なんなのこいつら・・・

ここでロシアがとりあえず緊急決定会合っていうのかと思ったら、なんと原油25ドルまでなら耐えられるだの、4月にこっちも増産してやるとか売り言葉に買い言葉になってしまい、サウジの暴走だけに留まらずロシア側も歯止めが効かなくなっている。
そうなれば市場の原油余剰はあふれてしまい、既にWTIベースで30ドル台なのにさらなる下落の可能性を孕むことになる。
もうこれはほぼ人為的な相場破壊行為で、両者のチキンレースに世界中が翻弄されているという状態である。
特に皮肉なのはサウジアラビアとロシアという両者独裁国家がトップダウンに泥沼にはまっていることに、あー独裁だと歯止め効かなくなるよなあという諦観を感じざるをえない事態になっている。
もうここまでくればほとんどOPECプラスなどというカルテル概念は崩壊していると考えるべきだろう。
 
原油の過剰な下げは前の記事でも記載したように米国クレジットの大幅悪化と中東SWFの人達の財政補填のためのポジション売りがセットで襲ってくるため、相場も皆が想定するより斜め上いくレベルで下がる。
既にもう相場はコロナウイルスによる景気低迷・高値で米株を掴んだクオンツファンドの投げ売りという悪材料だけでなく、原油価格崩壊によるクレジット市場崩壊と中東SWFのポジション投げという要素が加わってしまった。

このコロナウイルス騒動が始まってから一貫して最大の被害者はエネルギー関連資産だったので、やはりここが下げ止まらないと真のボトムは見れないと思われる。
つまり原油価格が一定程度持続的に回復するという目処が立たないといけない。
そのためにはサウジアラビアとロシアがどこかで妥協点を見つけるという努力を見せる、あるいは少なくとも見せようというポージングが見えないことには厳しいように見える。
またロシア側が25ドルまで耐えれるとかいう自殺行為なコメントしていることから、緊急会合機運は少なくともWTI原油価格が25ドルを割るところでないと見えないように思える。
それともシェールガス企業の破綻続出だけで果たして市場は許してくれるのだろうか?
個人的にはそこまでは予想できないので、とにかく相場の上下幅よりも調整の日柄を気にしながらエントリータイミングを見定めていきたいと考えている。