歴史的に見て役割が違うんだから、地銀に何かを働きかけるのが間違っている。

ここ数日真剣にマネーマーケットの勉強しなきゃなと思い、色々書籍を読んでいたのだが、その過程でそもそも地銀とはどういった存在だったのかというのが理解できた。

<今回読んだ書籍>

東京マネー・マーケット


レポ‐リバース市場―貸し債券市場の実務

一言で言えば、都銀が貸出超過となる中でその資金需要を埋めるために預金をかき集めて、マネーマーケットで都銀に資金を提供するために存在している。
そしてこれは日本だけでなく、米国もほぼ同じ構造であったことから、これはほぼ全世界的共通項であることは間違いないだろう。

具体的にいうと、第二次世界大戦後に世界の経済が復興していく中で、日本でも米国でもやはり人やモノが集まり、急速にインフラやビルディングの建設が必要な都市部に拠点を持つ銀行(日本ならいわゆる都銀、米国はシティやバンカメなどの超メガバンク)には貸出需要が旺盛にある中で、貸出原資となる預金が不足していた。
一方で地方の銀行は預金は集まるものの、都心部と比べればやはり借入需要が低いということもあり、預金が余っている状態になっていた。
そこで、ではどうやってメガバンクはどうにかして預金が余っているところから金を引っ張ってきたいという需要と、地方銀行は余資をいかに有利に運用して利益を稼ぐかという供給がマッチングし、そしてマネーマーケットが生まれた。
つまり、そもそも地方銀行は昔から伝統的に預金が余っている主体なのである。

時代は変わり、先進国の銀行は基本的にどこも資金がじゃぶじゃぶに余る時代となってしまった。
日本ではメガバンクでさえ預貸比率に非常に余裕があるわけで、そうなると元々メガバンクに資金を供給する役割であった地銀の貸し出し状況がもっとひどくなり、収益が低下することなんてまったくもって当たり前の話なのである。

だから本質的には地銀にいくら状況を改善しろといっても伝統的にそのような役割を担ってきてこなかったのだから無茶な話である。
本当にせっつくべきなのはメガバンクの方で、こちらに新しい貸し出し需要を生ませるようなイノベーションを求めなければいけないわけで、地銀にそれを求めるのははっきりいって筋違いにも程があると感じた。

そして大体こうした利益状況が苦しいところから、その余資をハイリスク投資に傾けていくという悪い風習があるため(中国の地銀は全くその状態にある)、個人的には金融庁の方向性は間違っていると思っている。
(まあ本人達もわかっているようには思えるが)