米雇用、5月は予想外の改善 就業者250万人増・失業率13.3%

金曜日の米国雇用統計は債券村の意表を突く形となった。

当初はエコノミストの就業者予想は-800万人と、おそらくジョブレスクレイムやADP雇用統計の数値を見ながら予想していたものと思われる。
しかし結果は+250万人と完全にエコノミストの予想範疇から外れた数値が出てきた。
もちろん統計上のからくりがあり、実際の失業率は16%でこの数値は間違いという検証も出ているが、市場はとりあえず経済の底打ちと好的に捉え全面的リスクオンで動いた。

さて、ここで焦点になってきそうなのが米金利である。


経済活動再開で早期に状況が戻るのであれば、短期はともかく長期金利がこの位置はおかしいという話になってくる。
金曜日のファーストリアクションはとりあえず米金利上昇で、その過程で米金利低下を材料にしてきたゴールドは手痛いパンチを食らう形となった。
ゴールドについては株とは違いほとんどの参加者が買いに疑念を持たないブル中のブルということもあり、この時点ではまだ反転上昇はしないだろうと踏んでいる。

<参考ニュース>
Gold Price Analysis: XAU/USD retreats further to $1670

ここまでは状況が悪化するほど金融緩和・財政支援が出てくる超緩和相場で回復してきた状態である。
これによりEPSは下落しているがリスクプレミアムが圧縮され、皆がそんなPER出るのかよというレベルにまで上昇している。
雇用が既にV字回復を始めているとなると、財政はともかくとしてまず金融緩和がこれ以上追加策が出てくる見込みは薄くなるだろう。
(一応この前日にECBがPEPPの拡大・延長は出していたが)
財政についてはトランプ政権が次の選挙に向けて支持率が下がっているということもあり、テコ入れのためにもう一度ばらまく意向を示している。
しかし問題は発行規模に対して国債買い入れで吸収しきれるのかどうかにある。
もちろんゼロ金利政策によって手前側はアンカーされているし、日銀のYCCや欧州のQEで米国以外の金利環境はメタメタなので為替ヘッジかけて自国より高い利回りを取れるのだったら喜んで投資を行うだろう。

<参考ニュース>
NY連銀、国債購入1日40億ドルに 長期金利上昇でも減額

ただ、瞬間風速的にCTAの売りなどが被さると長いところを中心にハッスルする可能性も頭には入れておきたい。



金利アンケートを取った時に10年1.4%を見ている人は少なかったものの、30年2%を見ている人がそこそこおり、ベアスティープを見ている参加者も結構多いようだ。
市場の予想外に債券ベアが続くようであれば、この超金融緩和相場はさすがに急速が必要になってくるし、ここは株しか見ていない人が一番見逃しやすいポイントでもある。
そういった意味では来週のFOMCについてはこの超金融緩和相場の要にもなるので非常に注目が集まるものと思われる。

来週のFOMCは政策据え置き、年内にYCC採用-エコノミスト調査



足元の雇用統計の数値をどう解釈するのか、YCC導入はありうるのか、トランプ政権のばらまきに合わせた国債買い入れは行うのか、金利上昇時にどういうオペレーションを行うつもりなのかを真剣に読む必要性が出てくるだろう。
 
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