印財閥リライアンス、1.5兆円調達 財務立て直し急ぐ



インドのリライアンスインダストリーズはインド最大の財閥で、インドからの輸出の2割がリライアンスインダストリーズからのものと言われている。

そんなリライアンスインダストリーズが前々からニュースにはなっていたが、化学精製事業の株20%をサウジアラムコに売るということを発表した。
加えて小売り事業およびここまで多額の投資を行ってきた無線通信事業であるリライアンスジオについてもIPOを予定しており、こうして得た資金はネット有利子負債をゼロにするために借金返済に使うと公言した。

2016年から多額の投資資金を無線通信事業に投資してきて借金を業績のテコにしてきたインド最大財閥がここにきて借金を減らす戦略に転じてきた。
これが何を意味するか考えると、手元資金を増やして防御を固めておこうと考えを変えてきたとしか思えない。

化学精製事業の株を一部売り、小売りも無線通信もIPOさせて一部株を売りたい。
これは資産が高いうちに利益確定しておこう、なに資金さえあれば不況になったら有望な資産を買えばいいじゃないかという戦略変更としか個人的には見えない。
特に伸びている小売りと無線通信リライアンスジオをIPOさせるとはっきり明言したことは投資家にとっては初耳情報であり、サプライズとなった。

少し話が前後してしまったが、リライアンスインダストリーズが考えていることをまとめたいと思う。
ここまで精製事業では米中貿易戦争に伴う化学製品需要の減退でマージンは圧迫されつつあり、当面伸びも期待しづらそうだというのは誰の目にもあきらかだ。
加えて米国勢が安価なシェールガスを利用した化学品精製も拡大させていく兆しがある中、ドバイ原油を使っているリライアンスはいくら巨大かつ高効率な精製所といえど競争激化は必至だ。
一方でサウジアラビアは石油掘削一本足打法から多角化していきたいと考えている。
というわけでサウジアラビアに高値で株を一部売りつけてやろうというのがまず一つ目の動きだ。

そしてリテールとジオのIPOについてもなんとなく思い当たる節がある。
それはインド経済の減速だ。
これは完全にインド固有の問題だが、ノンバンク金融の目詰まりでインド経済は急速に落ち込んでいる。

<過去参考記事>

インドの銀行は再び不良債権沼に沈むのか


今後インド経済が厳しくなると考えればインド国内景気から影響を受ける部分も高値のうちに一部売却しておこうと考えるのは自然なことだと思う。
とにかくインドの最大財閥がインド経済に対して良くは思っていないということがはっきりしていることは間違いない。
(普通は景気見通しが明るいなら借金積み増してでも投資すると思われるし)