ECBが担保基準を緩和、ジャンク級のギリシャ債も受け入れ

もはやルールもへったくれもない。

ここにきてECBが中銀流動性アクセスの担保としてギリシャ国債まで担保として認めるというもはやそれなんでもありじゃんかという内容を出してきている。
ギリシャ国債はご存じの通り、ギリシャショック時にまさにデフォルトして、保有者には条件変更後の残存分(たしか40%とかそこらへんだったような)しか配られず苦渋をなめた人も多かったと記憶している。
未だに格付けもB格と非常に低いいわゆるジャンク国債だが、なんとこれを中銀担保に使えるというのはもはやユーロ建て国債ならなんでも担保として引き受けましょうという超大盤振る舞いだ。
これに加えてヘアカット率まで引き下げると言及していることから、絶対に流動性目詰まりで銀行は潰させないという迫力が見て取れる。

リーマンショック・ギリシャショックとショックが起こるたびに実経済の悪影響以上に、グローバルに金融市場が大きくなっていった中で流動性の目詰まりが起きるという現象が生じていた。
金融当局はそのたびにパッチワーク的な対処に追われるということになったが、未曽有のコロナウイルス不況に伴ってこうしたパッチワークみたいなやり方では駄目だと覚悟が決まっているようだ。
とにかく金融当局ができることはなんでもやるといった気概が今回は非常に強く、金融当局対応は後手どころかどちらかというと先手に回っているぐらいの印象がある。

以上から考えればやはり流動性目詰まりから生じる金融システムショックや崩壊という可能性は万にひとつもないだろうと推察される。
通常相場が実体経済の悪化以上に下がる時というのはレバレッジがかかった金融システムにダメージが走り、資産の換金投げせざるを得ない状況に陥ることによって生じる。
しかし、今回はこうしたレバレッジ解消のための加速度的投げが生じていないことから、おそらく実体経済減少分だけの下げで済むというのが個人的な考察になっている。
米国でいうと第二四半期の実質GDP成長率が‘-30%ぐらいというので、株価も30%減少がせいぜいではないだろうかという気がする。

<参考記事>
米GDP、第2四半期は30%のマイナス成長に-モルガン・スタンレー

そしてS&P500を見れば3400→最低値2200まで既に30%下落しているわけで、すでにこの実体経済減少分の下げは達成したとこれも推察している。
株価は概ね半年先ぐらいの未来を織り込んでいくので今の株価を見るとそこからGDPが15%ぐらい回復する未来ぐらいは織り込んでいるように見える。