トルコ・リラ、対ドルで過去最安値に下落-国営銀行の介入も奏功せず

まだ認識している人が少ないが、本当に大丈夫なのだろうか。

足下で急速にトルコがきな臭くなっている。
まずトルコの代表株価指数であるイスタンブール指数が現地通貨ベースで死ぬほど下がっている。

<イスタンブール100指数のチャート>
タイトルなし


そして一番重要なファクターである為替も同様に死ぬほど下がっている。
<USDTRYのチャート>
タイトルなし

特に貿易関係でより重要な対ユーロはもっとひどい状況になっている。

<EURTRYのチャート>
タイトルなし

それからトルコリラファンディングがひどいことになっているという話もちらほら。

<参考ツイート>



トルコについてはここまでなぜひどい状況になっているかは下記過去記事を見てもらいたい。

<過去参考記事>

トルコ大炎上でアルゼンチンコースが見え始める


ただ上記事情に加えて、コロナウイルス不況のせいで新興国投資なんてやっている場合ではないと皆がドンびいてしまったことから、そもそもお隣のシリアで無駄な軍事費垂れ流し、無理くり低金利政策進めて経常収支ぶっこわして、さらに独裁で外貨両替しようとしたら逮捕されるような国に誰が投資なんてしたいかよという話になってしまっている。
既に外貨準備もスワップ除くとほぼゼロに近いレベルで使い切ってしまっているのではないかという疑惑もある。

トルコがぶっ飛んだ場合はアルゼンチンのようなしょぼい新興国が飛ぶのとは事情が大きく異なってくる。
トルコに対しては多くの欧州の銀行が参入しており、ローンなどを提供している。
銀行によっては地元資本参入している欧州銀行もあるぐらいである。
つまりトルコがぶっ飛ぶと、次に欧州の銀行が炎上するだろう。
一番トルコに深入りしてしまっている欧州銀行だと、例えばスペインのBBVA銀行とかがある。

<スペインのBBVAの株価チャート>
タイトルなし


そして相場が下がる時というのはリスク資産を投げざるを得ない人達が出た時であることも、以前にブログで記載した。

<過去参考記事>

売らなきゃいけない人がいるときに相場は壊れる


欧州銀行が炎上すれば、欧州銀行からリスク資産の投げが生じるだろう。
トルコが炎上すると、他にやばい新興国はないかという粗探しも始まりかねない。
ドルやユーロ流動性に問題が生じる可能性も否定できない。

これが認識された時は文句なく株ショートが一番ワークするだろう。
特に流動性が低い、弱いセクター、重厚長大系、トルコにエクスポージャーを持つところのショートが一番ワークする。
米債は流動性懸念があるが、それでも本当に流動性が生じる前まではリスクオフの過程で金利は下がるだろう。
問題は貴金属で、トルコは外貨準備高尽きた場合は手持ちゴールド売りが発生するので、短期的にここまで大きく投資需要だけで上昇してきた貴金属に少し大きめなアンワインドが出る可能性があることは頭の片隅においておきたい。

ただ、あくまで既にB格まで格付けが落ちた新興国の話なので、緊急利上げ+EUとIMFによる資金援助が入る目処が立てば相場ががたついても 最終的にはリスク資産の良い押し目となるだろう。

ちなみに新興国経済ってどういうとこ見ればええねんという人は下記過去記事を参考にしてもらいたい。
<過去参考記事>
新興国経済を見る上で重要な「国際収支の天井」という概念

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