ECB、政策変更見送り ラガルド総裁「ユーロ高の影響注視」

中央銀行は金持ち投資家のために金融政策をやっているのではない。

昨日はECBの金融政策決定会合だったが、現状維持な上に先行きについても大したヒントが出てこなかった、というよりタカ派なコメントまで出そうという動きをしたという報道があったのに最初の相場リアクションはリスクオンに傾いた意味が全くわからなかった。

このブログでは何回も書いているが、景気低迷する中で相場が上昇するには中央銀行が投資家の「ショウミーマネー」の要望を満たす必要性がある。
しかしリスク資産価格がありえないレベルで高すぎる位置にある一方で米国債大量発行ブラックホールが控えている中で、この投資家の「ショウミーマネー」要望ハードルは非常に高いものになっている。
しかし、一方で中央銀行は決して投資家のために存在しているわけではなく、これだけリスク資産価格が高い位置にある中で投資家の要望を満たすような追加おかわりQEをやってくれると今段階で想像するのはさすがに欲が深すぎる。

案の定ECBの政策決定会合では現状維持ということで、特段QE的な何かをすぐに追加してくれるとかそういうのは一切匂わせることはなかった。
一方でこの発表直後の投資家の勇み足は全く意味不明であった。
この発表直後ユーロドルが高値になるのはECBがユーロ安誘導に動かなかったということで理解できる。
しかし、なぜかその後に米株先物上昇・貴金属価格上昇・仮想通貨上昇というまるでECBが何か金融緩和を追加してくれたのではないかみたいな動きをした。
単純にユーロドルの動きに釣られてみんな騙された感じのような動きになった。
一方で米債はECBから追加マネー供給が見込めないことを見越して一気に超長期金利上昇に動いた。
この時点でどちらかが株側と債券側のどっちかが間違っているような雰囲気はあったが、結局このECB政策決定会合でわかったことは「ECBから投資家が期待するようなおかわりは現段階では期待できない」以上の何物でもなく、結局米株の最初の動きを全否定する形で米株下落に転じていった。

そして一番怖いのは来週水曜日のFOMCである。
このままだと十中八九新味のある話は出てこないだろう。
一方でクソ高いリスク資産価格を買い込んでいる投資家は「なんでもっと金を出さないんだ」と文句をたれて売ってくるだろう。
これが巻き起こるとコールオプションすっ高値で買った人のペインが加速し、全体的な売り加速も視野に入ってくる。
そういった意味でいよいよ真剣にポートフォリオの防御力をどう高めておくかが非常に重要な局面に差し迫りつつあることは間違いない。

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