Saudis plan crude oil output increase, begin price war: Report

意地がはれる人がいる間は状況は悪化する一方。

金曜日にここまで減産のさらなる拡大を交渉していたOPEC+ロシアであったが、ここで完全に交渉が決裂するという事態になった。
この交渉決裂背景はロシアにあり、なぜロシアが交渉を蹴ったのかは下記の過去記事を読んでもらいたい。

<過去参考記事>

OPEC+ロシアの原油減産会議は難航中


OPEC+会議の交渉決裂だけで金曜日の原油価格は激しい価格下落とともに、フォワードカーブがさらなるコンタンゴになっており、多くのプレーヤーのポジションがぐちゃぐちゃになってしまっている。

<WTI原油価格のチャート>
タイトルなし


サウジアラビアとしてはもうこれ以上自分の身を削って減産してたららちがあかないと考え、減産が解かれる前に増えるであろう増産分を先に自分だけでやってシェールガス企業を粉々に粉砕してしまおうと考えたのだろう。
この逆張りでシェールガス企業を淘汰するという一部目論見は達成するかもしれない。
しかし、そもそもサウジアラビアは大きな勘違いをしているかもしれないが、米国シェールガス企業は自然と立ち上がってきた企業が多く、原油価格やガス価格が上昇すれば再び筍のように続々と出現するだろう。
なのでこの一時点で殲滅することができたとして、それに大きな意味があるとは個人的には思えない。

一方でこれで傷つくのはどちらかというと中東SWFのポジションではなかろうか?
基本的に中東SWFは欧米株を好んで保有している。
しかしこうした無茶なサウジアラビアの意地のはりかたに巻き込まれて、あれもこれも売られる相場になったら目標達成のために財政以上に自分の貯蓄ポジションに大きくダメージが発生する。
その時中東SWFが同時にポジションを投げることによって第二波の下げが来ることが現実的に見え始めている。

今回の惨事はサウジアラビアのビンサルマン皇太子の問題のある性格にあると思っている。
サウジアラビアのビンサルマン皇太子は個人的には基本的に「待てない人」という評価だ。
今まで何不自由なく生きてきた人にありがちな性格の象徴的な人物だ。
自分が動けば全てが上手くいくと完全に勘違いしている。
それが端的に現れていたのがカショガリ氏殺害事件であろう。
特に今回は今までの失策からビンサルマン皇太子の人心掌握が上手くいかなくなっており、敵対する派閥の人を片っ端から逮捕していることから相当な焦りが見られる。
だから今回も我慢ができなくて、逆に増産してやろうという逆張り的な破壊行為におよんだと思われる。
しかし、これは周りだけでなく、自分自身でさえ不幸にする愚策だと個人的には思うし、下手するとビンサルマン皇太子自体がその地位を失うかもしれない危険な行為でもある。

もうここまでくれば原油価格の下落は何か象徴的な事件が起きないと止まらないだろう。
誰かが大きなポジションを投げた、どこかの企業が倒産した、誰かが自殺した、そんなショッキングな事件が起きないとこの流れは止まらないし、そうした象徴的事件が起こるまでは相場の方向性は基本的に悪いと考えるべきだろう。
他のセクターはもしかすると押し目買いが正解かもしれないが、少なくともエネルギーセクター保有ポジションは今すぐ投げる以外の選択肢はないと思われる。