Investors race to tech start-ups despite SoftBank stumbles



誰が分かってて養分になるのか。

PEファンドブームであることは以前に記事にも書いたが、PEファンドの投資体制についてウィーワーク事件以降変化がでてきているようだ。
ウィーワークの件があり、やはり投資家側があまりにもアーリーステージのスタートアップに多額の金を突っ込むのはリスキーだと考えているし、PEファンド側も一発ミスると看板に傷がついて金が集めにくくなるという事情も理解しつつあるようだ。
そのためPEファンドおよび投資家はレイターステージ(ようは上場までの道筋がかなりもう見えている状態)のベンチャー中心に投資するスタイルへお金をつぎ込む方向に変化しているようだ。

でもこれはいってみればもういつでも上場できるような未公開企業にファンディングという提灯をつけさせて、高バリュエーションをつけさせてから投資家に株を売りつけたいという意図がみえみえなのが、はっきりいうとむかつく。
基本的に未公開企業の評価というのはエクイティ資金調達を行った時のみ再評価される。
なぜなら未公開の間はその企業の株評価というのは資金調達の時でしか計算されることはないからだ。
そしてレイターステージ企業への過大な投資というのは、もはや上場前にその企業に雑な成功ストーリーに基づいた投資戦略を作らせて公開時のバリュエーションを無駄に引き上げさせ、公開市場で投資家にすっ高値をつかませたいという意図しかない。
なお、文章だけだとイメージしづらいし実例が知りたいという方はソフトバンクの決算を複数期過去分を追ってみるといいかもしれない。
なぜならソフトバンクは決算前にビジョンファンドに投資先に追加出資させて評価金額を吊り上げ、それを企業利益に入れたりとかして決算を作っているということもしていた。
(だからこそ、ソフトバンクの決算数値自体が信用できないという意見もある)
そして結局そうした無駄な評価吊り上げによりすっ高値で上場したウーバーやスラックの株価が平気で公開価格から3割以上の割引は当たり前みたいな下がり方をすることになる。

上記を考えれば公開する直前に無駄にVCやPEがベタベタ投資して、それに伴い投資金額を倍プッシュしている最中のところですっ高値バリュエーションで買いたいとかいう投資家は情弱という表現以外で表現することは可能なのだろうか?
というわけで以前よりもずっとIPO銘柄について少なくとも2-3回は決算を確認してその企業の本当の実績というのを確認することの大事さが増していると個人的には考えている。