米国株、ダウ反落で始まる 失業保険の申請件数増加を嫌気



金槌でガツンと殴られるような衝撃。

7/23に発表された新規失業者保険申請数は一言でいえば、景気にとって出ちゃいけない数値がでてしまったといっても過言ではなかっただろう。
今まではいくら米国でコロナウイルスの新規感染者数が増加しようが、新規失業者保険申請数や雇用統計を見る限り改善しているということを心の拠り所かつ前提として市場参加者は動いていた。
改善ペースが鈍化していたとしても、改善しているわけだから無視しても構わないと考えている参加者が多かったように思われる。
しかし、これについては米債参加者はそんなわけなくないかという懐疑的な目線を保ちながら、度々米債超長期の押し目を拾いながら動いていた。

そしてとうとう7/23に発表された前週の新規失業者保険申請数は143万件と前回数値130万件からかなり大きく増加に転じてしまった。
ここまで既に景気指標はいくつか怪しい兆候を見せていたが、それをはっきりと証拠として突き付けられた。
米債超長期はそれ見たことかとばかりに強烈にブルフラットしていき、本格的な景気停滞モードに移行している。

<米債30年金利のチャート>
タイトルなし


<過去参考記事>

米国景気回復のV字回復期待が薄れ始める実経済データ


トランプ大統領がここもと経済の再始動について口やかましく早くやれと発破をかけていたのは、おそらくこのジョブレスクレイムのデータを知っていたからだろう。
しかし発破をかけたところで感染者数が爆発的に増加してしまっている州では病床が埋まっていては経済再開なんてできるわけないだろという話になるし、スウェーデンのノーガード戦法の結果を見ても、感染者数が爆発的に増加すると自然とみんな活動を低下させて自衛して経済活動が低迷することも既に判明している。

<参考ニュース>
命も経済も救えなかったことが明らかに…ロックダウンしないスウェーデンの戦略

次期大統領選挙では一にも二にも雇用がどれだけ回復するかにかかっているが、この時点で雇用の回復が止まれば、経済対策でさえ上手くできなかったということでトランプ大統領は一期限りの大統領ということで終わる可能性が高まってしまう。

リスク資産価格はまだぎりぎり冷静さを保っているが、これは前日記載した通り全てドル安に依存している。
このドル安が止まった瞬間、もう逃げ場はなくなるので、そうなると流動性がない銘柄から一気に沈むだろう。

<過去参考記事>

足元の重要ポイントはドル安


こうした米国経済の分析については下記を参考にしてもらいたい。

<過去参考記事>
投資の役に立つ統計から米国経済の状況を読み解く方法

別に中長期保有目的のものまでぶん投げるとかそういうのは必要ないと思うが、少なくとも少し下がっただけで破滅するようなポジションや流動性のない銘柄だけは外した方が賢明だろう。

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