米ウィーワーク、リストラ資金確保へソフトバンクGと交渉=関係筋

やむにやまれぬナンピン。

ソフトバンクが保有するウィーワーク株についてここにきてリストラ費用に使うための追加出資ナンピンを行うかもしれないという報道が出た。
ここにきてなんでソフトバンクがナンピンするんだ、孫正義は本当に頭が狂ったのではないかと思う人もいるかもしれないが個人的にはこの判断は大人の事情でやむにやまれず追加ナンピンせざるをえない状況になりつつあるのではないかと想像している。

その想像の根拠として米銀との関係性を重視せざるをえないという点がある。
ウィーワークについてはソフトバンクは出資という形を取っているが、米銀も貸出という形でウィーワークのエクスポージャーを持っているし、ウィーワークのCMBSも手掛けている。
もしウィーワークがお星さまになってしまった場合米銀のローンも焦げ付くし、CMBSも毀損するため投資家からの信用も下がるだろう。
別にそれだけで米銀の信用が根本的に揺らぐということはないが、少なくともかかわった重役数人のクビが飛ぶことは間違いない。

ならば少なくともできることは全部やって立て直すしかないというのが米銀の考え方の基本になる。
でもこれ以上のエクスポージャーを取ることはおそらくリスク管理部から止められているので自社からは金を出せない。
ならばそもそもこの話を持ち掛けてきてそそのかしたソフトバンクに責任を取らせようと米銀担当者は皆思うだろう。
ではソフトバンクにどう交渉して責任を取らせるか。ソフトバンクは世界一ジャンクボンドを発行している発行体であり、資金繰りという面に弱点を抱えている。

特に最近ソフトバンクは外貨建て債券やローン調達が多くなっており、こうした外貨建て調達は米銀なしではマーケティングが難しい。
そのうえ、1シリーズあたりの債券調達金額がばかでかいので、そういう案件こそ米銀を使わなければ成立しないという側面がある。
まずは米銀担当者はウィーワークの尻拭いをしないなら今後外貨建て債券のマーケティングはやらんと脅すだろう。
またソフトバンクのビジョンファンドは良い投資先は長く保有する一方で、成長力に鈍化がみられたりバリュエーションの伸びに限界がみられる会社については次々とIPOさせてEXITするというのが投資戦略の中心になっている。
もちろん米国市場でIPOするには米銀の手を借りないとできない。
ならば米銀担当者はそこからIPOEXITの手助けもやらんぞと脅せる。
さらに今進めているスプリントとTモバイルの合併についても米銀ロビーがなければ成功に導くことが難しいので、ここも米銀にとってはソフトバンクを脅せる材料の一つになっている。

こう言われればもうソフトバンクは米銀の言うことをおとなしく聞くしかなく、尻拭いのための追加ナンピン出資をせざるをえない立場に追い込まれていることは想像に容易いと思う。