中国中銀が予想外の資金吸収、バブル警告も-本土・香港市場に冷や水

2015年のトラウマがありますので。

年初になってから香港株や米国上場の中国株を中心に中国関連株は好調な推移をしていた。
ただ中国政府は現在賃金レベルの上昇なしでの資産バブルはよしとしていない。
というのも2015年の中国株バブルで非常に痛い目に合った。
習近平氏が就任してまだ3年で共産党内の地盤固めが終わっていない状態のところで景気浮揚のために金融緩和を進めていたのだが、その最中でまるで政府お墨付きかのように株投資を煽ってしまった。
中国人の投機熱は一度火がつくと非常に一方方向に動きやすいイナゴみたいな性格があり、本土株総合指数はたった数ヵ月で2.5倍にまで一方通行で上昇した。
しかし、その後一転して中国政府は引き締めに走ったのだが、一気に投機熱にダメージを与えたことにより本土株はあらゆる銘柄が連続ストップ安や連日サーキットブレーカーとなって、売りたくても売れないみたいな状態になりあっという間に半値にまで陥った。

<CSI300のチャート>
タイトルなし



しかもその過程で人民元切り下げにもせまられることになり、これが中国だけでなくグローバルに影響を与える事象となった。

当時の写真を調べればいくらでも有名な写真が出てくるわけで、この時の市場の動揺はすさまじいものであったと個人的にも記憶している。

このことは習近平がトップにいる限りにおいては忘れられることはなく、そのため投機熱・特に株に対しては非常に監視の目が厳しい。
特に足下のような米国が輸入を増やしていて、かつ海外の人の往来ができないこともあり、中国のメイン資金流出減である本土からの資本逃避が少ない・米国からの中国株投資も増えていることから中国株上昇率が高まっていた。

そこで今回PBOCが資金吸収をすることにより中国国債利回り引き上げ・それに伴うリスクプレミアムの上昇で中国株・香港株はやや大きめな下落となった。
前日にロビンフッドの取引障害でプチフラクラみたいな動きとなった米株の動きもやや影響を与えたように思える。

ただ中国政府も根本的には景気を殺すような資金供給をする気というのはさらさらないはずである。
そういうことを考えれば一回大きめに資金吸収をするが、その後は再び相場の動きを見ながら微調整させていき、上昇するにしても基本的に持続可能な安定上昇レベルに抑えるように努力しようとする。
そういった意味では中国株・香港株に投資するにあたっても相場全体というよりはグロース株にフォーカスしていくのが得策のように思える。

副業関連情報を配信中