「金融センター」香港に打撃も 国家安全法に不安の声

現実論的に寄生相手に逆らうことは難しい。

中国は全人代が終わると同時に香港に対して国家安全法を制定して、香港への統制を強めようとしている。
米国は11月選挙まではコロナウイルスによる未曽有の不況を深刻化させたくないことから、米中貿易戦争についても米国側は口では強いことを言えるが、実際行動となるとしょっぱい動きしか見せていない。
だからこそ8月という米国選挙前で荒立って動けない時期に国家安全法を制定してしまおうという動きを見せているものと思われる。

個人的には現実的に香港で民主化勢力が勝つ可能性は皆無だと思っている。
同じように中国の影響について苦しむ台湾は米国のシーレーン確保というインセンティブに加えて、自国で一応は軍を保有し、経済的にも必ずしも100%中国依存しているわけでもないので、中国に反抗するだけの力は現在保有している。

しかし香港はそうではない。
ほぼ経済の全てを中国に依存し、自国では軍を持たず、法的にも最終的には中国に組み込まれることが国際条約で決められてしまっている。
昔は香港のGDPが中国と比べて圧倒的に大きいということもあり、中国も香港の反発を抑え込むことが経済的にダメージが大きいのを許容できずに、香港の支配を強める政策の発動をためらってきた。
しかし、足元では中国の経済成長に伴い香港の経済的重要性は低下し、最悪香港なしでも中国経済はいくらでも成り立つ状況になった。
一方で香港は中国なしでは経済が立ちいかない状況になっている。
香港は一応は中国の金融センターとしての役割を担っているが、それは中国が保有外貨が薄い時期には唯一無二の地位であったが、足元では最悪その位置を失ったとしても中国経済に与える影響は香港が受ける影響と比べればかすり傷に等しい。

そこに今回コロナウイルスにより、香港も他国と同様に失業率がうなぎのぼりに上昇している。
革命を成功させるには、革命が成功した時に自分達の生活が革命前より良くなるビジョンを見せることが最低条件であるが、その最低条件でさえ現在香港の民主化勢力は見せられていない。
多くの人達にとっては民主化より明日のご飯の方が重要なのである。
自力で立てる力がなければ国家独立などというのは夢のまた夢であることは戦前にドイツとロシアに挟まれた東欧国家の悲劇を見れば容易に理解できることだろう。
そこらへんを理解していない人は下記東欧の歴史書籍を読んで理解してもらいたい

<参考書籍>

ポーランド・ウクライナ・バルト史 (世界各国史)

とにもかくにも民主化というのはあくまで明日の生活がより良いものになるための手段であり、決して目的ではない。
しかし、現在の香港民主化運動勢力は民主化自体が目的になってしまい、本来革命を成功に導くための必要条件さえ忘れているように見える。
 
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