Eurozone banks reduce lending as bad debt fears grow

欧州株が出遅れているのはこの辺の事情だろう。

足下で欧州の銀行が貸し出しについて不良債権の積み上がりを懸念して貸し出し姿勢を厳しくしているという報道が出ている。
上記FTの記事では運転資金や在庫維持のための需要は強いものの、銀行がリスクの高まりを懸念して融資姿勢を厳しくしていると報道されている。
これについては欧州銀行がそもそもリーマンショック以降サブプライムの後遺症を未だ抱え続けて処理が遅れているということもあるのだが、ここにきてEUの構造的欠陥がさらにのしかかっているという状態になっているなと感じる。

これは銀行が政府サポートについて確証を得られないことにあると思っている。
例えば米国であれば政府当局の銀行は常にコミュニケーションを保っており、このコロナ禍の中でどういったサポートを提供してもらえるのかをツーカーでやりとりできている。
日本・アジア各国も基本的には政府当局とのコミュニケーションの中でそういったサポート政策の見通しに大なり小なり確証を持っていることから融資状況については安定した状態が続いている。

一方でEUが難しいのはやはりその矛盾した構造にある。
政府としては銀行の貸出を促したいが、その予算がEUの縛りで自由に確保することができない。
そのため銀行も政府当局とコミュニケーションは取るものの、他の先進国と比べると政府サポートに対する確証がEU内の政治闘争でサポート量が非常に不確定ということもあり、
ECBは間接金融市場を通じてサポートをしてくれるものの、銀行の貸出について直接的にサポートしてくれるのは政府の役割なので、そこまで踏み込むことができていない。
なので、もちろん足下でコロナウィルス感染再拡大に伴う規制の強化も影響はあるものの、どちらかというと政治的マターによる阻害要因の方が大きいように思える。

これが直近ユーロ圏に所属している銀行が貸し出しについて慎重姿勢に転じていることと、そのせいで株価パフォーマンスが米国や東アジア地域と比べてパッとしない原因になっているものと思われる。

<欧州株のパフォーマンス状況>
タイトルなし

https://muragoeinvest.com/worldcompare


ブレグジット問題も抱えている中で、なかなか欧州株自体はテーマ性を持った株以外は基本的に米国株に劣後するといった状況が続きそうな気配である。
ちなみにロシア株はEU圏ではないというものの、基本的に欧州の経済状況と原油価格でほぼ決まるといったところもあり、ここも元気がない状態が続きそうな気配である。

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