コロナ変異種が招いた英仏間の物流寸断 一部緩和も混乱続く恐れ

どこまで、およびどの時点から変異種リスクを考えておくべきか。

英国で新型コロナウイルスの変異種が出現したということで、このリスクについては点検しておきたいと思う。
一般的には変異種というのはそのウィルス自体が感染を拡大させて生き残るために弱毒化していくと言われている。
ただ英国の変異種はまだその毒性について未評価かつ変異種一回程度ではどうも弱毒化はそこまでしていないということで、世界各国で海外との往来規制を再強化する流れとなっている。
このニュースを受けてアジア時間では真っ先にANAとJALが売られる展開となった。

変異種のリスクとしてはまず配布が始まっているワクチンが効かないのではないかというリスクである。
一応各種報道を確認すると全く効かなくなるということはなさそうだと報じられているが、その評価の真偽はまだ日が浅く定かではなさそうだ。
ただ相場もまだ色々考えるには早いと思っているのか、指数ベースで見ると大した影響は出ていない。
問題はまた新しい変異種が次から次へと登場してくる可能性が十分にあるというところだろう。
これが意味することは人の自由な往来はワクチン完成後も当面続きそうだということである。
JAL・ANA株が英国の変異種報道以降再び下げで向かっているのはそういうことを意味している。
他のアゲインストコロナで外国との往来が前提ビジネス銘柄の先行きは再び暗めになりつつあるように思われる。
底割れしなくとも、株価があがるかどうか言われるとやはり影響受けない銘柄と比べると立ち位置が不利だということは明白だろう。

このコロナ変異種リスクがどこまで本気に捉えられているかは航空株動向次第だろうから、他の先進国市場の航空株はまだやや底値よりは高い位置を保っているが、ここが底割れ近くまで下落してくるかどうかは要注目だろう。
底割れに近くなってくるとさすがにその他銘柄も影響度合いを無視できなくなってくるので、例えばだが米国ETFのJETSを見ながら雰囲気は確認しておきたいところだ。

<米国航空株ETF(JETS)のチャート>

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人の往来減少を激しく伴うなら再び原油関連にもフォーカスはあたるだろうから、XLEなどの原油ETFの動向も逐次確認しておきたい。
ここの雰囲気が怪しくなってくるまではまだ相場としては真剣に織り込んでいるとは評価できないので、政府・中銀のじゃぶじゃぶ資金注入がグロース株を中心に相場を押し上げていくというシナリオを維持していきたいと思う。

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