スマホ決済乱立、還元競い消耗 メルペイがオリガミ買収


相場がアホみたいな動きしてて見ててもしょうがないので、ちょっと閑話休題。

読んでたら最低のメンタリティな会社だなと思ったので少し新興勢金融に携わる人達にはぜひとも心してほしいことを述べたい。
まだ出来立てベンチャーでいろんなことに金がかかるのに六本木ヒルズに入居しているというだけでもこれはないわと思うが、個人的にコメントとしては史上最低かつ衝撃的だなと思った部分はここだ。

営業赤字は25億円で「1月中に資金調達のメドがたたなければ、預かり資産に手をつける必要があった」という。

この噂が出ていた時点で、オリガミのCEOは本当に資金調達できなかったら顧客資金を使い込んでいたと思う。
じゃなければこんな関係者コメントは出てこない。
これは一度でも金融機関勤めたことがあるような人間が口にしては絶対にいけないコメントだ。
金融業というのは、その性格上「顧客から預かっている資産を横領したい」というインセンティブが常に働く歴史があり、世界各地で金融業に携わる人間達があらゆる手法を駆使して顧客資産を横領するという事件を起こしてきた。

そしてこうした顧客資産を保護するために金融の法制度は整備されていっており、歴史の長い金融分野では、銀行では預金保護法といった預金を直接的に保証する制度や、投資信託にあたっては信託銀行が資産保全をし、運用会社が破綻しても顧客資産には影響ないように保全がなされてきている。

一方で新分野のFintechでは法律が追い付いていないことから顧客資金の保全というのが整備されていないことがある。
全く持って顧客資産が保全されていなかったケースでいうとソーシャルレンディング関連が挙げられるだろう。
みんなのクレジットというソーシャルレンディング会社が募集している案件は全部大嘘で、顧客から預かった資産をポンジースキームさせた挙句、一部をお実質的には自分のふところに入れるといったどこを見ても一点の曇りもない詐欺を働いていた。

<過去参考記事>

みんなのクレジットの詐欺問題および回収率の目安


金融業で顧客から預かった資金に手をつけるということは、大小はあれどほぼ上記のような詐欺と全く性質は同じだ。
動機は違えど、最終的には顧客に資金が返せなくなるんだから、結末は同じだ。

ぜひともこの点については新興フィンテック企業に勤めている皆様には心にしっかり刻んでほしいと思う。
概して若いFintech企業はこの顧客資金預かりをかなり舐めてかかっている会社が多い(というよりそういう若い人ばっかり)が、このような詐欺を働いたせいで業界が一発で信用を無くすということが起こり、自分達の居場所をなくすことにもなりかねないからだ。