新型コロナウイルス感染症の現状と評価(2020年1月21日現在)

新型肺炎コロナウィルスが中国の武漢を中心に広がっているという話が、徐々にニュースでの取り扱いが増えてきたので、念のため相場への影響がありそうかなさそうかというのを確認したいと思う。
過去の相場に影響した病気例でいうと、2003年SARSと2014年エボラウィルスの2つがある。
エボラウィルスはほぼアフリカ内で収まったので相場的には少し揺らぎが見えた程度で、世界経済に対するインパクトはほとんどゼロであった。
しかし今回のコロナウィルスはSARSと同様に中国から感染が拡大していっており、すわSARS再来かという人もちらほらいる。
個人的には医学的見地がないことから、ここまでわかっていることをまとめていき、まずは現状認識から努めていきたいと思う。

・1月21日時点で公式発表では中国で260名程度(ほとんどが武漢)、日本1、韓国1、タイ2。
(ただし中国の数値はうそぶっこいて嘘ぶっこいている可能性が否定できない)
・日本・タイ・韓国では二次感染は確認できず
・台湾やオーストラリアでも渡航者の感染が確認された
・一方で中国国内では武漢渡航歴がない接触者が発症していて二次感染が起こっている。
・人から人へ感染することも確認されている。
・死亡例は6例(いずれも中国国内)、いずれも高齢者
・現在の致死率は1.8%とまだかなり低い。また死亡例もまだ高齢者オンリー。
・武漢発のグループツアーは禁止、個々人も公共交通機関において色々検査される見込み

ここでSARSと比較しておきたい。
・WHO調べで感染者は8096人(中国政府がどれぐらい誤魔化しているかは不明)
・致死率は10%近くあった
・アウトブレイク発生が2002年11月だったが、中国政府の情報統制で世界的な対応は2003年2月にベトナムで死亡した米国人の例までかかった
・2003年3月時点で500人ぐらいが香港で感染が確認されたが、中国の統計数値は引き続き誤魔化されていた。
・封じ込め成功宣言は2003年7月と終息までに約8ヵ月かかった

比較をしてみると新型肺炎コロナウィルスについては前回のSARSと比べると、一応中国政府の対応は早めに動いているということは確かだろう。
(それでもかなり隠蔽しているっぽいが)
SARSの時は香港でのアウトブレイクまで中国政府は隠蔽してきたため、香港やその他地域での発症を広げたことを批判されている。
そもそも中国の公的病院というのは未だ野戦病院みたいな下手すると床雑魚寝みたいな扱い方をされるということもあり、何分人口が多いということもあり、広がり初期はどうしても抑えられないというのが中国の貧弱な社会保障制度の実情だ。
(一方で昔と違いたんまり金を払えば豪華な民間病院に入院できるという点では進化した)
今回のコロナウィルスとSARSの感染時期はほとんど一緒であり、年末や旧正月に向けて先んじて移動した人経由で感染が広がるリスクが懸念されている。
また、中国政府の発表はどうしても多かれ少なかれ誤魔化されている懸念はぬぐえないので、中国以外の発症例を確認し、SARSと比較しながら相場への影響を考えたい。

なお、SARSの時の相場への影響として
・香港の不動産価格下落。
・ホテル株や航空株の業績は大幅下降し、実際にJALやANAはかなり手痛いダメージを受けた。

また、春節前連休ということもあり、(中国7連休、台湾7連休、韓国4連休、香港4連休)連休中に感染拡大でとんでもない事態になることの懸念およびもう利食っておこうという両方のインセンティブが働いているせいかアジア株相場は21日火曜日から急にグダグダになり始めている。

また実際の中国の状況や中国政府発表については下記記事が参考になるので、こちらも読んでおきたい。
読んだ限りは致死率はやはりSARSと比べれば低いものの、かかると若い人でも一時的に重篤化しやすいということと、一定の感染拡大はやむを得なさそうというところだろう。

武漢の新型肺炎重症患者が「ただの風邪ではない」と気づいた症状を証言

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