中国株日次信用取引量

タイトルなし


いつも中国の投資動向として重視して中国株の信用取引買い残高動向を見ている。
中国人は株において相当程度を信用取引でぶん回す傾向が強く、中国株動向は強くこの信用取引動向推移に相関している。
これを見ているといよいよ中国マネーも買い気を出してきたのかと期待を抱かせるにじわじわと増加傾向で推移し始めている。

中国は長らく金融緩和を行ってきていたがその効果がなかなか出なくいらいらしている人も多かったように思われる。
昨今ではLGFV関連の不良債権増加に伴い立ち行かなくなった包商銀行のベイルインも中小銀行のファンディングの要であるインターバンク市場を揺さぶるなどごたごたが続いていた。
しかし中国政府がその後の錦州銀行の処理対応などで絶対にインターバンク市場参加者に損失負わせるようなベイルインはやらないことを示し、とりあえず米中貿易戦争も双方ギリギリな状態であることから過激化が止まったことから、LGFVのデフォルト増加以外はかなり先行きの見通しがしやすくなってきた感触がある。
そのことを機敏に感じ取った中国個人投資家のお金がゆっくりだが動き始めたように思える。
特に香港の動乱で不当に安くなった香港経済エクスポージャーの低い本土関連株にアービトラージ的な打診買いをしているという話だ。

ただ怖いのは中国人個人投資家のポジションはすごく偏るのが速い。
加えてそれが平気で二階建てだったり、自分の会社の資産担保にしたりとお前破滅したらどうすんだよと思うようなポジションの取り方をする。
このリスクが示現したのが2015年に起きた中国株プチバブルの崩壊だ。
当時もまだ不況が長引く中で中国が大胆な金融緩和をかけてきた。
中国本土株のPERが10倍以下と激安だったということもあり、そこから急速に中国本土個人投資家がレバレッジをかけて株式市場に乱入してきた。
中国政府も途中まで煽っていたが、途中からちょっとまずいと考え始め証券会社や金融市場に過熱を止めるよう圧力をかけ始めた。
そこから積み上げたレバレッジが逆転し始めた。
来る日も来る日も市場が始まって数分で売りが殺到し、サーキットブレーカーが発動して全く身動きが取れないという状態に陥ったのだ。
まさに総悲観という形で結果的には中国本土株以外ならどこで買っても勝てる相場であったが、リアルタイムで見ていた身としては全てを投げ捨てたいという恐怖心との葛藤をしていた。

なので信用買いが徐々に積みあがるのはよいことだが、そのスピード感については注意をしていきたいと思う。