村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

投資雑感

30歳資産2000万円を豊かな生活を送るための資産形成メルクマールにしたい。

昨今会社で使えないおじさんに対する風当たりはより一層厳しくなっている。
やはりそうなると40歳手前ぐらいでいくら資産を積み上げているのかが人生における重要な点だろう。
普通の人が安心して生活できるためにはどれだけの資産形成をしておかなければいけないだろうか?
個人的には30歳時点で2000万円というのをメルクマールにしたいと思う。
30歳時点で2000万円という試算金額は一応は頑張ればだれでも達成できる数値だと思っている。

ただし、それにはいくつか条件がある。
①20歳台前半で結婚すること、両者あわせて最低年収600万円
②計画的な支出をできる
この2つが必要だ。

30歳2000万円を貯めるためには22歳で大学卒業して働き始めるとしよう。
8年の間に2000万円貯めなければいけないということは年間250万円の貯蓄が必要だ。
年間250万円を貯めるのは、そこそこ高年収の人でないと単身では難しいだろう。
しかし、結婚したならばそこまで難しくない数値として現実味が出てくる。
両者とも働けば、例え両方とも年収300万円だとしても、年間600万円の収入になる。
そこから考えれば年間支出を350万円に収めれば年間250万円の貯蓄ができる。
少し甘めに見積もって月間支出30万円に収めればよい。

月間支出30万円のうち、どうしても支出せざるを得ない最低限の支出は
・家賃(月10万円)
・ スマホおよび固定通信費(これを1万円に収めたい)
・光熱費(できれば平均1万円)
・食費(7万円ぐらい見積ればいいのでは)
つまり合計20万円ぐらいになる。
そうなるとあと残り10万円で様々な支出をやりくりするという努力をする。
もちろんどちらかが年収400万円になれば、支出できる金額が年間450万円になり、月間40万円の支出が可能になるので、上記ケースよりぐっと生活が楽になる。

なのでベストケースでは25歳より手前で結婚して、早急に世帯で年間250万円を貯蓄できる体制を構築する。
これが普通の人の現実的な資産形成手法だろう。

30歳2000万円の資産形成ができれば、それをいくらか投資に回すことによって、年間50-60万円ぐらいの資産運用収益獲得が期待できる。
これはちょっとしたパート一人分ぐらいの年収に換算できる。
これを積み上げていけば40歳には変な金の使い方をしなければ節約せずとも3000万円ぐらいの資産を形成できるだろう。
ここまでくれば例えば自分が使えないおじさんとして会社から放逐されたとしても、自分と妻が何かしらのパートで稼ぎ、加えてパート1.5人-2人分のお金を資産運用で稼ぐことができ、とりあえず食うに困らない生活が可能だ。

しかし、これを達成するためには普通の年収程度しか稼げない人には本当に20歳代で計画的かつシビアな生活を送る必要性がある。
しかし、普通の人より多く資産形成しようと思ったら普通の人ができないことをするしか方法はない。
それをしっかり認識してほしい。

バイナリーオプションは100%損する設計になっている

USB購入が悪夢の始まり…「1年で200%の利益」マルチ商法 

投資以前の前に四則演算できるようになりましょう。

最近大学生を狙った投資詐欺みたいなのが増加しているとニュースにあったが、驚いたのがそのアプローチが「バイナリーオプションを使ってお金持ちになりましょう」というもののようだ。
なぜ驚いたかというとバイナリーオプションでお金持ちになれるのは算数的にありえないからだ。
理由は下記の通りだ。

バイナリーオプション取引とは為替において一定時間先において対象取引通貨ペアのレートが上か下かを当てる金融商品取引だ。
例えば1分後にドル円のレートが今より高いか安いかを当てるといったような取引である。

通常投資家は時間に対してプレミアムを乗せて金融商品の値段を決めてくれる。
例えばオプション取引においては権利行使までの満期が長ければ長いほど時間的価値が上乗せされた値段がついている。
ドル円のプットオプションでいうと、1ヵ月先満期のオプションより3ヵ月満期のオプションの方が時間的価値が上乗せされている。
だとすればバイナリーオプションというのは時間選択権を投資家が放棄しているわけだからプレミアムをもらってしかるべきである。
しかし実際のバイナリーオプション取引では時間プレミアムをもらうどころか、相場を当てて買った時にもらえるリターンが倍を下回る。
大体のバイナリーオプションは負ければ全額没収、勝てば賭けた元本+85%の払い戻しというのが一般的だ。
つまり負けた時は全額失うのに、買った時は倍にならない時点で、期待リターンはマイナスなのである。
しかも短期的な為替の値動きというのは一般的にはブラウン運動に近いと言われている。
ブラウン運動とはいわゆる「全く予想ができない動きをランダムにする」ことを意味しており、つまり短期的には上がるも下がるも五分五分である。

FX取引は自分の好きなタイミングで反対売買を行う権利を持つため、究極的にはゼロサムゲームではあるものの、時間とともに変化するファンダメンタルズや取引参加者の動向などが時間が経つにつれ相場に織り込まれていきブラウン運動ファクターが減少するため、やり方次第ではプラスリターンを出すことも不可能ではない。
しかし、時間プレミアムを放棄させた丁半博打で、しかも期待リターンが算数的にマイナスかつ値動きはブラウン運動ファクターが大半を占めるものは長期的に取引を繰り返したらマイナスに収束することは至極当然のことだと思う。

まだモンゴル原野商法詐欺とかFX自動取引プログラムで大金持ち詐欺なら百歩譲って理解できるのだが、バイナリーオプションで大金持ちになりましょうなんて算数的にありえないんだから、これに引っかかる人はそもそも四則演算ができない情報弱者だと自ら吐露しているようなものだ。
 

投資信託の要因分解は真面目に分析する必要性なし

投資信託の要因分解なんて単なる目安ですから。

投資信託のマンスリーレポートや色々な投資関連指標にパフォーマンスの要因分解が乗っている時があるが、個人投資家は決してこれをそのままうのみにはすべきでないと個人的には思っている。
それはなぜなのか?
それは要素を分ければ分けるほど恣意的に数字をいじることのできる余地が大幅に増えるからだ。
恣意的に数字をいじるとは一体どういうことなのか。

例えば米国株について考えてみよう。
米国株を価格変動と配当による価格上昇を要因分解してみた図が以下の通りになる。

タイトルなし
増加した利益というのはこの部分になる。

タイトルなし
価格変動だけで上昇した分のみと配当による価格上昇のみの部分はこの部分になる。

タイトルなし

では両方の要因で増加したのは一体どちらに分けるべきなのだろうか?
タイトルなし

これは色々なやり方がある。
どちらかの要因に全て寄せるというのもあり得るし、半分ずつ寄与度を振り分けるということもあり得る。
つまりこの時点で複数のファクター両方の効果で得られたリターンについての要因分解が恣意的に操作できる余地が生じている。
恣意的という言い方は少し語弊があるものの、投資家に何かしらの数字を見せるために無理やり帳尻を合わせる数値を作成する必要性が出てくるのだ。
これは要因分解の2個のファクターだけで済ませた場合だ。

しかしこれが3個になるともっと複雑になる。
先ほどの二次元の四角で表せられた要因分解が三次元になる。
そうなるとたちどころに3要素のうち、複数の要素で上昇している部分の範囲が急増する。
4つ以上になれば四次元だ。
じゃあこれらをきちんと本当に各要素に切り分けられるか?
それは無理で、暫定的にこれらを恣意的にどこかの要素に寄せていくしかない。
3つまでなら立方体グラフで複数ファクターで増加している要因についてぎりぎり説明が可能なものの、これが4つ以上になるともはや四次元以上と絵で表すことも不可能になる複雑極まりないことになり、説明すること自体が現実的でなくなる。
これが投資信託の要因分解の限界なのである。
しかも単月ならまだこの歪みは少ないが、分析範囲が長期間になればなるほど歪みが大きくなり、要因分解としての意味をなさなくなってくる。

だから投資家はこうした要因分解についてはあくまで目安程度に考えるべきで、これを真剣につぶさに見て色々な思考をめぐらせるのも無駄に近いし、要因分解自体が真に投資信託のリターンの要素をきちんと反映していると思わないほうがよい。

DMM証券の米国株取引無料化が隠れコストで顧客からボッタくる気満々な罠な案件

DMM 株】米国株式取引手数料の完全0円化のお知らせ

不必要な取引で隠れコストを支払わせるのはフェアではない。

メールでDMM証券が米国株手数料無料とか送ってきたので、どれどれほんとかなと思い中身を見てみたがとんでもないクソ仕様であった。
何がクソ仕様かというと、明らかに為替手数料でぼったくる気満々で実際の取引コストが馬鹿高く、しかもそれを強制させるクソ仕様だからだ。

具体的にはこうだ。
米国株を取引きする際には米ドルが必要だ。
だから円しか持っていない投資家はまず円を米ドルに転換させる必要性がある。
証券会社はここで円を米ドルに転換させる際の手数料を排他的に得ることができ、これが収益源の一つになっている。
この円を米ドルに転換させる際のコストというのは証券会社によるが、SBIや楽天などは片道25銭と明言している。
これはHPを見てもすぐわかる。
ところがDMM証券のHPを見ると、外からでは一体為替手数料がどれぐらいなのか全くわからず、「自社が定める為替レート」としか書いていない。
この時点でいやな予感はしたが、ツイッターを見るとどうやら片道1円取るようである。
この時点でちょっとクソだなと思うが、片道1円取るのはまあ百歩譲っていいとしよう。

最大の問題は保有株を売却した場合に円貨決済されるということである。
これがDMM証券の米国株取引の一番のクソ仕様だ。
通常SBIや楽天では保有している米国株を売るとドル決済され、この米ドルを円に転換するかどうかは顧客の任意で決めることができる。
なぜなら米ドルから円に転換するのもコストがかかるし、引き続き米国株に投資するなら米ドルのまま保有するというのがリーズナブルだからだ。
しかしDMM証券は米国株を売ると同時にこの米ドルの円転を強制的に行い、あまつさえそれを顧客サービスですとぬけぬけと言い張っている。
これは米国株に引き続き投資しようと思っている人に対して不必要に為替手数料を払わせ、しかもそれをあたかも顧客にとって利便性があるかのようにうそぶいているというたちの悪いやり方をしている。
しかもその為替手数料は1円と割高だ。
つまり米国株取引手数料無料は単なるおとりで、他社よりぼったくった為替手数料と顧客に選択余地のない強制取引をさせているのだ。
例えば米ドルの円転が強制でなければ片道の為替手数料を多少ぼったくったとしても、取引するかどうかは顧客の自由なので個人的にもそれはビジネス戦略の一貫ですわなで済む話なのだが、顧客に不必要な取引を強制させてコストを支払わせるというのは断じて許されるものではない。

なぜDMM証券はこのような不透明スキームを作ってしまったのか。
一因としてDMMの金融部門の先頭が‘FXにあることが原因だろう。
言い方は悪いが一部を除いて一般的には大半のFX投資家は単なるギャンブル中毒者で頭が悪く、金融リテラシーも実は低い。
いわゆるチンパンジーみたいな人種で、丁半博打的にやっている人が非常に多い。
それに為替取引はいわゆる隠しコストをこっそり抜く余地がたくさんあるので、隠れコストで利益回収するというのが常識化している。
一方で株式取引は取引所があり、株の値段がいくらとはっきり出るため、株取引においては売買手数料か預入金の利息を抜くか信用取引の金利コストをもらうかの3択ぐらいしか隠れコストを抜くことができない。
そのためDMM証券は顧客を馬鹿にするのに慣れてしまい、こうした顧客を馬鹿にしたようなサービスをローンチさせてしまったのだ。
しかし日本人で米国株に投資する人というのはそのような頭チンパンジーみたいな人は少なく、概して中級者でかつ英語ニュースをすらすら読める知的水準を持ち、かつ金融リテラシーの高い層が中心だ。
そのような人達にこのような詐欺的サービス提供は通じないし、逆にDMM証券はこういう経営姿勢をする証券会社なのだなと失望させるだけになる。

DMM証券がこのようなクソサービスを立ち上げた理由も背景もわからなくはないが、普通は躊躇して出さないようなサービスをローンチさせるところにDMM証券の顧客誠実さの低さが垣間見えた案件であった。
この辺をごまかしてDMM証券いいですよとアピールしてアフィリエイトを進めるサイトは全部消滅してくんないかな。

未だにPEファンドはすっ高値で投資家にIPO株を売ろうと画策している

Investors race to tech start-ups despite SoftBank stumbles



誰が分かってて養分になるのか。

PEファンドブームであることは以前に記事にも書いたが、PEファンドの投資体制についてウィーワーク事件以降変化がでてきているようだ。
ウィーワークの件があり、やはり投資家側があまりにもアーリーステージのスタートアップに多額の金を突っ込むのはリスキーだと考えているし、PEファンド側も一発ミスると看板に傷がついて金が集めにくくなるという事情も理解しつつあるようだ。
そのためPEファンドおよび投資家はレイターステージ(ようは上場までの道筋がかなりもう見えている状態)のベンチャー中心に投資するスタイルへお金をつぎ込む方向に変化しているようだ。

でもこれはいってみればもういつでも上場できるような未公開企業にファンディングという提灯をつけさせて、高バリュエーションをつけさせてから投資家に株を売りつけたいという意図がみえみえなのが、はっきりいうとむかつく。
基本的に未公開企業の評価というのはエクイティ資金調達を行った時のみ再評価される。
なぜなら未公開の間はその企業の株評価というのは資金調達の時でしか計算されることはないからだ。
そしてレイターステージ企業への過大な投資というのは、もはや上場前にその企業に雑な成功ストーリーに基づいた投資戦略を作らせて公開時のバリュエーションを無駄に引き上げさせ、公開市場で投資家にすっ高値をつかませたいという意図しかない。
なお、文章だけだとイメージしづらいし実例が知りたいという方はソフトバンクの決算を複数期過去分を追ってみるといいかもしれない。
なぜならソフトバンクは決算前にビジョンファンドに投資先に追加出資させて評価金額を吊り上げ、それを企業利益に入れたりとかして決算を作っているということもしていた。
(だからこそ、ソフトバンクの決算数値自体が信用できないという意見もある)
そして結局そうした無駄な評価吊り上げによりすっ高値で上場したウーバーやスラックの株価が平気で公開価格から3割以上の割引は当たり前みたいな下がり方をすることになる。

上記を考えれば公開する直前に無駄にVCやPEがベタベタ投資して、それに伴い投資金額を倍プッシュしている最中のところですっ高値バリュエーションで買いたいとかいう投資家は情弱という表現以外で表現することは可能なのだろうか?
というわけで以前よりもずっとIPO銘柄について少なくとも2-3回は決算を確認してその企業の本当の実績というのを確認することの大事さが増していると個人的には考えている。 

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村越誠

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