イランデモ、最高指導者にも矛先 撃墜関連で数人を逮捕

振り返ってみればたしかにそこが転機だったように思われる。

緊迫していた米国-イラン情勢だったがイランが誤ってウクライナ航空の航空機を撃墜してしまったところからイランの動きが急速に鈍っていき、もう足元ではイラン側からほとんど目立った動きが見えなくなってきている。
これはイランが国内の対応で手一杯の状態に陥っており、米国に喧嘩ふっかけてる場合じゃないという状態になっているからだ。
そして、その原因が航空機撃墜にある。

イランの航空機撃墜については外交というより内部からの国民の急速な突き上げが大きい要因になってしまった。
少し考えれば至って単純な話で、自国民が多数乗った航空機を撃墜され、さらにそれを隠蔽しようとしたというのだから国民にとっては支持していた政府の重大な裏切り行為だと認識したのだと思う。
おそらく、これがほとんど自国民が乗っていない航空機撃墜であればほとんど騒ぎは起こっていなかったと思われる。
例えばだが、日本政府が日本人が多数乗った羽田空港発便のシンガポール航空の航空機を北朝鮮からのミサイルだと間違って誤射して撃墜させたというのと同レベルの話だ。
これだけで先進国なら政権一個ひっくり返るレベルの珍事だが、新興国でも珍事中の珍事だろう。
あまつさえ、やばいと思ったのかなんとか隠蔽しようと試みたことも非常にまずく、イラン国民にとってはただでさえ空港から離陸しようとする飛行機を撃墜すること自体がありえないと思える珍事なのに、そこには多数の自国民が乗っていて多数の死者が出たにもかかわらずうやむやに終わらせようとしたところで、今までイラン政府のために米国政府の制裁による困窮を我慢してきたにもかかわらず裏切られたという思いが一気に噴出したことから国内の雰囲気が一変したものだと考える。
今ここで国外をさらに刺激するような行為に出て経済制裁が強化された日には、下手すると今まで一致団結してきて困窮に耐えてきた国民にそっぽを向かれるリスクがあり、そのほころびは大きなものになりかねないと判断せざるを得なくなったものだともう。

以上の情勢を考えると、当面しばらくはイランが国外に喧嘩をふっかける余裕なんてものは一ミリもない状態に陥るので、結果的には中東情勢は小康状態、原油価格も一旦出戻りという判断を市場はしている。
なお、この中東情勢落ち着いた分のリスクオンについては既に市場に十分織り込まれ済みとも個人的には判断している。