バブル懸念する中国当局、上海と深圳の株高進行に相次ぎブレーキ

昨日に引き続き中国株式市場の考察である。

なぜこのタイミングで中国政府は株を煽る必要性があったのだろうかというのがどうにも引っ掛かっていた。
そもそも単に景気を盛り上げたいっていうだけの理由だったら、2018年のあの景気がまさに上向きなっている時に煽っていないとおかしいという気がするし、2015年に自分も体験したがサーキットブレーカーが発動して全銘柄がフリーフォールで株価が落ちるという体験は中国政府としては二度としたくないと思っているはずだ。
あの時は中国政府が不必要に株式を軽はずみに煽ったことがまさに原因であったわけで、そのようなことを理由もなしに行うとは考えにくい。
そこで何か別の理由があるのではないかと視点を変えてみたい。

一つ思いあたるのはSMICの上場である。

<参考ニュース>
中国半導体SMICが上場 初値は公募価格の3倍

SMICとは中国の国産半導体ファウンドリー会社であり、昨今の米中通商バトルが行われる中で最も中国のアキレス腱となっている半導体の低い自給率の引き上げをしたい中国政府にとってはまさに国家の威信がかかった企業でもある。
しかし現状ファウンドリーの巨人でもあるTSMCに二世代は遅れていると言われていることに加えて、サムスンの背中も遠い状態であると言われており、研究開発や設備投資の拡大が急務と認識されている。
このSMIC自体は香港市場で上場しているが、米国上場廃止したということもあり本土でも上場させ、資金を確保しようと動いていた。
SMICは政府から補助金をもらっていることもあり、政府の全面的バックアップの下、大型資金調達をできるだけ大きな金額で行いたいというのはまさにその通りだろう。
5月から上場予定ということについて表明していたことから、6月頃に煽ってIPO価格を吊り上げようとしたのもスケジュール的にも色々合致する時期だと思う。
だからこのIPOの金額を吊り上げるために健康牛だのというチープな煽りをしたのだと思う。
半導体産業を盛り上げるという国家の威信がかかったものであれば、少しぐらい株式市場を煽るのも厭わないのではないかと個人的には考えた。
 
しかしその上場も7月16日に完了し、国家の威信をかけたIPOは無事終了した。
まあ実際のIPOはそれ以前に玉を集めるわけだから、実際に中国金融当局が警告を出したタイミングはほぼIPOの玉を集め終わった時期なんじゃないかなと思う。
そうなればもはや政府は株式市場を不必要に煽る必要性もないし、おそらく中国政府としてもこのSMIC上場に合わせて煽った分の鎮静化が必要だと感じていることだろう。

そのことを考えれば一応信用取引残高はそこまで膨らんではいないものの、中国政府が正常レベルと考える信用取引残高/浮動株時価総額の割合が2.5%になるまでは中国政府による市場への援護射撃はない(というか妨害される)という前提で考えておいた方がよいのではないかと思う。

<過去参考記事>

中国株の信用取引状況から見えてくる中国人投資家の思考


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