村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

投資雑感

日本の地銀がグローバルに資産を買い漁っているとFTで報じられる

The global risk brewing in Japan’s ailing local banks

極東の地方銀行のニュースがグローバルに拡散されるとかよっぽどのことだと思う。

ついにFTにまで日本の地銀が外債を爆買いしていることが報じられた。
日本投資家ならもうとっくに知っていることだが、地方銀行は日銀のマイナス金利政策・金融庁の不動産融資に対する厳しい取り締まりなどから、預金をだぶつかせてしまっている状態にあり、外国資産に目を向けるほかない状態になっている。

外国資産でなければJREITに金を投じている。ロンドンの運用担当者からさえ、「日本の地銀が国際的な資本の流れを支配している」とまで言わしめており、世界一対外資産の多い国のマイナス金利の破壊力が世界的に影響を与えていることは確かだろう。

しかしFTでも報じられているように地銀のビジネスモデルである地方の住民から預金を集めてそれを地元のお金を借りたい人に貸す(ただし低マージン)というビジネスモデル自体に限界がきている。
そのため日銀金融政策のYCC(イールドカーブコントロール)より前は日本国債を買うというオペレーションにより預金金利と日本国債の利回り差を稼いでしのいでいた。
しかしYCC後は日本国債の金利が極限にまで低下したことからもはやそれは通用しなくなり、そこから徐々に外国債券に為替ヘッジをつけながら投資を行うようになっていった。
最初は世界一安全で、まだイールドカーブ差が残っていた米国債への投資といった比較的安全な投資が中心だった。

しかしご存知のように米国債もイールドカーブが潰れ切ったことから為替ヘッジをつけるとインカムゲインがつけにくい状況になってしまった。
そこで次に地銀が目をつけたのが欧州国債であり、特にフランス国債のイールドカーブが残っていたことからこちらへ資金が殺到。
しかしこれもイールドカーブが消滅したことから、今度はスペイン債へ資金が移動。
同時にクレジットもの(米国や欧州のドル建て・ユーロ建て社債)へ投資は拡大していった。
しかし、今度はスペイン債でさえ10年国債金利がゼロに近づいていることから禁断のイタリア国債への投資が拡大している。
またまだ2018年末までの米国利上げ機運が強かった時はCLOへ投資していたプレイヤーや、時価会計の必要がない私募REITへの投資なども拡大していたようだ。

このように日銀の極限的な金融緩和政策は貸出には金融緩和に見合うような貸し出し増加には回っておらず、基本的にはグローバルな有価証券投資に回っていることを意味している。 

中小型株から流動性が消え、ひふみ投信は逃げられず

細りゆく東証の出来高

足元の相場で夏枯れということも加わって、例年より出来高が大幅に少ないというのが話題になっている。


ブラックロックの決算を見てもわかる通り、世界中で個人投資家は様子見を決め込んでいて、機関投資家だけがトレードしているというのが足元の相場の出来高の現状だ。
しかもその機関投資家も夏は米中貿易戦争の見通しがはっきりしないことから無理しないでおこうということで様子見を決め込んでしまい、誰も取引していないという状況になっている。
出来高グラフを見てもそれは明らかだろう。

さて、この出来高が少ないというのは相場にどのような悪影響を与えるのだろうか?
大型株であれば出来高が通常より少ないといっても閑散に売りなしという格言がある通り、保有主体が相当ばらばらに割れていてそんな絶対にポジションを売らなければいけないということはないので、別に下がったりということはそこまでは起きない。

しかし小型株については違う。
小型株は出来高がないと一定の売りを吸収するためのクッションがなくなるため、出来高がない=死を意味している。
売りたくても売れないというのは相場では一番致命傷を浴びることにある。
さて、個人的にずっと批判的に言っているひふみ投信だがまだポートフォリオの半分近くは中小型株で占められている。
ざっくりいうと3500億円ぐらいの中小型株を保有していることになる。
さて中小型株マーケットとはどのぐらいの規模あるのだろうか?
JPX日経中小型株指数の時価総額は5.7兆円、ジャスダックは8兆円、マザーズ指数は2兆円ほどの市場規模だ。浮動株比率も気にしなければいけないところだが、ひふみの規模からするとJPX日経中小型株指数で採用されている基準銘柄が妥当かなと思われる。

多少甘目に見積もっても中小型株市場の規模は10兆円ないぐらいだろう。
ここから実際に浮動している株というのはもっと少なくなる。
そのうち3500億円をひふみが保有している。
市場全体からしても3.5%、浮動株に対してはもっと占有率が高い。
ひふみに資金流入していればまだ自分で相場を買い支えていくということが可能だろうが、ひふみはかつての純資産の増加スピードを見ると元々のひふみ投信本体よりひふみプラスの方が純資産が多くなっており、ネット証券からのファストマネーが中心であったことが読み取れる。

ここまでひふみはパフォーマンスが良いという理由でネット証券経由で大量に資金を集めてきた。
そういった意味ではひふみ投信へ投資してきた人達は従来の投資知識ゼロの高齢者ではなく、少なくとも一定程度の投資知識をもったそこそこ幅広い層のお客が投資資金を拠出してきたことがうかがえる。
ここにきて資金図体がでかくなりすぎてパフォーマンスが物理的に上げにくくなっていることに加えて、実際にひふみのパフォーマンスはここもとぱっとしないことがばれつつある。
やっかいなことにお客がなまじ投資知識を保有していることから、パフォーマンスが上がらないので追加投資はやめよう、あるいは投資資金を引き上げようとしている動きが出ているせいもあり、もう純資産の増加がみられていない。

さて、そんな中市場の3-4%も株を保有しているいつ資金が抜かれてもおかしくない投資信託が存在することがわかっているなら、その投信が保有する株をわざわざ高値で買いたいと思うだろうか?
藤野氏のフェイスブックを見ているとどうやら外国株にポートフォリオを散らすため外国地域に拠点を作ることを画策しているようだが、これはひふみが日本中小型株を売ろうと思っていることを吐露しているわけで、そんな売ろうと思っているプレイヤーがいることがわかっていてわざわざ助け船を出すお人よしが市場にいるだろうか?
そういった意味では日本中小型株のPERは、いやそのレベルなくないかっていう水準に売られる、あるいは頭が重い状態が続くのではなかろうか。
ひふみは自らの自重にパフォーマンスが引きずられる状態が続きそうだ。

ちなみに外国株実績そんなないのに、自社シードマネーを使わずにいきなりぶっつけ本番でひふみ投信に銘柄組み入れようというのも、顧客マネーを実験台にしていると見られてもおかしくない行為であり、個人的にはあまり好ましいとは思えない行動だ。 

狡猾なSBI、おおまぬけな東海東京証券

証券、熱帯びる地銀囲い込み SBIが共同持ち株会社構想
やっぱりこういうの見るとSBIはめざといなと思う。
証券会社にとってはいかに預金を証券口座に振り込ませるかというのが重要なビジネス課題であり、ここのラインを抑えたものが他の証券会社より優位にたてる。
SBIは住信SBI、楽天証券は楽天銀行、カブドットコムはMUFGという預金を融通してくれる有力なパイプラインが存在する。
SBIはこれに加えて、地銀がじゃぶじゃぶに余らしているお金を融通してもらうべく、様々な形で金融商品仲介を請け負うなど、自分の証券口座に利益のもととなる預金が流れ込んでくる仕組みというのを確立している。
これによってSBIはまだまだ自分のところの証券口座の残高を伸ばすことが可能だし、それがなくても地銀で余剰になっている預金に自分のところのサービスを提供するためのパイプラインを確保できるわけだから、相当やり手だなこれはと感心するばかりだ。

一方でおおまぬけなのは東京東海証券だ。
ロボットアドバイザーのお金のデザインやスマホ専業証券のワンタップバイなどに出資と書いている。
しかしこれらは既にSBIが自社にとって脅威となる前にぶっ潰してしまおうと自ら損失することを覚悟で全くの類似サービスを打ち出している。
VCなどに出資してもらって大赤字ぶっこく中資金繰りを食いつないでいかないと続かない新興企業VS年間700億円近く税引き前利益を出してくるSBIでは体力は桁が違う。
SBIはワンイシューだけで、かつよくよく見ればビジネスモデルを誰でもすぐ真似できるような競合に対して容赦なく攻め立てて、競合として大きくならないうちの芽を引っこ抜いてしまおうという気が満々だ。
東海東京証券はこのような背景がありながらまあどぶに金捨てるような出資をしているわけで、東海証券も本業が死んでる中で貧すれば鈍するという行為に及んでいる。
まあそもそも東海東京証券自体が野村證券の悪いところを濃縮したような会社で、中小対面証券の中では断トツに回転売買を顧客にさせるのとはめ込むのだけは上手い証券だ。
そんな前時代の脳死ゴリラビジネスばっかり続けてきた無能経営陣だからこそ成せる無駄金使いと言えよう。 
普通に考えてもう既に死にかけで、続々と後発やらSBIが若い芽をつぶすために投入してくる類似サービスに本気でお金のデザインのTHEOやワンタップバイみたいな情弱投資サービスが勝てると思っているのだろうか?
そりゃ前時代的な経営を続けてきた無能経営陣だから、なんか凄そうとか思って雑投資してしまうんだろうと容易に想像がつく。

このように対面中心で来てしまった旧来型の証券会社は、大手を除けば本当に瀕死に近く、必死に今まで考えてもこなかったネットサービス証券スタートアップに出資しているが、その判断能力も中小証券の経営陣にはないので、無駄な金を永遠に赤字解消の目処が立たなそうなスタートアップに突っ込んでいくばかりだろう。

真の資産運用は早く結婚し、結婚に失敗したと思ったら早く離婚すること

50歳過ぎの離婚率、米国で倍増-精神的にも金銭的にも多大なリスク

資産運用とかキャリアを積み重ねてとかの前にやるべきことは、早いうちに結婚することだと個人的には思っている。

結婚して同棲することは従来は生活費を下げながら生活の質を上げるための手っ取り早い方法であったはずだ。
二人で住居に住めば一人当たりの住居費・光熱費という固定費を下げることができる。
これによって貯めることのできる資産が自然と増えるはずだ。

ただ、結婚について人は間違いを犯すもので、あーこの結婚は失敗だったかもということがあるかもしれない。
そう思った時はなによりも年を取る前に離婚しなければいけないというのを上記記事では示唆しているのかもしれない。
長い結婚生活の末に離婚したときは資産が半減されることに加えて、精神的にも肉体的にも悪影響がある。
それに一人当たり生活固定費コストが上がるので、それだけでも生活の質は落ちることになる。
早く結婚して、早く離婚すればそのダメージは最小限に抑えることができるだろう。

一方で結婚が遅かったりとか離婚が遅かったりするだけで、その期間分だけ資産の確保が遅れるし、また離婚のときのダメージが大きくなってしまう。
別に結婚しなくても同棲するだけで生活コストを下げることができるので、それをするだけでも資産の積み上がりは違うかもしれない。
一世一代のマネー形成術かもしれないが、結婚・離婚というのも立派な自分の人生におけるマネープラン形成にかかわる重要なことだ。
小手先の貯金とかを考える前に、基本的な生活コストを下げるための結婚という形態も一つありな手法ではなかろうか?

一般的な会社が潰れるというのと銀行が潰れるというのは意味合いが違う

“欧州最強”ドイツ銀行、苦肉のリストラ 破綻すれば「リーマン・ショック」以上 ...

(上記記事は煽り例なのでクリックする必要性はありません)
最近真剣に「ドイツ銀行が潰れる!」と言っている人がいるが、おそらく投資に携わっていない人はニュースとかで流れている「潰れる」という意味を大抵勘違いしている。

普通の人がイメージしているのはリーマンショックの時のリーマンブラザーズのようないきなり会社が清算になって事業が停止するというイメージを持っていると思われる。
確かに一般的な事業会社が潰れるというときは、よくドラマなどである借金が払えなくなり銀行に資産を差し押さえられ、従業員は即全員解雇で閉店ガラガラというイメージで合っている。

しかし銀行についてはリーマンショック以降色々変わっているのだ。
リーマンショック以降、世界各国は無秩序に金融機関が破綻することは世界経済に大きな悪影響を与えることを認識しており、ではどうやったら金融機関が無秩序に破綻することを避けられるのかという制度を作ってきている。

それが足元でいうバーゼル3というものだ。
バーゼル3では銀行業務がどんなことがあっても継続できるように親会社がホールディングス経由の体制を取るか、あるいは法的に銀行が発行する債券について預金などの優先債務に劣後するように仕組み設計されている。
そして各国金融当局は銀行が業務ができないほどドン詰まる前に銀行の破産宣言、いわゆる「お前はもう死んでいる」と宣言をすることができる。
この宣言を受けるとベイルインと呼ばれ、債券を保有する人達の債券価値を金融当局の任意の下、価値を減損させていくことができる。
それによって実質的には銀行の債務を免除していくことによって銀行の自己資本を維持し、少なくとも銀行が通常の業務を継続できるように手当できるように制度化されつつある。

さて、今回「ドイツ銀行が潰れる」というのはこれに当てはめると「ドイツ銀行がリーマンブラザーズのように清算される」という意味ではなく、「ドイツ銀行がベイルインされる」懸念があるという意味合いが正しい。
だから実務的にはドイツ銀行が発行する社債価値が減損されるだけで、ドイツ銀行がいきなり業務停止になるというわけではない。
そもそもドイツ銀行は収益性がひどくて問題になってはいるが、資本については十分な金額を積んでいるため、今すぐ普通社債がベイルインされる可能性はほぼゼロだ。
だからドイツ銀行が潰れると騒いでいる人は基本的に実務をやったことがない素人ということになる。

ただし、一つ注意してほしいことは、一方で発行している債券の中にはこうした金融当局が「お前は死んでいる」と宣言する前に一定程度状況が悪化してきたら利払いを停止したり元本を削ったりできるCoco債というタイプの社債がある。
現在市場関係者が注目しているのはこのCoco債であり、これの利払いを停止するという可能性はそこそこ視野に入っている。
なぜなら株の配当を出している間はこのCoco債の利払いを停止することはできないが、株式の配当を停止すると言っていることから現実的にCoco債の利払いを停止できる状態にある。
投資家はこのドイツ銀行のCoco債の利払いが停止されるかどうかを注目している。 
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村越誠

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