円安定へ、クジラ動く? 新型肺炎でGPIFが売りの見方

完全に後から解説ですけど。

<ドル円のチャート>
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個人的な見通しから完全に外れてドル円が110円を超えてきた。
これはおそらく自分だけでなく、多くの投資家が110円を背にしてショートをしていただろうし、これだけボラティリティが落ちていればコールオプションを売っていた人も結構いるだろう。
そこに予想外のタイミングでヒットしにいってしまい、
いくつか足元の円高要素と円安要素を比べてみたいと思う。

~円高要素~
・ コロナウイルスによる相場のリスクオフ
・消費増税による輸入の減少
・米金利低下による日米金利差減少

~円安要素~
・GPIFのオープン外債買い思惑
・日銀の追加金融緩和期待
・インバウンド減少によるサービス収支の悪化
・ユーロからドルへの資金移動
・そもそも資金が回帰するには日本国債の金利が足りない
・ボラティリティ減少に伴いたまったコールオプション売りがヒットした

後から考えると上記のうち、非常に影響力は大きいのは実はGPIFのオープン外債買いとユーロがドルのファンディング通貨になっていて、バンバン資金が米国に流れているという2つの要素のインパクトが大きいように思える。

元々個人的にはコロナウイルスによるリスクオフでの一定程度の円高もあるだろうなという前提で市場に取り組んでいた。
通常はリスクオフになればリスク資産を売り、これを日本国債に資金を回すという行為が行われるはずだ。
しかし、足元で日本国債の金利がその資金回帰を促すほど金利がない。
そのため、金法勢が我慢してエクスポージャーを維持しているので、あまり資金が円に回帰してこなかったのではなかろうか。
そうした中で、ユーロはECBの追加政策やドイツの財政期待ということもありユーロから米ドルへの資金移動が続いている。
このユーロから米ドルへの資金移動が米ドルから円への資金移動を相殺し、米ドルの高値維持に貢献した。

<ユーロドルのチャート>
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そこにGPIFのオープン外債買い期待も加わってボラティリティが低くなる中、ショートで真っ向勝負していた人達がポジションをカットしていく中でドル円が上昇する材料として消化されていっているように見える。

またそもそもコロナウイルスによる影響というのが市場の認識は世界ではなく、アジアに限定されているというスタンスを取ってきていることから、米ドルのファンダメンタルズは変わっていないという認識になったのだと思う。

こうしたことを背景にドル円が110円を抜けてきたように思えるが、書いている中でも本当に110円抜けるのってこんな理由なの?と言われると多分そう・・・という言い方ぐらいしか正直できない。
まあ勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなしともいうわけでよくわからない要素だけで相場が動いているが、それは今持っているポジションに満足しながらのんびり取り組もうと思う。