CLO商品の市場規模、金融危機前夜に匹敵=BIS報告

本当に金融ショック的なものが走るには要素が足りない。

ここもとずっとCLOが次の金融危機の引き金になる的な表現が続いているが、大きく違うところはやはりレバレッジだろう。
リーマンショックの時は様々な証券化商品やCDSを組み合わせて作ったCDOを組成、そしてそのCDO達を複数組み合わせてCDOを組成し、さらにそのCDOを組み合わせてCDOを組成するといった複数階建てのレバレッジがかかっていた。

しかもその過程の中で元々低格付けの原資産を分散して組み合わせているので、リスクは低くなっているので高い格付けを付与しちゃいましょうという間違いがムーディーズやS&Pで横行することになった。
(説明の通り組成したCDOからCDO組成していたりするので何もリスク分散できていなかったのだが)
極めつけは一度原資産から組成したCDOから何回もCDOを組成するため、原資産リスクの把握が難しく、これがサブプライムショックと加わってスパイラル的に信用不安が発生したこともサブプライムショックを大きくした原因になってしまった。

一方で今回のCLOについてはどうだろうか?
確かにCLO自体は企業のレバレッジドローンをいくつも組み合わせて組成したものだが、少なくとも過去のCDOのようにCLOから新しいCLOを組成する事態は横行はしていないようだ。
またそうした複数階建てになっていないことから原資産の状況についても逐次把握ができており、一つのCLOに組み入れられている原資産の企業ローンについて普通はアナリストが分析を行えているといった状況のようだ。
この違いからCDOとCLOの過去のデフォルト率状況を見比べるとその特性は大きく違うことがわかると思う。

また分析できている状況ということはいくらまで価格が低下したら買いと考えている人達もそれなりに存在していることを意味しているので、サブプライムショックのような一体いくらまで資産価格が下がるかわからないという事態に陥ることは少なそうだ。
また、大手銀行が保有しているのはAAぐらいのトランシェまでで、それ以下についてはヘッジファンドや委託運用などの金融システムに直接的には関係がないプレイヤーが多いことからA格ぐらいまでのトランシェ価格が大きく下落しない限りはそこまでシステミック的なことも起こり得なそうだと思う。
もちろん一部プレイヤーが保有しすぎて鯨化してしまい大損するという可能性は否定できないが、リスク根源がはっきりしていること・すでに金融当局の監視レーダーに入っていること・レバレッジがかかっていないことまで考慮すると、これだけで金融崩壊論を唱えることは難しいと思う。