村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

投資雑感

SPYDが減配になったところで本質は何も変わらない


上記ツイートにあるような減配でSPYDが大きく下がるということは基本的にはない。

ツイッターでは高配当株信者というのはそれなりに多く、米国の高配当ETFであるSPYDに投資している人はそれなりに多くいるような感じがしている。
そのSPYDが次回配当を減配するということを発表したということで、それ見たことかとか慌てている人が散見される。
各自持っている知識は千差万別で、上記ツイートにあるような間違った認識をしている人もいるので、少し解説しておきたいと思う。

個別株の場合減配というのは直接的に配当重視ファンドの売り浴びせや、無配だと投資できない投資家の売りを誘うことから減配発表直後に悪材料が出尽くしていないと大きく下がるというのはいわゆる自明の理である。

<過去参考記事>

高配当株投資に必要な分析スキル


しかしETFの配当というのは個別株の配当とは全く性格が異なるものである。
ETFというもの自体がいわゆる原資産を保有することによ原資産と連動したパフォーマンスが出るように設計されている。
ETFというのはあくまで原資産である構成銘柄のリターンによってリターンが決まるようになっている。
(一時的に流動性などの問題で乖離することはあるが)
ETFから出す配当金というのはこのプールされているファンドのお金を削って投資家に払い出しをしているだけなのである。
なので、あくまでSPYDの配当は会計上出せるか出せないかという話なだけであり、分配金がいくらになっても基本的には税金と再投資要素以外のトータルリターンは何も変わらない。
ETFの純資産(NAV)100のうち2を分配しようが3を分配しようが、トータルは100で変わらないので、言ってみれば朝三暮四の世界である。
分配金がいくらになろうが「配当前NAV=配当後NAV+配当金」という計算式以外何も意味を持たないものである。
普段ネットで高齢者が買う毎月分配の投資信託について理解していないと馬鹿にしているくせに、SPYDの減配で慌てるならば金融リテラシーはほとんど高齢者と変わらないレベルだと思った方が良い。
だからSPYDについて減配になったところで別に将来のパフォーマンスについて何か新しい示唆をしているわけではない。
そんなので慌てるぐらいなら、最初からSPYDなんて投資しなければいいと思う。

SPYDのETFについてきちんと論じるならば、原資産である構成銘柄をきちんと把握し、それらにはたして投資する価値があるのかどうかを考えて論じなければいけない。 
まあそれコミコミで考えて自分は原資産の構成銘柄の減配リスクが高い銘柄が多いことからSPYDは基本的には現時点では投資するにあたらないと思っている。
減配リスクが非常に高い金融・エネルギー・公益・マテリアルセクター銘柄でポートフォリオの50%占めている時点で、いわゆるコロナ被害が比較的大きいセクター中心に構成されていることは明白で、まだワクチン完成もしていないのに何が面白くてそんなの触る必要性があるのかと思っている。
(今SPYD触るぐらいなら普通にREITでいいと思う。)
ちなみにきちんと構成銘柄とか確認したいなら下記運用元のデータ開示を見ながら確認してほしい。

<参考HP>

SPYD: SPDR® Portfolio S&P 500® High Dividend ETF

コングロマリットディスカウント解消を狙ったバフェット氏の商社株買い

バフェット氏の商社投資、日本のバリュー株に世界の注目集める可能性

いつもの通りブルームバーグラジオをアレクサで聴いてるとここ数日はバフェット氏の日本の5大商社株買いというのがニュースとしてかなり頻繁に報じられるのを聞いた。

基本的にはコングロマリットディスカウントの解消による現在の市場評価とバフェット陣営が計算してこれだと思っている実態評価のさや抜きがメインだろうと思っている。
商社株価のコングロマリットディスカウントというのは市場では非常に有名な話である。
普通の個人投資家がパッと見てもあまりにも事業が多岐に渡るため、非常に調べにくい。
そして調べても事業投資みたいな案件が非常に多いので、それぞれの評価とかキャッシュフローとか調べていると労力ばかりがかかって、その間に今の相場でいうともっと単純でわかりやすいグロース株がバンバン上がるということもあり、骨折り損になる可能性が非常に高い。
減損が出るときも予期せぬ減損が出たりしてかなり企業分析の難易度の高い分類である。

だからこそバフェット陣営については、おそらくだがじっくりと調べてこのコングロマリットのディスカウント解消は可能ではないかと踏んだのだと思う。
ただ5つ全部に資金を突っ込んでいるところを見ると、どれか一社というよりは5社ぶん投げた中でどこか一社でもこのコングロマリットディスカウントが解消されれば利益が出るといった期待の仕方をしているようにも見える。
また、当の本人達が提灯を掲げることによって殿様イナゴとなって投資家をさそって、積極的にコングロマリットディスカウントを解消させようというのも意識しているだろう。
そういった意味ではバフェット氏の師匠のベンジャミングレアム氏の考えに近い市場評価と実体評価のずれを狙った昔ながらのバフェット氏の投資手法回帰みたいな感触がした。

ちなみにベンジャミングレアム氏の投資手法について知りたい方は下記を読んでほしい。
<参考図書>

証券分析

もちろん長引きそうなドル安を背景にコモディティ関連ポジションを取りたいという考えや、エネルギー価格が低めで推移しているところに中長期投資でそういったところにポジションを張りたいと考えている節もあってそういうのも考えられているだろう。

ちなみになんで自国米国や海外の商社みたいな会社に投資しなかったのかというと、日本以外の商社の信用力というのは基本的に低い。
日本企業の場合は存続性・連続性というのが重視されるということに加えて過去にでかい損失をみんなやらかしているということもあり、5大商社は基本的にはかなり固い財務運営を行っている。
一方で米国中心にそうなのだが、海外商社はついついド派手な投資をしたり、一攫千金でわけわからない商品トレードをしていきなり大損ぶっこいて爆死するみたいなまるで梁山泊みたいなところばっかりで実は日本の商社イメージとは裏腹にばくち打ち・ならず者・いきなりデフォルトみたいな事例が後をたたない。
そういうことも含めてコングロマリットディスカウント解消を狙った投資として日本の商社というのはまあ確かにそういう戦略もあるよなという話である。
またエネルギー株でいうと米国エネルギー株は全員シェールガス投資の泥沼にはまっており、未だ全部の減損を出し切れていないということもあり、避けるかロングポジションをカバーするために売るべきセクターとなってしまっている。

残念ながら個人的には商社に対してあまり知見がないことや、じゃあこのディスカウント解消戦略ってほんとにワークするんかいな、ドル安っていつまで続くんかいなというところはかなり難しいところであり、ここではその是非については評価はできないと思っている。
またこの投資手法自体はいわゆる長い資金で常識の範囲内のリターンを安定的に得ていく投資手法ということもあるので、今すぐ金持ちになりたい、手元資金は少ないけど億り人にすぐなりたいと思う人には全く向いていない戦略なのであしからずである。

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シタデルのメルトアップ市場解説がすごく胡散臭い件について


うそくせええええ。

先週の木曜日と金曜日においてVIXが上昇しながら相場も上昇するという、いわゆるメルトアップ的な現象が起きた。
全体として相場が過熱しすぎで、そろそろさすがにやばいんじゃないかという噂がちらほら言われる中でゼロヘッジが
「いやいや、これは一部IT銘柄が暴騰したせいでボラティリティショートにしていた人達が慌ててショートを閉じたりボラティリティロング取引をしたのでVIXが拡大したので、相場には問題ないですよ」
とシタデルが解説しているという記事が出ている。

・・・なんか嘘くさい。
特にわざわざシタデルがそういうことわざわざ解説してくれているというのがすごく胡散臭い。
シタデルはファンドに資金を投じてくれている顧客にはやさしいかもしれないが、はっきりいってそれ以外の投資家は養分としか考えておらず、はめ込む考えしかないまさにウォール街の中でもGSより汚い・卑怯というイメージが強い。
特にシタデルは自社プラットフォーム経由で株取引しているフローが見えてたり、ロビンフッドの注文を受け取って玉操作したり、かつ今ではロビンフッダーの注文状況見るのを独占したりとやりたい放題である。
こんなやつがわざわざ「いやいや、VIX上がってますけど全然問題ないですよ」なんていう時は、実際はろくでもないことを考えているケースの方が多い。

実際自分は手元にCBOEのオプション取引データを集計しているものがあるので、それを見ているといくつかヒントが見えるかもしれないと思い見ることにした。

(なおデータの取り方については下記参照)
<過去参考記事>
【コピペでOK】CBOEサイトからオプション出来高情報をPythonでスクレイピングする方法

・インデックスとかのオプション取引は大分落ち着いていることからボラティリティショートしている人は確かにいそうだ。

<インデックスオプション取引高>
タイトルなし


・一方で個別株コールは未だ盛り盛りなので、コール売りしている人はそもそも現物持っていて、プット売っている人はそんな増えていない。

<個別株オプション取引動向>
タイトルなし


・そもそもシタデルの解説している急騰したCRMはNDXに含まれていない。
個人的に最も胡散臭い解説部分はここだ。
セールスフォース(CRM)は確かにあの日急騰したが、NDXの構成銘柄ではない。
たしかにあの日CRMの急騰にあわせて、他のSaas銘柄も上昇していたが、これでボラティリティショートしている人が慌ててVロング決めなきゃいけないようなやつだったかと言われると少し疑問だ。

個人的にはVIXについてはどちらかというと米国債金利の上昇に合わせた動きのように思えている。
とりあえずちょっと発言元がシタデルということでかなり眉をひそめざるを得ない言説だなと感じた。

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独自ボリンジャーバンドを使い、足元がITバブルかどうかを判定

以前のブログの記事内容を別の資産に当てはめて別の考察をしてみたいと思う。

<過去参考記事>

S&P500指数のボリンジャーバンドを独自改変して再調査


上記を活用すれば相場がバブルの時は一体どういうことが起こるのか一つのヒントが得られるように思える。
実際に2000年のITバブルが発生したときにナスダック100指数がどのように推移したかみてみたいと思う。
(まあ昔と今で随分指数構成内容が変わってしまっているが)

なお、使用したPythonコードについては下記を見てもらいたい。

<過去参考記事>
【コピペでOK】Pythonコードでボラティリティ計算期間を変更できる疑似ボリンジャーバンドを作成する方法

<2000年のITバブルの時のNDXチャート>
タイトルなし

これを見ると、1年移動平均線の乖離分布にて、実質+3σである上から99.87%の乖離率にまで到達していることがわかる。
これが続いてバリュエーションとかが天文学的な数値になったあとITバブルは崩壊して暴落が発生した。
では足元はどうか。

<2013年以降のNDXチャート>
タイトルなし


こちらを見ると、確かにITバブルっぽい動きはしているものの、まだ2000年のような荒唐無稽バブルというわけではない。
なぜならまだ実質+2σにも到達しておらず、総じてみればじわじわと株価が上がっているという評価ができそうだからだ。
もちろんこの不況状況の中で指数全体でもEPSが伸びない中で、少しやりすぎ感はあり、相場の調整を何回かはさまるということはあるだろうが、まだ絶対的には熱狂バブルというところまでは行ってはいないというのが個人的な評価である。

直近で実質+3σに近い資産はないかと観察すると以下のようなものがあった。

<銀価格のチャート>
タイトルなし

こう見るとシルバーはITバブル時代のようなNDXのチャートと短期的には似ている。
短期間で上昇したことにより、実質+3σ手前まで上昇したのは明らかに短期的に言えばやりすぎであり、これを一回やってしまったものについてはやはり少々長めに休憩を取って価格動向を追うだけにとどめた方がいいだろう。

そういった意味で色んな資産価格において一つ実質+3σというのは短期あるいは中長期におけるバブル判定として見ておきたいと思う。
またNDXが+3σの領域にタッチしにいくようなことが今後現れれば、その時こそいかにして利益を持ち逃げしてITバブル崩壊から逃げ出すかを考える時期になるだろうと予想している。
それまでは少なくともどんな相場調整が来ても、一定程度のナスダック保有やIT株保有というのは正当化される投資だと思っている。

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材料がない個別株の値動きには何かしらの理由がある

まあ知っている人は知ってて株価は動いているということなんですかね。

今回のシスコ株の値動きを見てると、指数はともかく個別株(仕手銘柄除く)は知っている人が先んじて動かしてて、事実があとから株価に追いつくもんなのだなと思った。
シスコは主にオフィス向け通信機器販売・保守を大得意とする企業であるが、通信機器を扱っているということもあり一部ではリモートワーク銘柄として触っていた人もいた銘柄である。
しかし、その割には株価の動きは他のリモートワーク銘柄と比べると劣後していた。
そして数日前にいきなり売上・利益見通しについて大幅下方修正を発表し、ここから株価は糸が切れたように下落していった。

<参考ニュース>
シスコ、8-10月は最大11%減収見込む-コロナで顧客が支出抑制

<シスコの株価チャート>
タイトルなし


上昇時点で他のリモートワーク銘柄に対して 動きが劣後しているという時点でおそらく情報入手が早かった人が売っていたように思える。
これは何もインサイダーでとかいうわけではない。
例えばシスコ株を保有しているITエンジニアが、自分の会社がオフィス縮小やリモートワーク普及で導入予定だったシスコのオフィス通信機器の導入を見送ったり、予算を削ったりという動きを知っていれば、シスコの業績は厳しそうだという判断はできただろう。
他にも販売代理店伝手で聴いた話とか、そういったまだ表に出ていない一次情報を入手できた人はそれに基づいて、なんとなくシスコの業績はあんまり良くないんじゃないかと想像を巡らせることが可能で、これを投資判断として実行できたと思われる。

これは逆も然りで、製品・サービスに関わってインサイダーではない一次情報を素早くキャッチした人が真っ先に株を買ってくるので、材料がない中上昇していく株はやはり根拠あって買っている人がいるということである。
(ただし時価総額小さい銘柄、クソ株は仕手がわざと動かしているパターンがあり、上昇の場合はその限りではない)

これが一般的には投資において幅広く興味を持って色々体験することが推薦されることや、まずは初心者は自分が好きな製品やサービスを提供している会社の株から触ってみるべきと言われる所以である。

とくにコロナ不況では自分やその周りが製品・サービスを相当選別して使い分けているわけで、少なくともコロナのせいで支払う金額が減少している企業の株価を買うというのはデイトレや材料狙いトレードならわかるが、中長期投資でというエントリーはやはり理解しがたいと思う。

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