ボーイング、追加借入を検討 MAX関連費用が財務を圧迫

多少揺れますが安定運航には問題はありません(棒)

737MAX問題で民間機出荷のかなりの割合を占めていた737MAXが出荷できない状態が続いているということもあり、ボーイングの利益も財務も悪化傾向で進んでしまっている。
しかし、ボーイングの株価を見るとド派手に下がっているかというと、まあこんなもんか程度しか下がっていない。

<ボーイングの株価チャート>
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それはなぜなのかと言えば、ボーイングは米国の国防上最重要企業であるからだ。
歴史的には第二次世界大戦中にBシリーズの爆撃機を生産し、その後も米国戦闘機や宇宙開発を担う重要な役割を担ってきた。
経営が苦しくなった同じ民間・軍用問わず航空機を生産していたマクドネルダグラスも1997年に実質救済買収を行い、本社もシアトルからワシントンDCに近いシカゴへ移転するなど、米国政府にとっての重要性は年を重ねるごとに増していった。
ボーイングは軍用部門の売上が4割もあり、利益も同様程度あることからも米軍がボーイングにとってお得意様と見て取れる。

では仮にボーイングが破産してしまったらどうなるだろうか?
まず考えられるのは流出してはいけない軍事転用知識を持つ人材の国外流出だ。
破産すればボーイングは債権者集会で厳しいリストラを迫られることは間違いなく、そうなれば多くの軍用知識を持つ人材は無職になるだろう。
そうなると特に中国はのどから手が出るほど欲しいのは間違いなく、一方で食うに困った米国人は何が何でもそれに飛びつくことはほぼ間違いない。
それすなわち自動的に航空関連軍用知識が中国に流出することになり、米国は厳しい立場に陥ることは火を見るより明らかだ。
それにボーイングは一社単独で航空機を製造しているわけではなく、多くのサプライヤーを抱えているが、困ったサプライヤーは別の商売相手を探して技術供与を行う可能性が高い。
それが同様に新興勢力の勃興を招く可能性があり、これも軍事的にはまずい事態になる。

以上を考えるといくらボーイングの財務が悪くなろうが、米銀は政府の要請の下ボーイングの財務を支えるしか選択肢はなく、超法規的な扱いを受ける事態になるだろう。
最悪どこかの軍需企業とくっつけて救済合併させるぐらいのごり押し再生まで考えられる。
つまり737MAX問題解決するまでの資金繰りは十分につなげられると投資家は地震をもっている。
そう考えれば慌ててボーイング株売る必要性なんてそこまでないよねというのが株価チャートを見る限り投資家の本音のように思える。