レオパレスが希望退職、1千人規模 前期700億円赤字

コロナ不況で不動産販売できないところが一部自転車操業になるかもしれないので解説しておこうと思う。

不動産販売会社というのは基本的には不況・突発的な金融システムリスクに弱いと言われている。
そして場合によってはリーマンの時のように黒字決算のはずなのにいきなりデフォルトしたりというパターンがあったりする突発的なリスクが高い。
さらに不動産販売会社は開示された決算短信の損益計算書を見ても参考程度にしかならない。
以前の記事で銀行の決算は不良債権の増加が後から出てきて引当金損が出てくることから、決算数値だけ見ても意味がないということについて解説したと思う。
今回は不動産販売系会社についても若干似ているところがあるので解説しておきたいと思う。
 
不動産販売会社の決算というのも実は発表された純利益とか営業利益とか見ても出遅れなのである。
その理由は決算のシステムにある。
不動産販売会社というのは売上を計上するのは顧客に物件を引き渡したときである。
顧客に引き渡すまでは販売用不動産は流動性資産に計上される。
この流動性資産に計上される販売用不動産というのは顧客に引き渡すまでにかかった費用総額となる。
一方で顧客は国にもよるが引き渡し前に頭金を入れたり一部現金を先に不動産販売会社に差し出す。
そして顧客に引き渡せる状態になり、正式な引き渡しが終わった時に顧客が最終的に払った総額を売上に計上し、販売できた不動産のコストを費用に入れてPLを形成する。

ここまで説明すればわかると思うが、株価はこの引き渡し前の仮契約状況を見て動く。
だから真に見るべきなのはその不動産販売会社の仮契約状況とその収益性目標である。
決算短信見てあーだこーだ株価を論じるのは3周ぐらい遅れている。

そしてツイッターをやっている人は不動産クラスタの人達のつぶやきを見ればわかるが、基本的に不動産販売会社の経営者というのはツーブロックゴリラでリスクを顧みずに自分の手が広げられる限界で業容を拡大させようとする。
つまり顧客から一部差し入れられた前受け金をすぐに次物件の仕込みに使うのである。
しかもそこに銀行から借り入れも追加で行って限界までレバレッジをかける。
大抵の不動産販売会社の経営者はもう後先考えずこのやり方を行う。
(だからすぐ自転車操業になる)
これは好景気で不動産販売が上がり調子の時はまるで無限に稼げる打ち出の小づちみたいな現象が発生する。

しかし、何かの事情でパタと不動産が売れなくなったときどうなるだろうか?
決算の損益計算書は仮契約をして引き渡しした顧客分の売上計上ができるので1-2期先ぐらいの損益計算書はさほど影響を受けない。
しかし一方で販売用不動産と前受け金のバランスとフリーキャッシュフローの状況が一気に醜悪になる。
仮契約が進まないために前受け金がもらえず、顧客に引き渡すための販売用不動産の現金費用が出るためにキャッシュフローが真っ赤になる。
またリンク先のレオパレスなどはリース契約があり、財務諸表上に見えない偶発債務(簿外債務)が存在し、よりキャッシュフローが厳しくなる。
しかも仮契約が進まないということは値引きが必要になるため、販売用不動産に簿価のような価値がないのではないかという疑念も投資家や借入先の銀行から疑われ始める。

こうなると不動産販売会社は何が何でも手元にある販売用不動産をどんな値段でもいいからと投げ売りし、債務返済のための資金を作る必要性に迫られる。
これが一般的には不動産市況が崩れる原因であり、その過程で耐えきれなかった不動産販売会社が死ぬのである。

そういったことを考慮すると、足元のコロナ不況でも生き残れる不動産販売会社というのは
・一定程度賃貸事業を持っていて、最悪物件売って資金を作れる
・メインバンクの支援の確実性が高いところ
・短期借入金依存度が低い
・売上高に対して適正範囲の販売用不動産在庫を保有している
・一定程度値引きしても利益が出そうな高品質住宅を提供しているところ
・こんな状況なのにそれでも不動産を無理くり売るゴリラ(棒)
といったところだろうか?
(そもそも今の地合いで不動産販売会社触る意義あるのかはここでは問わない)

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