ネット投信宗教戦争に変化の兆し。

正確な情報源ではないものの、足元で複数筋からひふみ投信を解約し、グローバル3倍3分法(通称グロ3)へのスイッチングが進んでいるという話を聞いた。
一か所ではなく複数筋から聞いているのでこれの真実味はかなり高いと思う。
またツイッターやネットを見ると一部グロ3を礼賛するようなアカウントやページも見られ、ネット投信宗教勢力においてひふみ宗教から脱北し、グロ3宗教に入信し始めている人も見受けられ始めている。
ネット投信においてもその勢力入れ替えが起きていることははっきりしている。
SBIの積立設定金額を見るとひふみが脱落しており、グロ3が一気に上位に食い込んでいる。
まだ販売金額トータルだとひふみが上位10位以内に出てくるが、一番安定的に残高を積み上げられる積立投資家がいないというのがかなり痛い。

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実はひふみ投信は直販体制で売っている分と販売会社経由で売っている分とで分かれており、直販が1300億円程度、販売会社経由が5900億円程度残高がある。
直販部分はおそらくレベルの高い信者であることから資金は抜けにくいように思われるが、一方で販売会社経由は販売会社がてのひらを返してしまえばかなりもろいと言わざるを得ない。
そしてひふみ投信の直近成績は非常にさえない。
ファンドが巨大すぎて足元で中小型株の一部で売れるものを売り、大型株や海外株に切り替えていた。
特に大型株への移し替えが多く、そのせいもあってパフォーマンスは単に日経中小型株指数とTOPIXを足して2で割ったようなパフォーマンスが続いている。
特に投資者が失望しているのはこの2年間のパフォーマンスが日経平均にボロカスに負けていることにある。
いわゆるかつて藤野氏ご本人がディスってきたインデックスパフォーマンスしか出せないアクティブファンドとなってしまった。

おそらく販売会社側の企画部も既にそれに気づいているだろう。
またレオス側は単品かつ急激な残高膨張に伴い代替策を出せない&販売会社へのフォローが追い付いていないという可能性も考えられる。
なによりひふみ投信の広告塔でもある藤野氏がひふみ投信立て直しより副業の未公開企業への投資やらゲコノミクスだとか言って趣味に走っている形跡があり、販売会社のつなぎ止めがうまくいっていないようにも見える。
ここで販売会社が考えるのはリスク耐性が強く、高リターンを追求している顧客からの不満に対処すべく適切な金融商品へスイッチングさせることである。
またひふみ投信とは属性の異なるファンドにスイッチングさせたいということもあるだろう。
おそらく販売会社は顧客からなぜひふみ投信のパフォーマンスが悪いのかと聞かれても、レオス側の適切なフォローが欠けていたことから販売員が説明に苦慮する事態が発生している可能性がある。
そうなると販売員側からはなるべく説明しやすいファンドを供給しろという話になる。
加えてパフォーマンスが良くて、リスク資産にきちんと配分をかけているファンドという条件も付いてくる。

そのような状況下ですい星のように現れたのが今回のグロ3である。
グロ3ははっきり言うと先物でレバレッジをかけていること(特に国債先物に大量のレバレッジをかけている)以外は極めて単純な構造をしているファンドだ。
販売員のセールストークはリスクポジションを普通の株ファンド並みに維持しながら、さらにREITや債券にも分散投資させられてリスクリターンバランスが良いことを説明できる。
そのうえ先物を使っているだけなので、実質的にパッシブファンドに近い形態で販売員側も何か起こった時に非常にフォロー説明が楽ということもインセンティブ的には大きいだろう。
しかもこの半年はREITと債券のパフォーマンスが非常によく、この2資産とレバレッジのおかげで2019年来のパフォーマンスは+20%までたたき出すことができたので、お客からも受けがよさそうだ。

こうしたことを背景にひふみ投信からグロ3へのスイッチングが進んでいると考えられる。