米国債利回り曲線スティープ化、再び見直す動き-今週FOMCに注目

気づけば米債30年金利が3年移動平均線に到達している状況になっている。

<米債30年金利のチャート>
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このブログでは何回も言及しているが、大きな流れというものの一つの閾値を3年移動平均線で見ている。
過去1年平均だと条件次第では平気でその閾値を超えてしまうということは多々ありファンダメンタルズの織り込まれ具合がいまいちだったりするのだが、過去3年平均というレベルで長い期間をとれば大きなファンダメンタルズもこみこみの移動平均なので、安定感のある資産の場合はこの3年移動平均線を普通は大きく外れ続けるというのは続かない。
(3年より長く移動平均を取ると、逆に投資としては古いデータを取りすぎてノイズが大きくなってしまう)

米債30年金利は2018年末あたりの米中貿易摩擦と米国政策金利引き上げによる景気低迷効果で、途中からFRBが金融緩和姿勢に転じていったということから3年移動平均線を下回り続ける動きとなっていったが、これが解消されたことを意味する。

おそらく年末時点ではここまで米債30年金利が上昇すると見通していた人はほとんどおらず、個人的にも3年移動平均線レベルまで戻るということは可能性の中にはほとんど入れていなかった。
上昇したとしてもまだまだ3年移動平均線より下という状況が続くものと見込んでいた。

ただ、歴史的に言うと米債30年が3年移動平均線の辿り着いてから、これより上は基本的に動きが非常にとろくなる。
これは普通に考えると米国・ひいては先進国全体の潜在成長率が下がってきており、それにあわせて潜在的な中立金利も低下しているからである。
少なくともコロナウィルスによる経済低迷を無理やり巨額財政で埋めているわけなので、2018年とかの米債30年3年移動平均2.9%みたいな数値のポテンシャルが現在あるということはやや考えづらい。
過去では3年移動平均線からの上方乖離率は30-40bpsがせいぜいであった。
しかも大体その時は既に利上げ状況も半ばみたいな状況であり、今のようなまだ金融緩和は当面続くみたいな状況ではない。
そのような中この3年移動平均線を大きく無視した金利動向をしていくというのはやはり見込みづらいと感じる。

もちろん米債10年・5年はFRBの抑え込みにより、まだこれら年限は3年移動平均ラインに届いていないことは確かであり、現在は20-30年の超長期金利上昇リスクよりも10年金利上昇リスクの方がきがかりということになりそうである。

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