China May property investment quickens, sales rebound

コロナにも負けない不動産購入意欲。

上記記事では中国の不動産販売が回復してきているという記事になるが、ほんとかいなと思う人がいるかもしれない。
中国は何分統計がきちんと取れていないものが多すぎるということもあるので、中国不動産を見る際には分譲大手企業のIRサイトを見ると月次で販売床面積と金額をどの企業も記載してくれているのでそこを確認するとかなり実情がわかる。

それらを確認するとさすがにコロナウイルスで真っ先に都市封鎖に直面した中国は2-3月こそ不動産販売がボロボロだったが、5-6月に入って販売件数はかなり回復してきており、前年同月比でプラスにまで回復している人達がちらほら出始めている。

たとえば香港ハンセン指数にも採用されている中国不動産大手カントリーガーデンの販売実績を見ると5か月で前年と同じレベルの床面積の販売を実行できている。

<カントリーガーデンIRサイト>
https://en.bgy.com.cn/investor.aspx?type=19&year=2020

さすがに景況感が悪いということもあり、販売金額は前年比-8%と一定程度単価割引をして売っているという状態であるものの、2-3月ほとんど売ることができなかったことを考えれば驚異の捌き方をしていると思う。

<2020年5月までの販売実績>
タイトルなし

<2019年の5月までの販売実績>
タイトルなし

カントリーガーデンは主に中級以下レベルの都市中心に住宅を捌いているわけで
(まるで中国のオープンハウス的な(売っているのはマンションだけど))
中国の不動産購入意欲はコロナに負けずに強いことがうかがえる。

中国不動産企業の中でもToo big Too failと言われるハンガリー政府よりも有利子負債を多く借りているゴリラ不動産会社エバーグランデも雰囲気10%ちょっとレベルで値切ってはいるものの、この安値に多くの中国人が飛びついて不動産を買い漁っていることが見える。

<エバーグランデの開示資料>
https://www.evergrande.com/ir/en/investing.asp

タイトルなし

もう少しちゃんとした大都市の販売動向を見たければ万科とか中国海外発展とかの販売動向を見ればここらへんも様子がわかる。

<万科>
https://www.vanke.com/en/investors.aspx

<中国海外発展>
http://www.coli.com.hk/en/ir_announcements/

中国海外発展などは財務に余裕があることから値引きをせずに在庫増加を抑えながら、とりあえず売れる範囲で売ろうという感じだが、それでも前年比-5%程度の実績ということで、やはりコロナウイルスについて真正面から影響をかぶったわりには足元の回復はかなり顕著ということである。

こうしたことからもちろん何でもかんでもコロナウイルスから回復しているというわけではないが、中国の状況を見ると少なくとも不動産はかなり影響が薄れてきているということがうかがえる。
これは不動産会社が一定程度値引いて積極的にプロモーションをかけると同時に富裕層の需要がマッチしているということだろう。

以前に米国住宅市場状況についても似たような記事を書いていたのを考えると、確かに失業率とか過去最悪レベルなものの、なにかこう致命的な悲壮感が出るという感じはしなくなっている。

<過去参考記事>

コロナウイルス不況でも戻るものと戻らないもの


こうしたことを考えればとりあえず公募増資・CB発行・劣後ローン調達・DES調達が必要にならなそうだなという企業については次回押し目時点でてきとーに買っても許されるという感じはしてきている。

最大50,000Tポイントが貰える 第2回SBI証券のポイント投資ご紹介キャンペーン