<フィリピン総合株価指数ETFのチャート>
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デュテルテディスカウント発生中。

足元でフィリピンの株価動向が非常によろしくない。
本来はフィリピンは基本的に内需国で出稼ぎ労働者の送金さえ減らなければ実質GDP成長率6%あるのに、なんで日本株以上に株価下げてるんだよムキーとなっている人もいるかもしれない。
なぜここまでフィリピンの株価動向がよろしくないかというと、政治が民間企業の事業を妨害するパターンが増加しているからだ。

その原因はひとえにデュテルテ大統領に原因があるようだ。

Duterte's Water Rants Threaten Philippine Pitch to Investors

フィリピンで財閥系企業のプロジェクト許認可が取り消されたり、公共料金の契約について超法規的に変更しようと計画していたりする。
これは中長期的に企業収益に永続的なダメージを与えるもので、特に海外投資家から見たらいきなり超法規的な変更を加えてくるような国には安心して投資を行うことができないため、逃げていく投資家が増加していく。

一般的にはフィリピンの国家運営はテクノクラート的官僚が握っており、新興国にありがちないきなり企業に不利益になるようなメンヘラ的運営を行うことは少なかった。
しかし、デュテルテ大統領が麻薬取締で超法規的な方法で対応し(いわゆる麻薬密売人を私設兵士使って銃殺すること)、これによって民衆から高い支持率を得ている。
個人的な認識だが、こうした超法規的手法で人気を獲得した政治家というのは、段々とそれがエスカレートする傾向にあり、デュテルテ大統領も次に支持基盤固めとして財閥いじめを行うことにより支持率を上げたいとでも思っているのだろう。

まあ民衆にとっては公共料金が短期的には下がるのでうれしいかもしれないが、海外投資家は法律の範囲で読めない事象が出てくるような国はよっぽど成長率が高いとか規模が大きくなければ投資は手控える。
そして新興国は海外投資家の資金なしでは基本的に満足のいく成長率を維持することができない。
なぜなら海外投資家というレバレッジをかけることにより高い成長率が初めて維持されるからだ。

しかもこうした短期的な人気取り政策は中長期的に見ると公共事業への投資が滞り、結果的には低効率化を促してしまう。
南アフリカはまさにその状態で、エスコムという電力会社の投資が滞ったことにより、停電が頻発するというなんともなさけない国へと変わってしまった。

こうしたことを考えると、デュテルテ大統領がいる間はフィリピン株が台頭するなんてことはまず考える必要性がないので、全く投資を検討するに値しない状態ということで捨ててよいと個人的には考えている。