NY円、続伸 1ドル=107円95銭~108円05銭、米景気懸念でドル売り

まず足元で円高米ドル安に転換したことは非常に良いことだ。

ここまで起こっていたことは突然のボラティリティ上昇に伴う各市場での流動性の枯渇が大きな問題となっていた。
それにより、ドルに対する需要が高まり、ドル高他通貨安という状況がここしばらく続いていた。
その緊張感は通貨ベーシスや米ドル短期金利、CP利回りなど見ても感じ取ることができるだろう。
しかし、ここまでなりふり構わぬ財政対策・金融政策対応をしてきたことから、まだ米ドルLiborは高い状態ではあるものの徐々にドル安に向かい始めてきた。
そういった意味では流動性目詰まりについては徐々に解消の目処が見えてきたという感じだろう。

ただし、だからといって何を買っても大丈夫だというわけではないだろう。
まず投資家は投資において投資先のバランスシートの状況を確かめてほしい。
最悪一年間今の状態が続いてもこの企業なら耐えられるだろうと思われるバランスシートを持つ企業に投資を集中すべきだ。
なぜなら、いくら将来性が高そうに見えても資金繰りが詰まってデフォルトや、借り入れができないので公募増資で希薄化して株価が二度と戻らなくなるというようなバランスシートしか保持していない企業は触るだけ損だろう。

次に業種選別だ。
デイトレ・短期狙いなら何を狙ってもいいのだが、中長期投資するならば避けたいセクターは決めておかねばならない。
避けるべきセクターはバランスシートを使う業種(不動産販売・商社・銀行)・人材・資源・素材も思わぬ減損が出る可能性を考慮する必要性がある。
特にリーマンの時に思い出されるのは新参企業が大量に出てきてバタバタ死んでいった不動産販売・人材系はまさに需要蒸発と影響長期化は避けられないので問答無用でさわるべからずだろう。
また、このような情勢において一番苦しいのは資金繰りについて調達できることを前提に動いているスタートアップ企業だろう。
以前購入した下記書籍を読むと、スタートアップは「外部から得た資金を一定期間で使い切って成長することを前提にしていて、使い切ったらさらに外部資金を調達する」ということを当然としたビジネスの進め方をしているのがわかる。

<参考書籍>

スタートアップ投資ガイドブック

読んでいて個人的に感じていたのが、その資金調達に対する考え方の危うさであり、今回のような流動性ない資産からバリュエーションが根幹から揺らいでいる状況で予定通りの外部資金調達が可能なのだろうか?
こうした観点からスタートアップ企業への投資があまりにも多い銘柄なども避けておきたいところだ。

とにかく当面はイージーマネーに頼りきりだった企業というのは基本的に全て切り捨てという前提で相場にあたった方が確実だと個人的には思っている。