FRB議長「貿易の不確実性は減った」 会見要旨

FOMCの今回の金融政策も大まかな言っていることも対してなにも変わっていないので、大半は議事録もカンファレンスもただ一点を除いては見る必要性のないものであった。
その一点とは準備預金量に関する発言で、パウエル議長の発言は
「準備預金は最低1.5兆ドル持っておくべきと考えている」
と発言した。

以前書いたような気もするが、FRBが2016年以降利上げをしていく中で、それと同時にFRBはバランスシートおよび準備預金を減らしてきていた。
しかしリーマン前と比べて大きく強化された金融規制強化も相まって銀行がマネーマーケットに供給する資金量が足りなくなっていき、担保資産を通じた資金獲得が難しくなっていた。
通説では準備預金は0.8兆ドルあれば十分と言われていたのが、実務的にはそうではないということがここで初めてわかったのだ。
去年9月にレポレートが突然ジャンプし、これが明らかに露呈したところからFRBはこのまま準備預金量を減らすことは今の段階では難しいと把握し、ここから姿勢を反転させマネーマーケットに資金を供給するためのレポオペレーションの拡大とTビルの購入に踏み切った。
この効果もあり、準備預金は1.4兆ドル台から1.6兆ドルまで増加し、また特に警戒されていた年末越えで資金供給を特に厚くしたことから資金はじゃぶじゃぶな状態になった。

ただ市場ではこのレポオペレーションとTビル購入による資産増加がいつ終わるのか、またその際に準備預金はどのように推移させるつもりなのかというのが焦点になってきていた。
そもそも前述したように一体準備預金はどれぐらいあれば適正なのかという議論が脇に置かれたまま資金供給が続いていた。
しかし、今回のFRBの会見で結局適切な量がわからなかったので、前回問題が起きたレベル以下には当面は準備預金は下回らないように金融政策を行うというのが名言されたのだ。
これにて当面FRBのバランスシート・準備預金は減らないということが確定したので、まず金融政策サイドからショックを受けるような2018年末型の下げはそこまで危惧する必要性はなくなったと考えていいと思う。

ただし、一方でじゃあ無節操にバランスシート拡大させるようにしてくれるかというとレポオペレーションは既に残高が減り始める中で一日あたりの量も300億ドルぐらいに減額、Tビル新規購入もやはり2Qぐらいまでに終わりそうという趣旨の発言も出ていることから、微増に留まることも見えてきた。
(そもそも今回の措置はワンタイムシングスとも言っていて、本当はあまりやりたくないと思っている)
ようはバランスシート拡大思惑相場は終わり、業績の良化が見られなければ認めてもらえない業績相場へ移行していく可能性が高まりつつある。
その端境期にはやはり主な投資プレイヤーの移行が存在するわけで、やはりその過程でリスク資産にいくらかの下押し圧力が全体的なファンダメンタルズの好転が見られるまでは生じるのではないかと個人的には考えている。
というわけでまだ当面は防御は固め、資金には余裕を持ちながら押し目を丁寧に探る展開になると思われる。

なお、日経新聞ではこの準備預金の量についてバランスシートと誤訳しており、そういう区別もついてない記者が記事書くとかなめとるんかと思う次第である。