インベスコ・モーゲージ、追い証請求応じられず

所詮リーマンの時の半額しかないが、いつ救済に乗り出すか注目。

あらゆるドル建て債券市場の流動性が枯渇し市場が崩れる中でFEDは対策をここまで打ってきた。
特に地方債・MBS・投資適格社債に矢継ぎ早にFED買い入れ対象にすると慌てて動いたことから、少なくとも買い入れ対象になった資産についてはかなりラリーして進み始めている。
しかしMBS市場において未だ売りが止まっておらず、まだリスクプレミアムが拡大している市場があり、今足元でそこが注目されている。

その市場とはノンエージェンシーCMBSである。
MBSの中でもCMBS(商業用不動産ローン)は一般的には比較的高いリスクのあるMBSと認識されている。
しかも元利金をギャランティーしてくれない(ノンエージェンシー)CMBSとはダイレクトに発行元の信用力変化にさらされる。
これが足元のコロナウイルスによる都市封鎖で大量にこげつく危険性があるということで買い手が消滅し、売りたい人は売ることもできず追証を受ける事態になっているのが、いくつかニュース記事を見てもうかがうことができる。
(記事一番上はインベスコが対象ファンドで追証払えないという話と米国REITが死ぬほど下がった理由)
そしてこのノンエージェンシーCMBSは残念ながらFEDの買い入れ対象に入っていないことから未だ流動性が戻っておらず、ここが崩れることを指して金融崩壊だという人もちらほらいる。

ただこのノンエージェンシーCMBS市場の崩壊とともにリーマンショックだあああと騒ぐのはそれはそれでナンセンスだと思われる。
例えばJPモルガンの総資産がリーマンショック以降3割ちょっとぐらい増加する中で、所詮CMBSの市場規模はリーマンショック以来半分程度になっている。

<CMBS発行量の推移>

CMBS Volume - Commercial Mortgage Alert



そういった意味では大手金融機関が今回FEDの買い入れ対象になっていないノンエージェンシーCMBSにのめりこんでいるという印象は一切ない。
つまりノンエージェンシーCMBSがどん詰まっただけでは金融機関がバタバタ倒れるといった可能性は低いだろう。
ただもちろんここが対策なく放置されっぱなしだと同様にFED買い入れ対象にならない債券種類の資産、つまりハイイールド社債・CLOなどに失望的な売りが追加され圧力がかかることが想定され、これが巡り巡って相場全体の足を引っ張る要因になりかねない。

ここまで比較的FEDが早めに手を打ってきたのだからここを完全放置するという可能性は低いとは思うものの、ノンエージェンシーCMBSのリファイナンス対策について米国政府・FEDがどのような答えを出してくるのかを注視しておきたいと思う。