US: ISM Non-Manufacturing PMI dropped to 52.6

相場で最も混乱が起きる時はどういう時だろうか?
それは売らなきゃいけない人が売るという行動に出た時だ。

売らなきゃいけないというのはどういう状況か?
大体は大きなファンドの解約に伴うことが多い。
売らなきゃいけないと決まれば、顧客に解約金の引き渡しまで期限が決められているのでファンドは淡々と売るしかない。
そこには人間的な温かみなどなく、機械が冷酷に無感情で売るようなイメージが強い。
売らなきゃいけないわけだから、アロケーションとかそういう金融的な考え方も一切なく行うため、今まで相場でワークしていた相関関係が壊れる。



例えば直近だと2015-2016年の原油価格が大きく下落したときは、オイル系SWFが実需売りに出てきたという噂を背景に相場における相関関係が一気に壊れてなんでもいいのでリスク資産を売るという行動が大きく促進された。

しかも昨今はこの実需マネー売りが出ると後からクオンツ系ファンドの売りが重なるためボラティリティが上がりがちになる。
AIを活用するファンドやリスクパリティなどクオンツ要素を取り込んだファンドというのが機関投資家の間でも人気があり、一度相場における通常の相関関係が壊れると、それに合わせてポジション調整をしようと無理くりポジション変更してくるため相場の下げが増幅される。
ただ実需マネー売りが止まり、誰それが売ったみたいなニュースが出てくるとその辺で徐々に売りが収まってくると段々と押し目買い的な動きが優勢になってくるのでこうしたサイクルが一巡して相場は反転していく。

今その売りが増幅されているのかどうかは米国であればETFの出来高などを見ると万能ではないもののヒント的なものは掴めるのかもしれない。
今回の売りの発端になったのはウィーワークのIPO撤回によってウィーワーク社債が大幅下落したことが一つある。
別にウィーワーク1社がどうなったということで世界経済がどうなるかというわけではないが、ハイイールド社債の下の方(B-とかCCC+)とかのレベルの企業はエクイティ調達をしないとお前ファンディング成り立たないだろという企業が多い。
そうした企業の資金調達源がウィーワーク上場撤回によってスクイーズされているということで、ドベジャンクボンド売りからこの相場下落は始まっているようにも見える。
若干だがHYGのETFも出来高が膨らんでいる。

<HYGのチャート>
タイトルなし


こういう相場時は売りかぶせに行くか、ゆっくりと追加すべきものを何にするのかを慌てず考え、余剰資金をどう活用していくか考えたい。
もう全部の資金使っちゃって身動きできないよという方はどうすべきかわからんですけど・・・