル相場は危ういと感じる。
少なくともこの前のFOMCでは利下げはまだ俎上にあがっとらんからという内容だったことと豪ドル相場参加者がまだ悩んでいる人が多いことを考えると、5月の会合で利下げなんて知らんわレベルの内容が出てこないと豪ドル相場は対米ドルで0.7を維持するのは難しいような気がする。

一部ブローカーは利下げはあって当たり前という煽り方までしているが、まだ市場参加者は消化しきっていないような感じの確率なのだが、個人的には豪ドルを持っていたら投げておきたいと思う。
まあ株にはプラスに効くかもなのでオーストラリア株はどうなのかようわからんですけどね。 

オーストラリアはモーゲージ金利の引き上げで景気低迷が長引きそう

Australia property boom ends as credit squeeze starts

最近先進国の不動産関連のニュースで良い話を聞かない。
オーストラリアでは銀行がモーゲージ金利の引き上げを行っていることから、不動産融資規制が厳しくなっており、現状の豪州の不動産価格を肯定できない状態になっている。
さらに、このモーゲージ金利の引き上げによる不動産価格の低迷がオーストラリアの景気低迷を長引かせるので、当面政策金利引き上げられないんじゃないのという思惑まで出始めている。

そのため、豪ドルも弱含みで推移しているという状態になっており、豪ドルは当面弱い状態で続きそうな気配がする。
 

今回の日銀政策決定会合は実質的な金融緩和撤収開始の合図

景気にらみ早めに行動 日銀、緩和長期化に備え[有料会員限定]


さて、本日の日銀政策決定会合ではこの数か月の間ではもっとも注目度が高まった回になった。
内容は下記の通りになる。

・10年金利の変動を実質+0.2%までの上昇を許容する。
・マイナス金利適用預金を10兆円から5兆円に減額
・ETF買い入れを日経平均型からトピックス型へシフト
・ETF買い入れは6兆円と決め打ちしない(というか多分減額)
・インフレ率の見通しは引き下げ

というわけで、市場が予想していたよりはハト派だったけど、実質的な金融緩和の撤収開始ということだと思う。

JGBの長期金利も今日は低下で反応したけど、多分今後じわじわ上昇していくんじゃないかなあと思う。
スピード感はちょっと予想しずらいけど。

またこの会合後、円安ドル高が進んでいるが、これは日米金利差がより拡大していくということを意味しているんだと思う。

このことを前提に日本株触る人達は戦略を組む必要性があると思う。

ECB決定会合をうけて、当面軟調そうなユーロ

間合い探る市場、政策変更に反応 ユーロ、対ドル急落
改めてECBの政策決定会合の重要な部分をおさらい。
ECBは2019年9月以降までは利上げをしないと明言したことに加えて、量的金融緩和は縮小するものの、バランスシート自体の量は削減しない方針だ。
ここはFRBと態度が大きく違い、FRBは淡々と量的金融緩和を終了後、バランスシートを縮小してきた。
このため、当面ECBは再投資を続けることがほぼ確定しており、このことが米国と欧州での大きな金融政策の違いを際立たせている。

そのことを考えれば、足元のユーロ安は至極当然の話だし、当面この傾向は続くものと推察される。
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プロフィール

村越誠

投資に関して気づいたことのメモをしていく。 ご連絡の取りたい方は、makoto.muragoe★gmail.comまで(★を@に変換してください)
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