米国金利上昇を構造分析、長期金利はそろそろピークアウトへ

ダイヤモンドオンラインでこんなこと書かれると逆にボトムっぽい。

30年金利について天井は2.5-2.7%の間だろうとこのブログでは繰り返し言及してきた。
財政拡張前提としたインフレによる金利高というシナリオ自体がそもそもそんな長く続くものではないと思っていたので、ここは当然だろうと思う。
そのことをパウエル議長も認識しているし、財政拡張政策が無限に続くわけではないのでインフレは財政拡張策が終われば自然と落ち着く一時的な現象だし、そういったことを考慮すると量的金融緩和を撤収させるという話は今すべきものでもないという判断も至極真っ当なもので、これをメディアには繰り返し述べて強調している。
そして、その話がようやく市場に浸透したものと思われ、そして金利がゆるやかに低下していっている要因となっている。

ただここからさらに金利が下がると考えるのはやや調子に乗りすぎな考え方だと思われる。
金利がこれ以上下がるとようやく少し適正レベルに落ち着きの兆しを見せ始めた米国不動産価格が再び急伸を続けかねない。
過去に不動産バブルをやらかして盛大に爆死したことを考えれば、あまりにも行き過ぎればFRBも看過することは難しいだろう。
そうなるといよいよ本当に財政支出拡張を進めながら量的金融緩和を撤収するというぎくしゃくな政策が発動されかねない。
これは相場にとっては非常に厳しい悪材料になるし、一気に不透明感が高まりかねない要因である。

以上を考慮すると、30年金利が2%を割れて動くようなことはやや考えづらいと思われる。
現在ブレークイーブン30年が2.23%なのでほぼどんぴしゃの位置に30年金利は落ち着き、実質金利がマイナスになれば再びモーゲージ需要が増加して再び金利を押し上げようという動きになるだろう。
30年金利が2%を割れないようであれば、自然とそこからイールドカーブのヒストリカルの限界を考えれば10年金利・5年金利の下げの居所もいったんは決まるように思われる。
今更ダイヤモンドオンラインが米金利のピークアウトとか言い始めて、一般的なビジネスマンにも金利低下認識が浸透しているなら、やはりここからさらに急速に金利が下がっていくと考えるのはやや行き過ぎた考え方だと思われる。
大体当ブログで当たっている内容のものはマスメディアに対して約1-1ヵ月半程度先行して記事にしているので、まあ大体こんなもんではないかと個人的には考えている。

一般的にはこの金利が居心地のよい低い水準でとどまって推移する相場をゴルディロックス相場という。 

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