歴史を振り返れば多分という話。

昨日のブログで記載した通り、モーゲージ金利20-30年の需要がばかすかできていることから、そもそもこんな金利で貸すのが馬鹿らしいとかコンベクヘッジとかがあり、超長期金利は世界的に運用難の中で債券村の意表を突く形でどかどか金利上昇していった。
一方で短いところはパウエル議長が牽制しているということもあり、5年債で所詮20bps程度の金利上昇と大したことはない。

では超長期金利はどこまで上昇する可能性があるのか?
短期金利がアンカーされている中で、ヒントはイールドカーブの歴史にあると思っている。

<ヒストリカルイールド差>
タイトルなし
https://muragoeinvest.com/ustmarket


イールドカーブが一定以上立つと短期を売って長期を買うというオペレーションをやるだけで無限にさや抜きが可能になってしまうため、イールドカーブが立つにしても理論的な限界値が存在する。
イールドカーブが一定以上立つと通常はその後短期金利が上昇していくことによって是正されていくというのが歴史的な流れである。
そして過去の限界値を見ると下記の通りになる。

10年債・・・5年債+1~1.5%
20年債・・・5年債+2~2.5%

現在2023年末から利上げが開始されることが想定されているが、未だコロナウィルスが猛威をふるう中で本当に利上げできるのかどうかと市場は疑っている。
それに失業率やイニシャルクレイムの数値を見ても、すぐにFRBがテーパリングを考えて利上げに備えた地ならしをする体制にもなっていない。
そのため5年債は多少金利上昇したといっても未だ0.7%弱で推移している。

現在の5年債からの理論的な金利限界値は以下の通りになる。

10年・・・0.7+1~1.5 = 1.7~2.2%
30年・・・0.7 + 2~2.5 = 2.7~3.2%

個人的には10年は以前のブログ記事で書いた通り企業借入に直接的に関わる10年金利はややFRBが抑えたい気持ちの方が大きく、2.2%だと実質金利ゼロになってしまうことから、1.7%寄りが現在の金利上昇の限界値と考えている。
一方で30年は変に住宅投機バブルが深刻化するぐらいなら、企業借入に関わる部分が薄い年限は多少金利が上昇しようがFRBは放置するという方向の方が強いように思える。
そのため30年は住宅価格の伸び率が冷静な範囲に落ちるまでは上昇を続け、3%台に突入することも予想の範囲内に入り始めている。
ただ十分2.7%寄りシナリオも考えられ、10年と比べると30年金利のレンジはかなり広くならざるをえないような気がしている。

こう考えると超長期金利はやや怖いものの、現在の金利状況から見える範囲が限定され始めていることから、相場への悪影響は短期金利上昇の気配が見え始めるまではそこまで気にする必要性ないように思えてきている。

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