ドル・円は弱含み、リスクオンのドル安地合い続く

足下の相場はドル安を起点として動いているように思える。

昨日からドル安の流れが急速に進んでいる。

<ドルインデックスのチャート>
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対円で見るとあまりわからないが対ユーロで見るとその流れはすさまじく、欧州共同基金報道で一旦出尽くすかと思われたが、その後もドル安の流れが継続した。
財政拡大と金融緩和の継続という流れを引きつつぎ材料視しての動きだが、なぜ昨日かと言われるとよくわからないままドル安の動きとなってきている。
相場は引き続き鉄火場的な動きを見せており、なかなか株ショート組は報われない状況が続いている。
一方で米債ロング・貴金属ロング組はドルのじゃぶじゃぶ具合の恩恵を受けて安定したパフォーマンスを生み出している。

特にドル安で最も足元恩恵を受けているのが貴金属だろう。
金・銀・プラチナ・パラヂウムはもろにこれに反応して動いており、銀は10年ぶりぐらいに相場が動意づいていることで注目している人が増加しており、OCCのサイトなどを見ると銀に投資するETFがオプション出来高でQQQより多くなっているという異常事態が発生している。
(ちょっと銀はさすがに短期間で反応しすぎだとは思うが)

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足下のような景気停滞時はドル安というのは世界的に歓迎すべき動きとなっている。
ドル安ということはドルを手放す人の方が多いことを意味しているからだ。
しかし、足元の急激な景気停滞に伴ってみんな借入金の返済にきゅうきゅうとしており、とにかくドルが欲しいので、ドルを手放してくれる人が多いということは大歓迎な動きである。
特にドルで金を借りている新興国にとっては喉から手が出るほど欲しい資金であり、ドル安が起こる中で自国通貨の減価なしでドルファンディングをこなせるということもあり、世界経済を救う上では必要不可欠な動きである。

そういう意味ではドルが手放されて各資産に動いていることが相場の起点になっているが、もはや足元の相場は完全にこれ頼みとなっている。
特に米国の輸入金額が未だひどい状況であることはドル放出量がまだ安定的でないことを示しており、
米国の景気指標を見ていても、足元のブルを肯定できるようなすぐに輸入が増に直結するような勢いは見られていない。

<参考記事>

米国景気回復のV字回復期待が薄れ始める実経済データ


またロビンフッダー動向を見ると、個人投資家は足元でポジション作りを手控え始めており、ドル安でひゃっはーで動いているのは機関投資家というのも足元の相場の切り替わりの主要因になっている。

<ロビンフッダーのS&P構成銘柄保有口数増減動向>
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なのでドル安が止まったところが今回の上昇相場の調整のスタートきっかけになる可能性は大いにあるだろう。
足下の金融・財政動向を考えれば1-2年はドル安の流れが根本的に続きそうではあるものの、輸入増というファンダメンタルズから来るドル放出ではないので、一直線の動きではなく間に休息をはさみながらの動きになるものと思われる。

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